雰囲気"しか"ないマンガばかり描いていた5年前から変わったこと、変わらないこと

コルクスタジオフェスが今週、11/5に開催される。

コルクスタジオのメンバー(ほぼ)全員で
「チームでマンガを作るって?」
をとことん話すイベントだ。

フェスが近づく中、

3年前・1年前・今の絵を参照して自分が、どのように変わってきたのか、それはどんな経験からかを振り返る

という振り返りを一斉にしてみよう、
そんなおもしろ企画が進んでいる。

他の作家さんの振り返りも必見!なのだが、
せっかくなので私も!!

自己紹介も兼ねてここ5年ほどを作品とともに振り返っていこうと思う。

2017年 雰囲気マンガ家期

「雰囲気はいいね」(でもなに言っているかわからない)
「世界観がいいね」(でもなに言っているかわからない)

と言われていた時期。
謎の自信と不安感が共存していた記憶。


当時、私はある商業誌の賞向けに

競馬✖️恐竜

という企画案だけは良さそうな
ハイファンタジー雰囲気マンガを必死こいて描いていた。

古代Google遺跡より発掘された遺物はこちら↓↓

当時の痛々しいペンネームからも伝わってくる謎の自信。
青年の服の異常な書き込みと執着心。
丸ペンだったかカブラペンだったで線を訳もわからず書き殴っていた。そんな記憶。

当時の私は

絶対これで賞とれるでしょ!!と確信していたものの、もちろん賞など獲れず。。。
悲しみと怒りと悔しさに苛まれて、
原稿を物置の奥に仕舞い込んで早5年。

今重い腰を上げて
久しぶりに読み直すと

・出来事が分かるように配置されていない
・主人公のしたいことが分かりにくい
・主人公と恐竜との関係性がわかりにくい

と、なぜ賞に至らなかったのか明瞭にわかるのだが…。

ずっとパンドラの箱のように開けずにいた中、
客観的に自分の作品を見れるようになれたのは、自分の歩むべきステージが変わってきた証拠なのかもしれない。

とはいえ、かすかにまだいる作家としての私はしょぼんとしていそうだ笑

2021年 絵は描けるけどマンガ描けない期

この頃はお仕事に忙殺されて、
心ここにあらず。
でもかわいいと思う女の子だけはときどき描いていた。

目だけは力を入れて描くものの、
他には興味がないのか線に力が、魅力がない。

2017年に比べてなんだかふぬけた絵。

でも「オシャレな絵」と言われることも多々あり、なかなかに悩ましい。
皆さんはどっちがお好きですか?

描き込んでいた時代からオシャレな?絵に移行したのは、完全デジタルに移行してからだった記憶だ。
たぶん細かく描けない&楽したいといろいろ諦めたのだと思う。

そして、マンガはというと、
自分で描くハードルをあげすぎて、
全くというほど描けなかった。

いや、もしかしたら、
マンガで描くほどのマス向けに伝えたいことが私にはないと思ってしまうほどに、心を失くしてしまっていた時期だったのかもしれない。

今 振り返りマンガ描く期

リハビリ的なことも兼ねて
・自分の好きなこと、体験したこと
・起こった感情、気づき
をできるだけ書き留めることを心がける一環で
なんと最近マンガを描き始めた。


絵に関しては正直2017年の方がクオリティが高い。

でも、今は、

自分の素直な気持ちを載せ、
人に伝わるように気を配ることを最優先に、

「雰囲気だけ」ではないマンガを描けるようになってきているのではないか、そう思っている。

改めて
何のために私はマンガを描いていたんだっけ、
そう考え直してみたのだが、

私は、
私の思っていること、伝えたいことを人に伝えるためにマンガを描いていて、
人に伝わる、ということが存外大切だった。

のかもしれない。そう思った。

昔に比べて
自分の描いたマンガに対して
不安より、
きちんと描き切った満足な感覚があるところも、
なにかしらの違いを感じている。

5年前の私は、
まさか自分が編集者になっているなんて、
と思っているに違いないし、
いまだに信じられていない自分もいる。

コルクに今年入社した時、この違和感はどこかで爆発するかなと不安がっていたけども、

6ヶ月経って
今はなんか、
楽しくて、興奮することが多い。びっくりだ。

私の役割は変わったようでいて、
でも自分が世の中に届けたいことを届けていくことに真摯に向き合っていくことには変わりがなく。

作家さんとチームを組んでいるからこそ、
私の届けたいことが世に届く可能性が高まるという感覚というか。なんというか。

私のしたいことへの遠回りなようでいて最短距離で進んでいる感覚というか。

この感覚を私はもうすこし明らかにしていけたら、もっと今を楽しく生きれそうだな、

と振り返りを通してふんわりと思った。


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