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コーチの視点から共に考えるビジネスコラム

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「Coach's VIEW」はコーチ・エィのエグゼクティブコーチによるビジネスコラムです。 コーチ・エィ代表取締役の鈴木義幸をはじめ、東京、上海、バンコク拠点在住コーチが、エグ… もっと読む
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2021年12月の記事一覧

「対話」が未来を創る

written by 内村創 「コーチは、変化する未来に向けたエージェントである。」 この言葉は、社会構成主義の研究者、ケネス・ガーゲン氏の言葉です。「エージェント」は一般的に「代理人、代理店」という意味に訳されることが多い言葉ですが、語源をたどっていくと「実行する人、推進する人」という意味があります。 さらに「変化する未来」という言葉は、何を意味するのでしょうか。なぜ単に「未来」ではなく「変化する未来」なのでしょうか。 未来とは、過去から現在の延長線上に存在するもの

結局のところ「対話」とは何なのか?

written by 内村創 「対話」とは、結局のところ何なのであろうか? 最近、同僚のコーチ達とずっとそんな話をしています。2021年、私が同僚コーチ達と最も話した話題かもしれません。 一方向ではない、双方向のやり取り。そこまでは感覚的にも分かりますが、問題はそこから先です。 私たちは「対話」を、互いの「違い」を顕在化させながら、新しい「意味」「理解」「知識」を一緒に作り出す双方向なコミュニケーション、そう定義しています(※1)。しかし、この定義もなかなか一筋縄では

大人こそ他者から学ぶべき理由

written by 栗本渉 最近、自分の能力が向上したと実感したのはいつでしょうか? 先日、長年にわたってコーチの育成に携わりながら、コーチの能力向上を研究している David Clutterbuck氏 と、コーチとしての成熟について意見交換する機会がありました。 その中でDavid氏から、コーチがより熟練していくためには「let it go(手放す)」、即ちコーチとして「自分の思い込みを手放せるかどうかが鍵となる」という指摘がありました(※1)。 「古いものの計画

私は正しい、あなたも正しい

written by 青木美知子 先日、以前から知り合いだった経営者のAさんにお会いする機会がありました。知り合った当時のAさんは、某大手メーカーの経営戦略を担う専務執行役員でした。現在は違う会社で経営者をされています。 昔話に花が咲く中で、Aさんが当時を思い出しながら話してくれたことは、私をはっとさせました。 「会社のため」か、「自分のため」かAさんは、上司と異なる意見であっても、自分が「正しい」と思ったことを進言するタイプのリーダーです。ある時、Aさんと社長であるB