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サイレンスで踊りたい - 濃密なチャレンジ -

リリースからいつの間にか2週間が経っていました。
でもまだ2週間。濃密な日々です。
GOOD BYE APRILのMajor 2nd Single、配信リリース。
"サイレンスで踊りたい"
渾身の、って書くのは簡単ですが、、今回ばかりは本当に渾身のダンスナンバーです。

4月に "BRAND NEW MEMORY" をリリースして、この曲とともに夏まで走ってきました。
13年目のメジャーデビュー、憧れの林哲司さんとつくったデビュー曲。色んな意味合いの重なった特別なこの曲を、大事に演奏してきました。

6月頃、次のリリースの話が具体的になり始めました。実はそのとき秋のリリースは予定になかったんですが、"BRAND NEW MEMORY" の次として、自分たちの今やりたいチャレンジをしっかりやっておきたいと感じ、チームに相談をしました。結果、スケジュール的に少し無理があったんですが、10月の2ndリリースが決まります。

次のテーマは、
ソウルフルでダンサブルかつ、日本的メロディーの曲をつくる
でした。
リリースに向けて、6月のうちに新たにデモをいくつかつくり、その中にも気に入った曲がいくつかできました。
一方でサイレンス〜の原型は "Soul Minor 2023" という仮タイトルのデモで、5月のうちにつくり込んだデモができていました。
6月末、スタジオでメンバーとこの曲の錬金を試み、サビの英語の部分以外のメロディーはこのときのスタジオでメンバーの意見により生まれました。
もともとはもっと洋楽的で(良くも悪くも)おさまりのいいメロディーでしたが、それを壊したことで日本的な主旋律とコーラスが掛け合うというダイナミックなつくりのサビに進化。キーも自分史上稀に見る高さに。
この錬金した "Soul Minor 2023" と、もう1曲の候補 "Saturday Night Lover(仮)" が競った結果、"Soul Minor 2023" が2ndシングルに決まります。

ソウルフルな楽曲をずっとやりたかった理由としては、"80s" "シティ・ポップ" というキーワードと自分たちなりに向き合ってきた中で、その領域を広げたい、向こう側へ行ってみたいという思いがありました。
その上で、コーラスワークやリズム隊のグルーヴを魅せるという点で、80sソウルを今一度真っ向からやるのはとてもやり甲斐があると思っていました。というかここ1〜2年、いろんな80sソウルミュージックをサブスクやアナログで聴いて、僕自身心が踊っていました。これをやれたら楽しそうだなぁと。

(↑いくつかある着想の中でこの曲がとりわけ大きなヒントになりました)

やり甲斐はありましたが、この曲を「完成」させるのはとても難しかったです。
曲が決定したのが7月上旬、レコーディングは7/25。もともと少し無茶なスケジュールを承知でGoしたわけですが、かなり時間はタイトでした。

アレンジのブラッシュアップをする上で、"メルテンさん"こと岸本亮さんの鍵盤には本当に救われました。
メルテンさんが忙しいスケジュールを縫って一度スタジオに来てくれて、そこで曲をセッション的に合わせたとき、一気に曲のムードが大人びたのを感じました。アグレッシブさとアダルトな艶感のバランスの着地点がそのとき掴めた気がしました。

もともと生で入れようと思っていたトランペット&トロンボーンとストリングス。
ホーンは "TRANSIT IN SUMMER" に引き続き島裕介さんに、Violinは三輪紫乃さんにお願いしました。
メルテンさん含め、今回のゲストミュージシャンの皆さんはdiskunion繋がりでご一緒させていただいてます。チームunionです。笑  みなさんのおかげで曲のムードが出来上がっています。

さてアレンジはいい感じにゴールが見えたものの、歌詞も長い闘いでした。
僕と延本それぞれに取り組み、少なくとも3回はボツったと思います。
不思議なもので、ボツになる詞は、できた!と思ってスタジオに持って行って歌ったときに、そこはかとなくボツの空気が漂うものです。笑
逆に言えば、完成の歌詞は「これだ」感がちゃんとあることが多い。この曲は特にそうでした。
この曲は英語しかハマらないパートも多いし、実はAメロBメロの言葉数が結構少ない。なので短い言葉で伝えなきゃいけないことが多く、難しかったです。
いよいよレコーディング4日前、追い詰められて自律神経にも若干の支障をきたした頃、笑 ふと「サイレンスで踊りたい」というキーワードを思いつきました。その瞬間、書き直しの中でよかったフレーズや言葉がそのキーワードによってするすると結び付いていって、このひとつの歌詞に結実しました。ミラクルでした。
"サイレンス" という言葉は80sの音楽にもたくさん出てきますが、「サイレンスで踊りたい」=自分だけの愛を大事にしたい、という意味合いで使えたことにすごく満足しています。
もっと自由でいいと常日頃思うのです。自分が好きだと思う物事に対する思いは、他の人と比べなくていいし、決まった型や物差しで測らずに、自分の好きを深めていけばいいよね、と。

歌録りの日。

歌詞ができるまでは、どんなにアレンジを詰めても不安でした。ぜんぜん一人前の曲にならない感じ。今回は特にそれを実感しました。完成してよかった。

レコーディングはとても楽しく、あっという間でした。
メルテンさん、三輪さんにもスタジオに来ていただいてダビング。島さんは宅録でひとり2役(トランペットとトロンボーン)入れていただきました。
最後の最後に、どあたまにミュートのトランペットを入れたくなって、島さんにお願いして追加していただきました。

そんなこんなでMajor 2nd Single、ギリギリなスケジュール進行で苦労もしたけど、結果今やりたいことを思いきり楽しんでやれたと思います。ソウルフルでダンサブル、洋楽的だけど歌謡的、何度も自分たちの想像を越えた濃密なチャレンジでした。

MVでは、念願だった阪田マリンさんとのコラボも実現。
他メンバーがさりげなく登場するなか、ドーンと画面真ん中に現れる変態サングラス。は置いておいて、マリンさんの七変化、見所だらけです。
「レトロなのに新しい」が随所に散りばめられていて、楽曲の目指すところともリンクしていてとってもお気に入りです。

一緒に配信リリースになった "BRAND NEW MEMORY" のEnglish ver.も、英訳、発音、色々頑張りました!笑  言語が変わるだけで曲の香りも変わります。ぜひ合わせて引き続きお楽しみください。

皆さんのお気持ちをぜひよろしくお願いします!いただいたサポートは今後の音楽活動費とさせていただきます。