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鞘師里保を見つけたときの私はまだ冷静だったんだが

深夜にテレビをつけた。

まさかこれが鞘師里保さんとの運命の出会いにつながるとは。


その日の帰宅はかなり遅い時間だったと思う。なんだかまだ眠りたくない気分で、おもむろにテレビをつけた。


すると、何やらドキュメンタリーみたいな番組が流れていた。画面の上の方に「美女学」とある。
なんてセンスのない番組名なんだ。



深夜も相まっていかがわしさすら感じるタイトルロゴ



とりあえず頭が回らないので、チャンネルを変えるでもなく、ぼーっと見ていた。

すぐに、モーニング娘。の9期オーディションに密着しているものだとわかった。画面に映る子たちはみんな可愛かったが、私は一人の女の子にばかり目が引かれていた。

なんだこの可愛らしさは。

決して派手な顔立ちではないんだけども。
こう、押し付けがましくない可愛さというのか。

お顔立ち、そして佇まいにもなんだか品がある。

「凛としている」という表現が一番近いかな。


それが、私の鞘師里保ちゃんに対する第一印象である。

今思えば一目惚れに近かったのかもしれない。

しかし、それまで好きな芸能人はいても夢中になるという経験をしたことがなかった私には、応援するとか推すとかいう感情も選択肢も当時はまったく持ち合わせていなかった。ただ深夜のぼーっとした私の脳に、鞘師里保ちゃんがインプットされた。


審査が進む。


…鞘師里保ちゃんがこのまま優勝するだろうな。


そう思いながら、いつの間にか真剣に番組を見ていた。

もちろん、これはごく一般的な感じの新メンバーオーディションなので、"優勝"とかそういうシステムはない。

そんなことは私も知っている。

ただただ私の中で急遽なにかしらの大会が開催され、鞘師里保ちゃんがトップを独走していた。


そんな中、この大会でおおきな盛り上がりをみせたのが鞘師里保ちゃんのダンスだ。


練習の時点で、めちゃくちゃカッコいい…


ヒップホップとかそういう、リズムに乗るぜ!という感じのジャンルで、ガンガンに踊っていた。

おいおい、ギャップが凄まじいな…


もうこのままいけば大会新記録を樹立すること間違いなしだった。


そして、ついに最終局面。


巻き髪をおろしてタンクトップで可憐に登場した鞘師里保ちゃんが堂々のワールドレコードで優勝を飾った。


優勝を飾った瞬間


優勝インタビュー


勝利の舞をみせる鞘師里保とつんく♂


2010年12月、これが私と鞘師里保の出会いだ。

オーディションの最終結果発表は年明けということだったが、私の心の中ではすでに鞘師里保ちゃん優勝おめでとう!の横断幕が掲げられていた。


そして謹賀新年、2011年1月。鞘師里保ちゃんは晴れてモーニング娘。9期メンバーに選ばれた。


私は非常に満足していた。


当時、仕事や勉強以外でインターネットに触れる習性もほとんどなかったし、音楽番組を見ることもほとんど無くなっていた。
だから、これで鞘師里保ちゃんは見納めだ。
本気でそう思っていた。


短い時間だったけど、楽しませてもらった。
ありがとう。

鞘師里保ちゃんの人生に幸あれ。

そうして、私の中の大会も幕を閉じた。

…はずだったのだが。



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