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面接をすると心から望んでいることがわかる

とにかく応募しなければ合格しないことだけは確かなので、何社か応募することにしました。とはいえ、このご時世、求人じたいが少ない。とにかく2、3社は毎週応募している状態にしたいと思うものの、窓口で問い合わせてもらったら60歳定年を盾に応募すらできない。求人票を10枚持っていっても、応募できるのは2社くらいに絞られます。まあ、無駄に送らなくてすむだけ効率がいいのかもしれません。

1社はすでに不採用の結果が出たわけですが、さいわい2社めは面接にこぎつけました。正社員であれ、契約社員であれ、就職面接は数年ぶりです。6、7年ぶり?

なにか気をつけておいたほうがいいことがあれば教えてほしいとハローワークに問い合わせました。
まず、書類で通ったということは、60歳という年齢はハンディになっていない、もうすでにクリアできているといわれました。
新人と違ってベテランは経験と実績が重視され、即戦力であることが求められます。経験も充分あるので、落ち着いて質問されたことに答えればよい。「このくらいはできるだろう」という実力は、すでに持っている前提で面接がおこなわれるはずなので、志望動機など、応募書類に書いたことは言えるようにして対応すれば、合否は事業所が求めている人物像にマッチするかどうかで決まるといわれました。

真夏に面接を受けるのは初めてだったので、夏用のジャケットに合う、黒のストレートパンツとヒールを新調しました…ユニクロですけど。白いシャツを合わせれば、セットアップのパンツスタイルに見えます。


当日は面接の前に適性検査がありました。30分ほどでしたが、設問数が多く、思ったより時間がかかりました。以前はもっと反応が早かったような気がするのですが。ギリギリ時間内でクリアして、次の面接に進みました。

面接官は1名、男性で、気さくな方でした。部署とお名まえは伺いましたが、名刺はいただいていませんし、役職や肩書きも説明を受けませんでした。仕事内容がすこし特殊だったので、比較的くわしい説明がありました。

仕事内容に関して、こちらの理解にズレがあるとたしかにまずいと思います。ただ、お話ししていて、「?」と感じることがありました。

・年に数ヶ月繁忙期があり、その際は終電帰りが続きます。徹夜もあります。
・入社して「これは違う」ということがあってはいけないので、まず、お試しで時給1200円のパートで入社してみませんか。

求人票には残業は月10時間程度とありました。まあ、残業なしが11ヶ月で1ヶ月が120時間でも月平均10時間になりますが…社としては改善するよう努めているそうですが、いかんせん季節労働の面があり、どうしても繁忙期が発生するようでした。

パートの件は、面接している人全員に提案されているそうです。

「そのようなお話は求人票には書かれていなかったと思いますが」と指摘すると、「なので、いま、言いました」と言われました。「そういう条件ですが、60歳という年齢で、やれますか」とも聞かれました。

…そのタイミングで聞くわけですね。

時給1200円で終電まで働いて月30万くらいでしょうか。22時以降を25%増とするなら、もうちょっと多いかもしれませんが。

面接は、採用される側がジャッジされる場ですが、採用される側が会社をジャッジする場でもあります。一刻も早く就職したい気持ちはやまやまです。やりがいのある仕事のようでしたが、健康をすり減らしてまでやりたいとは思いませんでした。面接を受けると、自分が心から望んでいることもわかります。

仕事があるだけありがたいのです。このタイミングで失業したのですから、多少、条件が悪くても、そのありがたさは身に沁みてわかります。でも、いずれ健康を損ねることになりそうなはたらきかたは、したくない。できません。

通勤に便利で、これまでの経験も活かせそうでしたが、この会社にはもう二度と来ないなと思いました。


面接から1週間ほどして、その会社からは不採用のメールが届きました。
ハローワークで尋ねると、その会社の採用はまだ決まっていないようでした。

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