7つの子

ある時、伝説の悪魔マディリスは、1匹の巨大な魔獣を拾いました。大きな翼を持つ魔獣は、人間たちに攻撃され瀕死の重傷を負い、すでに息も絶え絶え。
魔獣は、最後の力を使って8つの卵を産み、その命を終えます。

マディリスは残された卵を大切に守り、立派に育て上げます。魔獣の子供たちは様々な形へと成長していき、同じ親を持つのに全く別の生き物のようでした。
長い長い時を経て、大人になった魔獣たちは、それぞれ空へ山へ海へと散っていき、自分の住む地域を支配し、守護するようになっていきます。

ただし、1匹だけ例外が…
マディリスは、そのあまりにも危険な力を怖れ、最後の1匹は闇の底へと封じてしまいました。


カサ屋をやめたばかりで失意のドン底にいた青年は、このエピソードを元に「8つの物語」を生み出します。そうして、伝説の通り1つの物語を封印し、残り7つを「7つの子」と名づけました。

以下、それぞれの物語のタイトルとあらすじです。


「僕の改革 世界の改革」

主人公の「僕」が、逃げ出した「彼女」を追いかけて、「空想と現実の狭間の世界」を旅する。その世界で、僕は「世界を変える者」だと言われ、世界を改革するために動き始める。

「喫茶コンシナレインボー」

ある男が過去の罪をつぐなうつもりで喫茶店を開く。雨の夜、1人の少女が迷い込んでくる。男は自分の娘のつもりで少女を育てながら、喫茶店を営んでいく。店には年に1鉢ずつ観葉植物が増えていく。

「大人になったピーターパン」

心の壊れた青年ピーターが「自分はネバーランドの住人ピーターパン」だと本気で思い込む。おさななじみのウェンディは、懸命にピーターの世話をする。「このままじゃいけない!」と思い、ピーターは街に出て働き始めるが…


「ラストクリーチャー」

マッドサイエンティストが遺伝子操作で究極生物を誕生させ、世界に復讐する話。ギリシャ神話に登場するミノタウロスのような生き物から始めて、段々と凶悪な生物を生み出すようになっていく。最終的に「究極の生物」をこの世に誕生させようとする。


「メッサリーナ」

未来SF。現代に生きる青年が、謎の女性メッサリーナに導かれて、未来世界に迷い込む話。未来の日本では、個人情報がカードで管理されていて、生活に必要な情報が全て1枚のカードに入っている。非常に便利ではあるが、カードなしでは生きられないという管理社会。


「ストリートチルドレン」

路上生活する子供たちを集めて、青年と女性が父親と母親代わりになって「家族」を始める。やがて、家族は人数を増やしていき、「組織」となっていく。最終的には「理想の街」を作ろうとする話。


「売春少女」

タイトルはエロい感じなのだけど、実際には「人間とは何ぞや?」とか「生きる意味」を問いかけたハードな人間ドラマ。
1人の少年が少女に恋をする。彼女は自分の身体を売りながら、あちこちを転々としながら生きていた。そして、その行為に罪悪感を全く抱いていない。


ここまでで7つ。

残り1つは官能小説だったんです。だから、封印した。残りの7つも、元々は短編小説のつもりでした。ところが、プロットを書き進めていく内に「これ、長編でいけるんじゃね?」って気になってきました。

実際には「オープニングとエンディングだけ」決めたり、「大まかな流れと部分的に執筆しただけ」で、ほとんどの作品は終わりました。短編にすらならない断片的なアイデアのカケラに過ぎなかったんです。ただ1作を除いて…

実際に執筆されたのは「僕の改革 世界の改革」


※次回から新展開です。ガチの新展開!明日からしばらくの間、全く別のお話をやります!

noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。