物語を立体迷宮化する
今回も「異世界千夜一夜」の解説になります。
この物語、基本構造としては「千夜一夜物語」や「ラングの童話集」みたいに短いお話の集合体になってるんですよ。
で、当初の予定としては、「バラバラの物語を何百話かを、1001夜に渡って書き続ければいいか~」くらいに思ってたんです。
ところが、実際に書き始めてみたら、段々と欲が出てきて「物語同士をつなげてみたく」なっちゃたんですね。
たとえば、「第1夜と第10夜が続きの物語になっていて、さらに第10夜と第20夜が続きものになってる」とか「第30夜で出てきた登場人物と第40話の登場人物が、第50夜で合流する」みたいに。
これをどんどん複雑にしていって、今や立体迷宮みたいになっちゃってますw
なぜ、そんなコトをやるかというと…
ひとえに「作家としての欲」ですね。
ずっと同じコトをやっていても、作家として成長しなくなっちゃうんです。頭打ちになって、ひたすら似たようなモノしか作れなくなっちゃう。
そうなったら“死”ですね。“作家としての死”
ピカソであろうが誰であろうが、超一流の作家や芸術家ってのは、生涯挑戦し続けたんです。常に自分の限界を突破しようと努力する!同じコトをやらない!だから、歴史に残る傑作を生み出せた。
その代わり、この方法ってリスクもあって。最初は、理解されないんです。
誰もやったコトがないから、読者の方も「読み方がわかんない」んですね。芸術でいえば「見方がわからない」し、ゲームでいえば「プレイ方法がわからない」
だから、読み方を発見するまで待たないといけないわけです。
「あ!こうやって読むとおもしろいのか。読み方がわかったら、スゲ~!これ、傑作だ!」と、こうなるわけです。
理解されないままだと、一生鳴かず飛ばずになっちゃいますw
で、ヘイヨーさんは挑戦したわけですよ。仮に誰にも理解されなくてもいいから、それでも!
ただし、1話1話は非常にシンプルなストーリーなので、そういう意味では読みやすいはず。
「バラバラに読むと、わかりやすくて初心者向き」「つなげて読んだ時に複雑で上級者向き」という2つの性質を持たせることで、どちらの読者にも対応できるようにしたわけです。
noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。