見出し画像

ガン細胞化する人間

会社というのは、おもしろいモノで。経営者や、そこで働いている人たちによって、いかようにも姿を変えていきます。

「効率を最重要視し、大きな利益をあげるよう」になったり、「みんなが気分よく働けるよう」になったり。経営判断を誤り、社員やパートの人たちが協力してくれなくなれば、業績は落ち、やがて立ち行かなくなる。「倒産」です。

たとえるなら、生き物みたいなもの。心や体が健康であれば、充実した人生を歩むことができ、長生きもできるでしょう。逆に不健康なことばかりやっていれば、病魔に侵され、最悪のパターン死んでしまう。


青年に与えられた資質は「イノベーター」

時代の先を読み、真っ先に誰よりも遠くまで進み、フロンティア(未開の地)を開墾していく能力。でも、これってリスクもあったんです。それも、とてつもなく大きなリスクが…

世の中が荒れ、トラブルが多発している時代には非常に役に立ちます。でも逆に、世界が安定し、現状維持を求めている時には「悪」になっちゃうんです。

その能力がうまく働けば、組織や世界を良い方向に導けるし、悪い方向に進めば内部からどんどん破壊していってしまう。まさに、青年が少年時代より夢見続けてきた「世界を滅ぼす魔界の王」の能力。

神にもなれれば悪魔にもなれる。「信念」ってのは、それほど恐ろしい力なのでした。


よくも悪くも影響力が大きかった青年は、どこに行っても周囲の人間や組織に多大な影響を与えてしまいます。時に人の人生そのものや、会社組織を根底から変えてしまうほどに!

ボランティアの時もそうだったし、今回もそうでした。最初は従順に上司の命令に従い続けていた青年でしたが、やがて会社の方針に反抗するようになっていきます。

「あそこがダメ!ここがダメ!」と、組織の欠点を指摘するようになっていったのです。もちろん、青年自身は「よかれ」と思って意見を述べていたに過ぎません。それがうまくハマれば、組織改革が進み、みんなが働きやすくなったり、効率よく利益を出せるようになっていくでしょう。うまくハマればね。

でも、他の人たちはイノベーターではありませんでした。だから、青年の言っているコトが理解できなかったのです。「ただ生意気な若造」としか見られませんでした。


店長(東京支社の支店長)との相性もありました。

この会社の店長は、普段は「意見があれば、率直に述べてくれ!」と言っているのに、実際に素直に意見を言うと怒り出してしまうのです。

「それは、会社のしきたりに合わない」だとか「その方法はうまくいかない」などと言って、せっかくの貴重な意見も潰してしまうのです。そんなコトが繰り返されていく内、みんな自分の意見を言わなくなっていきました。

「どうせ改善策を提示しても、文句言われるだけだもの」と学んでしまったのです。

※ただし、店長の名誉のために言っておくと「それだけの人」ではありませんでした。ある部分で、革新的な意見を取り入れることもありました(そのエピソードもいずれ登場するかも?)


いずれにしろ、この会社で働き始めた頃は「従順で使いやすい労働者」であった青年は、今や会社に仇なす存在となりつつありました。

そう!まるで人体をむしばむガン細胞のごとく!

noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。