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行ってみないとわからないことがある

福島県の新地町というところに行ってきた。
なぜかというと、仕事の関係上どうしても見ておきたい展示会場があって、会期が今日までだったから。

仕事の関係上とはいったけど、行く前にいろいろと町のことを調べていたらおもしろそうな取り組みをしていたので、完全に自分の興味が湧いて行ってみたのである。


「アートのまち」と称していろんなイベントがあり、その一つがこの額縁から見える景色。

フォトスポットになっている

ここで写真を撮っていたら、おじさんに「額縁に入ってるところ写真撮りましょうか?」と声をかけられた。

何となく恥ずかしいから「大丈夫です」と断ったら、そのおじさんが「じゃあ僕のこと撮ってもらっていいですか?」とスマホを渡されて撮ってあげることになった。笑


でも撮りたくなるのわかるよ。
自分が額縁に入って、背景はとても綺麗で、写真に残したくなる気持ちはわかる。


この風景そのものをアートにしようという発想が本当に素敵だなと思った。
今日は特に天気も良くて、海と空の青がとても綺麗で、日常生活でこんな景色を見ることがない私にとっては貴重な機会。

貝殻を拾ってみた

波打ち際まで近づいて、貝殻がいっぱい落ちているところでぼーっとして過ごした。

都会暮らしが長く、遊ぶところは街中になりがちで、いつも人混みにイライラしてたけど、こうして人がほとんどいない海辺でゆっくりすることが幸せに感じる。



でも忘れてはいけない。
ここは東日本大震災で津波の被害にあった場所。

悲しい出来事があったとは思えないぐらい綺麗に整備されていて、ずっとこの景色を保っているかのような平和な場所。


この海辺の近くに公園があり、案内所に震災当時の出来事が資料展示されていたので見てきた。

当時、私は短大1年生の終わりで就活に追われ、その日も会社説明会に行っていたことを思い出した。
バイトに向かう途中で地震が起きて、関西もかなり揺れていて、怖かった記憶がある。

テレビで流れる被害の状況が信じられなくて、目を背けてしまっていた。
「就活で忙しいから」と理由をつけて、被災地のために何もしなかったのは今思えばとても恥ずかしい。

自分から現状を知ろうとしなかったこと、住んでいる地域にそんなに影響ないし目に入る情報だけでもういいやと思っていたことを今になって悔やんでいる。


資料を見ていて涙が出そうになった。
自分が被災していたらどんな気持ちだっただろう。
測り知れない心情を抱えて、みんな頑張って生きているんだなと思って、自分が少し情けなくなった。


今まで被災地を訪れたことがなくて、遠くてなかなか行けないしもういいかなと思ってたけど、やっぱり訪れてみないとわからないことがいっぱいあるなあと思った。

震災の慰霊碑と鐘

石碑を見ると、津波の前後で沿岸の地形が変わってしまっていることがわかる。

甚大な被害であることは知っていたけど、衛星写真を見ると改めて大変なことが起きていたことを思い知らされる。



冒頭に書いた通り、今日ここに来た目的はアート展示だった。

でも実際に来てみると、もっと大事なことがあるなと気付いて、今更で申し訳ないけど震災当時の事実を知る機会になった。

感想をうまく言葉にできないし、被災者の方々を傷つけてしまわないか、こうして記事を書いていても不安。

だから触れないでおこうとしていたところがある。


逃げないでちゃんと気持ちを書き残しておくことにした。
今日の経験は私の中では大きな出来事になったから。



ちょっと仕事の話になるけど、今日ここに来たことで、町のイベント展示や地域住民に喜んでもらえる何かを形にしたいなという気持ちが強くなった。
もうそのために転職したと言ってもいい。

いいところだった、また来るね

次は電車じゃなくて車で来られるようになりたい。
今後の目標ができた!


読んでいただき、ありがとうございました。

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