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ミリしら元特撮オタクがシンウルトラマン観たから感想書くマン

※ガッツリネタばれあり
前回、シンエヴァを観ていつもは書かない映画感想までnoteにガッツリ上げるほどに盛り上がってたのとシンゴジラの盛り上がりに乗り遅れたこともあり鑑賞することに。

とは言え、今回はシンゴジラとは別の理由で見ても楽しめるのか?という不安があった。
手短に説明すると、仮面ライダーや戦隊大百科、ゴジラシリーズの大百科などボロボロになるくらい読んでた特撮好きなくせにどういうわけかウルトラマンは過去も昔もハマった記憶がなく。
(とは言え超有名なバルタン星人とか断片的なことは知ってる)
公開直後の公式のセレクション上映なんかもそれに拍車をかけました。
ぶっちゃけシンゴジラみたいな、普段庵野や特撮のとの字も言わん人まで騒ぐような熱狂を感じない・・・
「内輪向け・・・?」私の苦手な言葉です(メフィラス構文)

とは言え、舐めないでほしい。こちらも一介のオタクである。備えあれば患いなし、どう転んでも楽しめるようにと庵野秀明展とハシゴするためにあべのアポロシネマまで足を運ぶことに。
結果から言いますがこれが大正解。
映画→スタンプラリー→庵野秀明展という流れを取ったが逆でも良かったかもしれないし
展示会自体がそもそも面白すぎて、2時間で足りないし(基本的に)展示内の写真撮影可能なため、400枚近く撮影したりで
絶対買ったらヤバいて分かってた図録買ってしまった。

以下、執筆時にBGMにした本映画サントラ(先行配信分)を聞きながらどうぞ。Spotify入ってない人は各自加入のサブスクで検索しましょう。
どこ観ればいいかわからない?公式サイト、私の好きなサイトです。


Story0 怒涛の情報量(物理)で殴りつける冒頭

以下はパンフの事件ごとに段落を付ける。事件以降は「ウルトラマン放送リスト」から怪獣登場回に該当するものをそのまま付けたりつけなかったり。
でも0というのは便宜上(?)
冒頭一切の前振り無、2分も無い時間で6体の禍威獣(以下変換が面倒なので怪獣表記)を出してきて
日本「にだけ」出現する謎の巨大生物と、それが当たり前になった世界を提示。必要な情報だけを伝えて、そこに一切の無駄が無い。
そう、シンゴジラもシンエヴァも唸ったんですが庵野秀明とかいう特撮おじさんの脚本は本当に「無駄が無い」んですよね。しかもそれが年々研ぎ澄まされてる。多彩な人ゆえか、余りそこを語ってる人を見かけないのが不思議なほどに。
あと何回変身残してるのか。恐らく本人にも未知数でしょうが、長生きしてほしいですほんとに・・・
あと、劇伴がそのまま使ってる(後から知る)のも主に特撮クラスタがエモになってたとこでしょうか。音楽の指定も全部庵野秀明さんなんだよなたしか・・・やはりデザインワークス買うか(パンフ以外グッズ枯れてた)

Story1 第1の事件 カトクタイ出動せよ

7号目、みんな大好きネロンガくんの出現。ようやく使い捨てされない怪獣の登場であり否応なしに緊張感が。ここから禍特対(以下、怪獣と同様に科特隊で統一)が本格的に登場。
逃げ遅れた子供を助けるためとはいえ、作戦担当の神永は独断先行(田村班長には報告してますが)というか、生身のまま助けに行きます。
いや普通末端の人間なりメカに救助させるとかあんだろ、最悪死体が二つになるだけやろ考えろよ・・・とか全力で突っ込んでたけどそこはお約束ですからね。
神永くんは子供を間一髪で助けるも本人は死亡、と同時期に空から謎の飛翔体が出現。銀色の巨人はネロンガくんを秒で殲滅。その圧倒的一人相撲に感謝以前に困惑する科特隊のみんな(当たり前だけど敵か味方かもわかんないし)

謎の巨人も足取りは不明、大混乱のなか思い出したかのように「神永はどうした?」からの奇跡の生還。子供も無事だったわーいわーい、あれ何か俺らの知ってる神永じゃないぞ・・・話し方変わってるし人間ぽくないていうか誰お前?田村班長、ああめんどくさい西島秀俊にします辺りは特に感づいてる?ような気もする。

翌日、公安調査庁から出向のみんな大好き浅見分析官がやってくる。
人当たりのいい他メンバーと違い、いつも単独行動の神永と組まされるも
真顔で「バディとは何だ?どういう意味だ」とか機械的に返される浅見さんの「待て、ここで私がブチ切れたら全て終わりだ・・・」て何度も顔を引き攣らせ我慢する長澤まさみの表情と仕草がめちゃめちゃ笑えて好きなとこ。
神永いなくなった途端に「あいつ何なの?」て船縁(頭のいいメガネ、早見あかり)と滝くん(頭のいいオタク。有岡大貴)に愚痴りまくるあの周辺だけで30分見られる。科特隊大好きマン

あと、斎藤工ほんとに声が好きなんだと気づいた・・・少なくとも今回完全に(声の)ファンに

浅見さんが作った報告書を持って、謎の銀の人ぽいのはウルトラマン(仮称)とされる。

Story2 第2の事件 不憫怪獣ガボラ!

山中に新たな怪獣出現、やや不憫(ファンアートも少ないし見せ場的にも)なガボラくん。地下核廃棄物貯蔵施設を脇目も降らずに進行。
米軍の爆撃機の協力もありつつ人のアレじゃ効果なし、というエヴァ通ってたらむちゃくちゃ捗る展開。
浅見さんがデータ収集とウルトラマンの出現に備える中またも隙を見て対策本部(セキュリティガバガバすぎんだろ)を抜け出す神永くん、疾走しながら謎の筒持ってスイッチ。そもそもウルトラマンが神永(斎藤工)であることは明示してるのに、この焦らしよう。でも演出意図などハッキリ分かるので心地いい。
で、ついにウルトラマンが俺らの知ってる赤色に・・・てアレ神永(人間)と融合したことを視覚的に伝える意図なんだて誰か氏書いてて後からそういうことかてなったけどアホアホマンなので赤なったり緑なったりルパン三世オマージュかー位にしか感じてなかった。
そんな中、ウルトラマンにワンパンで倒されるガボラくん。久々(ウルトラ作品でも26年ぶりの登場らしい)の出番がこれ・・・上にやや不憫と書いたが不憫てレベルじゃなかった。ガボラくんは泣いて良い。

ネロンガくんの時と色以外にも人間(科特隊)を守るかのような戦闘をしたり、目を合わせたり、今までの怪獣と違い明らかにこちらの存在を認識してると思い至った浅見さんはコミュニケーションが取れるのではないかと可能性を抱く。

世界中が謎の巨人に大騒ぎする中、総理(以下、クセ強俳優嶋田久作の無能演技がやたら上手くてむかつくw)がようやく存在を認め、ウルトラマンと呼称

Story3 第3の事件 ザラブ星人だよ全員集合!

突然科特隊本部が停電、PCバックアップ前の全データ消去に(主に)滝くんと船縁さんが放送禁止用語(ピー音入ったのてここだけw)を喚き散らしていると
音もなく、次の怪獣ザラブが出現。悪気は無かったので許してほしいと全データを復旧、単なるマッチポンプなんだけどとにかくまた別角度でやべー威力を津田健次郎ボイスでPRする頭の切れたやつ。
この世にCV津田健次郎と糸目の人間だけは簡単に信用するなって死海文書にも書いてるんだけどねえ

そのええ声と言葉巧みな話術をもってして、日本と「友好条約」を結びたいと申し出、信じ切ったツダケンの女にされた無能総理以下取り巻きのバカ連中はあっさり条約を締結。

一方そのころ相変わらず単独大好き神永ウルトラマンは、専用車(密談場所もリアルで良いよね)元同僚公安の謎の切れ者つてに独自に、ザラブの目的が不平等条約どころか「原生知的生物ホモサピエンス殲滅」である事を突き止める。が、地球の言語、電子データを自由に操る程度の科学力を持っている抜け目のないザラブは切れ者と別れた直後一人となった神永マンの隣に現れ余計な詮索はするなと警告(この辺は紳士的とは思うw)するも交渉決裂と見るや拘束。ああ・・・せめて浅見くんか誰かに連絡いれとけよ

その夜、突如横須賀に出現したウルトラマンは破壊活動を始める。
無能政府は秒で「外星人攻撃事態対策本部」を設置。「現場の判断が早すぎる」ことに強い違和感を覚える西島秀俊班長だが、確証を得る間もなく
横須賀を火の海にしたウルトラマンは満足したのか姿を消した。

発見された乗り捨てられた神永マンの乗用車。一方、人間がウルトラマンに変身する動画がネット上に上がり顔もばっちり抜かれてまたも大騒ぎ(祭り)、神永=ウルトラマンと全世界に特定される。
薄々気づいてたぽい浅見さんはともかく一様に驚愕するも、
そう考えると納得しかねえって理解する頭のいい科特隊。君らのような勘のいい大人は大好きだよ
しかし、時間はない。すでに密約ずみのザラブは政府にウルトラマン抹殺を提案。「考えるのをやめた」操り人形状態の政府連中はその方向で話を進める。

神永マン、なんやかんやあってもしもの事態に備えベータカプセルを浅見に託していたことによりなんやかんや(ここは文字で書いてもあまり)で幽閉場所を突き止め、浅見さん開口一番平手打ち。表情一つ変えない神永に
「私たちを騙してたの?馬鹿にしてたの?どういうつもり?あなた何者?」など
矢継ぎ早に質問を浴びせる浅見さん。自分を信じてここまで助けてくれた事への感謝、謝罪、自分はウルトラマンであることを伝える神永。
「ひとつだけ教えて。あなたは外星人なの?それとも人間なの?」
「両方だ。敢えて狭間にいるからこそ見えることもある。そう信じてここにいる」
ベタベタなんだけど、人間だけ出るとこで屈指の名シーンの一つだと思う。
しかしそこは脚本庵野、もう和解できたやろと言わんばかりにザラブことニセウルトラマンが強襲、間一髪で浅見さんをウルトラマンに「変身」し無傷で科特隊に送り届ける。
科特隊と陸自団長は総力戦でウルトラマンをバックアップ、なんとかザラブを殲滅することに成功。

Story4 第4の事件 私の好きな言葉です、メフィラス星人登場!

助けてもらっといてお礼一つもなく研究対象あるいは管理化に置きたい政府は消息不明のウルトラマン(神永)を必死で捜索。あいつら全員ザラブに殺されてたら話的にももっとスムーズだったのに

一方、週刊誌に顔写真付きでウルトラマンと愛の逃避行!?とかいじられた浅見さんも雲隠れw
そんな中、巨大化した浅見さんが出現。追われることには慣れてないマスコミ連中は脱兎のごとく逃げ惑う、当然一般人も逃げ惑うw
これは只のデモンストレーションですよ、と姿なき声が響き渡る。
神永と浅見を欠いた科特隊が話してる中、僕の考え通りなら向こうから姿見せるよ、と宗像室長(地味にくっそ有能上司)の言葉通り姿を現すメフィラス星人。
この世にCV津田健次郎と糸目の人間だけは信用しちゃならねえって少し前書いたけど名刺を持参してる山本耕史顔の外星人も死海文書に書いてました確か知らんけど。

しかし山本耕史さん、ドラマだとひとつ屋根の下しか自分の中にデータ無くてあと筋肉と堀北真希を幸せにした男というイメージが強かったので
ここまで俳優として凄いとはしらなんだ(めちゃめちゃミュージカルと映画出てる)
人間体のまま、細かい仕草や言葉遣いで人間なのに「人間じゃない(我々の敵だ)」を表現できるんだね・・・メフィラス星人でスピンオフ作って欲しいマジで

ウルトラマンの居場所を突き止めたメフィラス、話し方や仕草など紳士的だがやはり人間を敵・・・他の星に荒らされる前に、平たく言えば奴隷として我々が適切に管理するので共闘しようぜ!(共闘とは)と持ち掛けるメフィラス(この辺団地下のブランコ、居酒屋と極めて日常の風景で語りだすのも内容とえぐさのギャップありで最高)
それは出来ない、私は人間に興味がある、彼らのことをもっと知りたい。と
今度は具体的な理由をもって拒否するウルトラマン(この辺り彼の心の変化がよく分かってよい)

ザラブよろしくまたしても交渉決裂となったがメフィラスは察してたかのように
「分かった。私は君に干渉はしない。だが君も私に干渉するな。分かったな・・・あと割り勘でいいか?」とその場を去る。(ここ飲み物飲んでる時だったら噴き出してたので危なかった)

ザラブ以下全ての怪獣(外星人)の動きを監視していたメフィラス星人は、ザラブくんの100倍スムーズに政府と密約。
未だ困惑を繰り返す科特隊の前に突如出現した神永は、メフィラスの計画を打ち明け頭を下げ(!)力を貸してほしいと要請する。
頭のいい科特隊メンバーは試行錯誤の末たった一つのさえたやり方を思いつくも、
それは簡単に言えば「政府を敵に回す」反逆行為でもあった。

式典の日、ウルトラマンたち科特隊は
ベータボックス(一度政府の手に渡ったらとにかくやべー箱)受け渡しの寸前にこれを奪取。
「目的のためなら手段を選ばず、私の苦手な言葉です」と静かにブチ切れたメフィラス星人は山本耕史・・・もとい真の姿を現し全力でウルトラマンと科特隊を殲滅に向かう。知能も戦闘能力もグンバツに高いメフィラスにかなりの劣勢。いや敗北?となりそうなとこで何か(ゾーフィ)に気づいた彼は戦闘をやめて消える。真に強いものは勝てないケンカをしないってことやろうか。
とにかく最後の最後まで敵なのに憎み切れないヴィラン、メフィラス星人であった。

Story5 第5の事件 裁定者ゾーフィと最強ゼットン。ウルトラマン、負けの味を知る。

神永マンは森にいた。かつて人間の神永が子供を救ったときに命を落とした現場、目の前には神永の死骸(言い方が悪い。本来の身体)が見える。
ここでようやく回想シーン。自分の身を犠牲にして死んだ人間というものに興味を持ち、光の星で禁じられていた人類との融合を果たすまで。
そもそもあの衝撃波は自分(ウルトラマン)のものであるという事実もここで明かされる。
しかし、話し相手であり新たな光の使いであるゾーフィ(CV山寺宏一)はええ声で
残酷な事実を告げる。この星の人類が生物兵器への転用が可能であることを全宇宙に知らせてしまったこと、そして現時点で地球は「廃棄処分」が決定されたということ
それは間違いだ。というウルトラマン、間違ってるのは君の方だし決定は覆らない。既に天体制圧用最終兵器ゼットン(!!!)を配備した事を告げるゾーフィ。
ちなみにその威力であるが、Pixiv大百科のゼットンのとこに、庵野秀明の設定上では三次元空間の直径200光年を消失可能と書いてありました・・・オタクはすぐ数字をデカくする(すき)

その頃完全に要注意人物リストに入っていた(逮捕監禁されてないのが不思議、とか言及あり)科特隊の前に、管理したい政府から敵に回すとやべー奴竹野内豊(シンゴジラの立ち位置が同じ?)と首相補佐官が現れ「神永くん同行してね。断る?じゃあ科特隊全員ころすね^^」的な話を事務的に語り出す。
「ほーん。じゃあゼットンより早く人類を絶滅させるよ^^」
ギリギリの駆け引きの中、一度は助かったものの同部屋で軟禁される科特隊。
ここ、もうどうでもいいやーとお菓子を貪り食う船縁さんがかわいい

「ひとり」ゼットンに立ち向かうウルトラマン。地球殲滅のエネルギー出力100%まではいわば充電中のゼットン、しかしグレンラガンの最終回か、デンドロビウム?みたいなバカでかさ(ウルトラマンが凄く小っちゃく見えるほどデカいゼットン)誰がどう見ても勝てる見込みが無い。
地球に落ち海の底深くに沈むウルトラマン、初の敗北である。
奇跡的に神永は生還するも意識不明の重体、見舞いに行く浅見さん。
絶望感の中、遂に我慢の限界を超えた滝くんが科特隊に当たり散らす→自己嫌悪。この辺の有岡大貴、人間らしさ溢れててマジで最高だった。
しかし、お菓子暴食して落ち着いた船縁さんと物理学の頭いいやつ滝くんは
神永が託したUSBから基礎原理と高次元領域の関係式とメッセージを発見。
「人類の未来は君たちにかかっている」涙を流し嗚咽、覚悟完了する滝くんの覚醒。
その後、人類助かるかもしれん数式を世界に開示して各界の頭いい奴らと会談して定理を導き出す・・・のだが、絵面だとVRゴーグルでオタクがオタクと英語で何か喋ってる(高尚な数式言われたってわかるわけないし、あまり伸ばしてもダレるだけだしな。にしてもさあw)というなんともシュールなシーンでまた笑う。笑うとこじゃないんだけどw

で、その定理=答えが判明。要約すると「ウルトラマンが消滅する」
その確率も作中の神永曰く「変身後1ミリ秒でゼットンを殴り飛ばす」しか方法が無いという勝算とは?余りにもあんまりな話。
トップをねらえ!でもまだ手心あっただろ庵野秀明、マジで人の心が無い

最後の戦いの前のお別れのシーン、それぞれがそれぞれに神永に感謝と別れを告げる科特隊メンバー。
そして最後に残る浅見さん「バディとしては最低だったけど、(詳細忘れた)ありがとう」
言葉少なに感謝を返す神永マン、そして抱擁。(劇中初めての)涙を流す浅見さん、しかし目を開ける頃には彼は宇宙に向かっていた・・・
もちろんそういう映画じゃないんですけど心の中じゃもう「エンダー」ですよ、ホイットニーヒューストン歌ってたもんだって。
ドラマや邦画で例えると、TRICKの山田と上田てきらいなオタクいないじゃないですか?あんな感じにも見えて・・・とにかく最高のコンビ。

比較的あっさり(尺もそんなに使ってない)倒されるゼットン、しかしなんたら宇宙の間で閉じ込められ死ぬより酷い目に合わされる碇シンジウルトラマン。
この辺は観念的な、極めて「エヴァンゲリオン」なシーンなので賛否あると思うし、人によっては寝たりトイレ行ったりしそう(そういう自分も本編の内容とは別に地味な腹痛が一時間くらいから発生しててずっと気が気でなかった。何とか耐えれた)
加持リョウジゾーフィが語り掛ける。この星を守ることにしたんだな、どうしてそこまで・・・と。
「そんなに地球人が好きになったのか」と問うゾーフィ。
リピア(ウルトラマンの真名)は答える。そうだ、そして自分のことはいい、神永を救ってやってくれないかとお願いするリピア。君なら造作もないだろうと。
それは出来ない、しかし私は君も救いたい。考えあぐねたゾーフィは一つの提案をする。「ではこうしよう・・・」

目を覚ました神永(リピア)の前には広がる光景は満面の笑みで帰還を喜ぶ科特隊の姿だった
・・・とここで完結、即黒バックにエンドロールと共に流れる歌。
米津玄師「♪遥か空の星がひどく輝いて見えたから僕は震えながらその光を追いかけた~」

ぼく「う、うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
映画館の椅子から崩れ落ちるとこだった。な、何なんだよこれ・・・
めちゃくちゃ面白いじゃねーかよ・・・

エピローグ:見た人はまた行こう。そして良かったらあなたも

シンゴジラがああいう震災以降の空気というか、一言では表せないほどに「考えさせられる」要素てんこ盛りの「空想特撮映画」で、だからこそ特撮や庵野ファンを超えた予想外の大ヒットに繋がったんでしょうけど。
シンウルトラマンにはマジでそういう要素無い!!!何も考えずに楽しめる!!
いや正確にはある。でも、エヴァだって言っちゃえばそうじゃないすか。
力入れて作ったTVアニメが受け入れこそされ、本人の意図に反する広がり方しちゃって・・・
庵野さんからしたら「俺そんなつもりねーんだけどな・・・」て1億回思ったでしょう。
クリエイターが創作で死ぬ気でいいもの作るのは当たり前、でも世に出てしまえばそれをどう受け取るかはその人の自由。
例えば、特撮メカ一つ取っても扱いは地味だし相当影薄いけど(本人は入れたいけど)特撮オタクしか喜ばんしな、せや!特撮オタク作中で出したらええねん!→滝くんの机には版権度外視で特撮フィギュア勢揃いしてる
みたいな、あらゆる方面への目配せ、プロデューサーとしてのバランス感覚が伺えます。

観終わって振り返ってみると庵野秀明と樋口真嗣のオタク盟友、音楽(新規で参加してる鷺巣詩郎氏のお父さんは特撮プロダクション社長)、米津玄師(現代を代表する天才あるいは解像度の高いオタク。某誌インタビューで幼少期ウルトラ怪獣をそらで暗記してたとか)辺りは言わずもがなにしたって。
キャストはウルトラ特撮出演経験あったり、中の人にオタクの多いオタク(元ももクロ、現役ジャニーズ)など。そりゃ特濃な作品になるわけですねと・・・
それでいて、誰ファンが見ても楽しめるという変に内輪向けにならずにエンタメできてるのがまたすごい

以下普段はやらない事やって駄文を占めたいと思います。
ここまで読んで下さりありがとうございました。

配点(語り足りないとこ全部言いたいだけの時間)

・脚本
10000000点
完璧がすぎる。およそ一人の頭の中で組みあがってるとは思えない。
機会あるなら改稿分まで全部読みたい

・キャスティング
12900点(科特隊メンバー一人100点×6。津田健次郎100点。メフィラス星人2000点。高橋一生、200点。山寺宏一10000点。)

科特隊のメンバーだけでもなんぼでも語れますがかいつまんで。

斎藤工・・・(ナレーション仕事増えろー)シンゴジラ出演。
今まで言葉選ばずに言うと胡散臭いなこの人、ていう印象が拭えなかったんですよ。監督したりモデル出身とか、CMとかガキ使にいきなり出てきて
サンシャイン斎藤とか本家以上に全力で声出したり(アレは最高でしたけど)
好きとか嫌いとか以前にどういう立ち位置なんだろう?俺は斎藤工とどう向き合えばいいんだろう?ていう。でもインディード、業務的にCMは嫌いだけど声は好きだな・・・エロいなて思っててTV見るとナレーターもやってる時あって妙に覚えてて。
今回で胡散臭いなこの人、が良い意味になりました。Twitterはしてないけどインスタしてて、見たらやたらとかっこいい自撮りやタレントさんの写真(カメラも趣味らしいが趣味超えてると思う)しか乗ってないのも◎ マジで外星人かも?てにらんでます。

長澤まさみ・・・華があるし、上手い。積極的に出演作を見るとかはしてないけど、実力派ですよね。東宝シンデレラグランプリてパンフで初めて知った。マジかよ。タンスにゴンのCMの長澤まさみめちゃくちゃ好き

有岡大貴・・・ジャニーズ(平成ジャンプ)のメンバー、くらいの認識でした。
が、完全に裏切られた。科特隊でもはまり役としては断トツ。
前半の如何にもな頭のいいオタクと、終盤の狼狽するシーンの落差、自然だった。
(他の人や作品を持ち出すのは作法としてはよくないのだが、踊る大捜査線で初めてユースケ・サンタマリアとかいうミュージシャン見た時のようなしっくり感。)
ジャニーズ事務所は安泰だなあ・・・なんて思ったりして。
数年後ひらパー兄さん岡田准一みたいな存在になったりしたら面白いな。

早見あかり・・・元アイドル、Zがつく前のももいろクローバー在籍、なんて言ってもピンと来ない人の方が大多数ではないか、既にその位女優として知名度や地位は確率してきた感がありましたが。あと本当に気持ち悪いこと言いますけど「れにかなこぉ↑↑あかりしおりあやかももか」の頃の美人のまま良い年の重ね方してんなって・・・スクリーンにアップが耐えられるほど顔面が良いとは知らなかった。いつの間にこんな上手くなっちゃったんだい。て思ってパンフ見返したらラーメン大好き小泉さん2015年て書いててしんだ。

田中哲司・・・西島秀俊班長とは別ベクトルで頼もしさの具現化。
うちの会社も西島班長と田中哲司室長のいる職場だったらどんなに良いか・・・などと夢想した人は少なくないのでは。
邦画方面は明るくないけど、エンドロール、クレジットの表記で
西島秀俊(一般的に、一番最後=一番ギャラ高い人の位置)の手前なあたり立ち位置は推して知るべし、といったところ。
気が付かないうちにあなたが見たことのある映画やドラマに出てるかも。

飄々としながらも絶対に科特隊の事は大事にするし、無能政府との水面下の駆け引きなどなど地味ながらも物語をけん引。科特隊の一員で嬉しかったてパンフで言ってますけど、それが画面からも伝わってきた。ムナカタ室長も田中さんもお疲れ様でした。

西島秀俊・・・俺班長なら抱かれてもいいわ・・・何なんだよ、あの安定感と頼もしさ(実際出番はそれほど多くはない)
この人が出るから当たるのか、あるいは逆なのか。何となくだがそんなレベルの売れ方しとる。
映画もドラマもCMも今最もオファーが多い筆頭の役者さん。
CMでよく見かけるものの実はまともに芝居してるの初めて見たかも。そりゃ売れるわ。(こなみ)

津田健次郎・・・本文に書いた以外では、スタァライト劇場版キリン以来に劇場で声聞いたけど、うん。劇場の音響で聞く津田健次郎の声でしか得られない栄養がある。まだガンには効かないけどそのうち効くと思う。

山寺宏一・・・声が強すぎるが故に序盤こそ過去の代表作や本人がチラついて集中できなかったものの(これは本人全く悪くないやつ)あの一言で説明しがたいキャラクターの実存(存在感)を映画の尺で、となるとこの人以外適役いない。あとこの人の声を聴くと安心感と共に単純に「嬉しい」という事に気付かされた。

高橋一生・・・この人がどこに何の役で出てるか分からなかった人も多いだろう。
あの、終盤山ちゃんとずっとしゃべってたときのウルトラマンの声ですよ。わかるかそんなもん!ww 擬態が上手すぎるんだよなあ・・・
耳すま~岸部露伴のオタ的成り上がり?も凄まじい斎藤工の盟友(友人関係は最近知ったけど気が合うだろうなーって納得しかない)にして今もっともやべーやつ筆頭であり、ウルトラ特撮出演経験者。逆に何に出てないのか教えて欲しい。


音楽
10000000点。リメイク作品のダメな点に音楽(そのまま使わなくても、同じ作家に頼めよとか)はあまり語られないけど、それを逆手に取るかのような
今回もシンゴジラ同様オリジナルの劇伴+補足的に鷺巣詩郎による新規楽曲を使うという荒業を慣行。
オリジナルの緊迫感と躍動感溢れるBGMに胸を熱くし、
戦闘の束の間の休息的なシーンの音楽で癒される。
エヴァ(カレカノ)の日常BGMめちゃくちゃ好きなんだよね・・・

リスペクト度合い
計測不能 何よりもまず原点のウルトラマン、更にその前の芸術家成田亨(恥ずかしながら今回で初めてお名前を知った。)が本来生み出し想定したデザインに限りなく近づけ、後年成田氏が描いた「真実と正義と美の化身」も織り交ぜた究極にして完成品としての「ウルトラマン」を提示してみせたことだけでも凄まじいのに、単なるノスタルジーでも「おれのかんがえたさいきょうのうるとらまん」にも陥ることなく、一級品のエンタメに仕上がってるとこ。
てか、この辺見解の相違だろうし分からなくもないが主に「ノスタルジー」で語ってる人が賛否どちらの方向でも複数いるのが・・・同じもの見ても感じ方変わるのはいい作品て証明でもあるとしても、少し残念な気持ち。

総合
1テラケルビン点。(1兆度の超高熱球、初代ゼットンの戦闘力)


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