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『星導く祷』のはなし①

2022/12/24(土). 25(日)にSOUND SHOWER ark 清水で行われた演劇ユニットHORIZONさんの第16回公演『星導く祷』が終演しました。
私は、今回は「星を落とす」と「Santa Maria」の2作品に、金村マリア役で出演させていただきました。
2020年3月の『星護りの道』以来ぶりとなる『星導く祷』。

たくさんの想いがありすぎるので、小分けにしてブログにまとめていきたいと思いますが、あまりにも何からしたらいいかわからないので、観劇ログから書きます。

「星屑のセレナーデ」観劇ログ

2022/12/25(日)の「星屑のセレナーデ」を観劇しました。
これは同じ座組とか関係ない、ただのファンの感想文です。

星屑のセレナーデについて

星屑のセレナーデは、2018年の『星辿る人』ぶり2度目の上演。2022年版にリライトされたものが上演されました。私は2018年版も見ているし、もちろん今回も稽古場にいたので、色んな事を知った上での感想を書きます。

この作品、稽古場から見続けていて面白いのが、キャストのコンディションとか感情の乗っかり方で、誠也とリゲルのバランスがかなり変わることでした。
どちらかがどちらかを言い負かしているように見える時もあり、稽古場では比較的、「今年のセレナーデは誠也のお話だな」と思うことが多かったように思います。ですが、本番の舞台では、すごくリゲルちゃんの物語なんだな、と感じました。
テンポもめっちゃよかったし、感情の揺れ動きが全部伝わってきて、たくさん考えさせられる、素敵な舞台でした。めちゃくちゃ泣きました。開始10分くらいからずっと泣いてた。

キャラクター二人の嚙み合わない、理解しあえない価値観の感情が、ずっとぶつかり続けているんですよね。このお話。それが、役者さんが舞台で演じることによって生々しく表現されるから、観ていてずっと苦しい。メインの一人の感情を追いかけるのではなく、同時進行の感情が目に見えるのが、小説や映像と違う舞台の楽しいところですね。
白黒の衣装のコントラストがこんなにハマってるなって思った舞台は初めてかもしれないです。どっちの考え方も理解できるから、頭がぐらぐらしました。初演を見た時はまだ学生だったので、すごくリゲルちゃんに共感しながら見たのですが、社会人になって漠然と仕事をしている今回は、誠也の気持ちに痛いほど共感しながら見ました。

キャストについて

リゲル

リゲル役はHORIZONの月野天葵(つきのそら)ちゃん。
アンサンブルさんを抜いたら、確か本座組最年少の役者さん。とにかく可愛い。永遠に言っているけど、ダンスがマジでかわいい。ずっと見てたい。キラキラの笑顔とキレキレのダンス(韻ふんじゃったな)。投げキッスで弾け飛ぶたくさんのハートが見えました。超かわいい。

ダンスの話はずっとしてるので、ここからはお芝居の話。
リゲルちゃんは、交通事故で亡くなって星になって3年目、転生希望で任務に励む女の子です。前半戦はすごく星(天使)だなあ、と思いながら見るのですが、後半に進むにつれて、すごくか弱い、ただ自分の人生を生きたかっただけの普通の女の子になっていく様子が、すごく綺麗なグラデーションで伝わってきて、すごいと思いました。自分にできなかったことを諦めようとしている卑屈な誠也の話を聞くリゲルちゃんを見て辛くなりました。やりたいこと、いっぱいあっただろうに。健気で真っ直ぐないい子なのに、運命って残酷。
再演版のリゲルちゃんには、すごく「未練」を感じました。
彼女には本当に幸せになってほしい。

誠也

誠也役はHORIZONの帆鷹杏璃(ほだかあんり)ちゃん。初演の時はまだ人生数回目の舞台で、本番前、袖でめちゃくちゃ緊張していたのを覚えています。当時と比べると今回は、本当に表現が豊かになっていて、本人も社会人経験を積み、言葉に重みが増していました。

誠也は25歳のフリーター。人生上手くいかずリストラされて首を吊ろうとしていたところでリゲルちゃんに出会います。
天葵ちゃんもですが、杏璃ちゃんも本当に人の芝居を受けて反応するのが上手いしキャラクターの心情理解が深いので、一つのきっかけセリフにわかりやすくリアクションしていて、すごくお芝居が見やすいです。リゲルちゃんのグサグサ刺さる正論に卑屈に返すしかない人生観がセリフからにじんでるように感じて、すごいなあと思ってみていました。嫌な記憶がフラッシュバックする瞬間に下がる声のトーンとか、リアリティがありました。
千秋楽はアドリブ入ってましたね。リゲルちゃんに弱さを見せられる誠也で、すごくいい関係性だなあと思いました。

宅配便

劇中に出てくる宅配便のお兄さん。HORIZONの鴻野悠空(こうのはるか)ちゃんが演じていました。この作品の圧倒的清涼剤。

25日に見たので、サンタコスでした。知ってたんですけどね。笑っちゃった。なんなら本番前に、「アドリブ何してやろうかな」とニヤニヤしている悠空ちゃんも知っていたので、何をする気だと少し見守る姿勢になっていたのですが、あのシーンすごく良かったですよね。
彼の登場で空気がガラッと変わる。このブレイクタイム、絶対に作品に必要だと思うんです。このシーンがあることによって、お客さんも小休止を挟んでもう一度集中してお話を見られる。そして、これは悠空ちゃんがやらなければここまでのリフレッシュ効果はないと思う。すごいなあ。

フラグメントRについて

フラグメントRは、リゲルとプロキオンの二人芝居です。
時系列的には星を落とすの途中か後くらい。
転生が決まったリゲルをプロキオンが最後の約束をしながら送り出す話です。プロキオンのリゲルへの「幸せにね」で泣きました。優しいのよ。プロキオンからリゲルへの祈りなんだよね。ほんとにこのペア好き。

おわりに

しっかり目に書きました。観劇楽しかったけど、しっかりお客様視点で楽しみすぎて、いい意味で具合悪くなりました。体調持っていかれた。
設定資料集に載っている転生後のリゲルとプロキオンのお話も、ぜひ皆さんに読んでほしい。私も読み返そうと思います。


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