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Femtech Fes! 「オンライン処方&ピル」 質問回答

5/16にfermataが開催したイベント Femtech Fes! オンライン Vol.6「オンライン処方&ピル」で、本番中に寄せられた質問にお答えしました。全ての質問にはお答えできておりませんので、あらかじめご了承ください。

Q.新型コロナウィルス拡大の前後で、オンライン診療可能な医療機関の数がどれくらい変化したか教えてください。

A.これまでは約1000件程度でしたが、4月26日時点で1万件以上に拡大しました。

Q.イベント中に紹介していた、各国の"ピル事情"が分かるサイト名を教えてください。

A.Global Oral Contraception Availabilityです。


Q.フィンランドのピル使用率のソースを教えてください。

A.国連が提供している「World Contraceptive Use 2018」です。


Q.フィンランドの医療サービスで、他に女性に特別なサポートはありますか?北欧の医療体制に興味があります。

A.女性限定ではありませんが、各自治体で「Neuvola」(=ネウボラ)という、妊娠から就学まで担当の保健師が家族の健康を支援するサービスが提供されています。また、医療サービスではありませんが、10歳〜29歳の女性向けに、性教育・セクシャルウェルネス・性被害・若い母親サポートなどを行う「Tyttöjen talo」(=ガールズ・ハウス)というサービスは、いくつかの自治体で提供されています。家庭内暴力・性被害者向けのサポートを行う団体も数多く存在します。
https://globe.asahi.com/article/12200351
https://tyttojentalo.fi/
https://tukinainen.fi/
https://www.naistenlinja.fi/


Q.フィンランド、イギリス、日本の性的同意年齢を教えてください。

A.フィンランド・イギリス共に16歳、日本は13歳です。
https://www.ageofconsent.net/world
https://worldpopulationreview.com/countries/age-of-consent-by-country/


Q.検索したら、OCもLEPも「低用量ピル」と出てきました。違いはなんでしょうか?

A.OC(Oral Contraceptives)は、女性が主体的に避妊できる避妊薬として1999年に発売され、女性のQOL向上に貢献してきました。また、OCは避妊効果以外に、月経痛改善、月経量減少、月経前緊張症/月経前気分不快障害の症状改善、にきび・多毛症改善、卵巣癌・卵巣癌リスク低下などの副効用があることが知られていました。そのため、OCと同じ成分の薬剤が月経困難症の治療薬として2008年、2010年に発売され、避妊薬のOCと区別するために、日本では月経困難症の治療薬のことをLEP(Low dose Estrogen Progestin)と呼ぶようになりました。しかし、グローバルでは全ての経口避妊薬をOCと呼んでいます。
https://pharma-navi.bayer.jp/omr/online/bhv_list/160901_TRQ-16-1006_20160901040029.pdf

Q.アフターピルは、なぜ性被害の時限定でオンライン処方がOKなんでしょうか?

A.2019年5月31日時点では「性犯罪の被害者」に限定していましたが、2019年6月10日の検討会にて下記理由により見直しが行われました。

従前は「性犯罪の被害者」等がオンライン診療の主な対象とされていましたが、「犯罪被害に合わなくとも、産婦人科の直接受診をためらう女性の心理にも配慮すべき」との山口育子構成員(ささえあい医療人権センターCOML理事長)の強い意向を踏まえ、「性犯罪の被害者」等の縛りは一切設けられていません。-https://gemmed.ghc-j.com/?p=26891

Q.その薬が、薬事承認をとっているものかは、どうすれば判断できますか?

A.新しい薬を、私たちが使用できるようになるためには、日本では主に2つのステップをふむ必要があります。ステップ1は、薬事承認。こちらは、薬の安全性や有効性を審査します。そして、ステップ2では、国民皆保険に収載(保険収載)をするために「薬価」を決めます。
日本で薬の販売を希望する企業は、薬事承認をとるために、薬事申請を行います。申請があったら、PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)が審査を行い、最終的に厚生労働省が承認をします。そのため、基本的に日本で販売されている全ての薬は、薬事承認されています。これには、病院や薬局で処方される保険でカバーされる薬だけではなく、自由診療で処方される薬も含まれます。

Q.日本で薬価を決めるのはどこですか?

A.薬価は、厚生労働省内の「薬価算定組織」が各企業とやりとりして決定します。算定案は、「中央社会保険医療協議会総会(中医協:健康保険制度や診療報酬の改定などについて審議する諮問機関)での報告・了承を得て、最終的に厚生労働大臣が了承します。日本の薬価の計算には、新規のものは原価が、過去の類似薬があるものは、その価格が考慮されます。最終的には、外国での平均価格なども含めて調整します。国が定めた方程式で薬価を計算するシステムは、日本独自のもの。このシステムのおかげで、日本の薬価は比較的低価格で抑えられていると言えます。この薬価収載は、一年に4回行われます。


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