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クイーンズ・プラザのドーナツ職人

実は、ニューヨークって1週間しか滞在してなかったんですけど…

毎日いろんなコトが起こるものだから、日本にいる時の半年分くらいの経験値が溜まっていくんですよ。


ある時、道を歩いてたら映画に出てくるような素敵なケーキ屋さんを発見したんです。中でイスに座ってコーヒーでも飲みながらゆっくりできるようなお店。

で、「ケーキ食べていこう!」と思って、お店に入ったんです。当然ながら全て英語で注文しないといけません。

この時にショートケーキが食べたかったんだけど、「ショートケーキって和製英語だから通じない」っていう知識はあったんです。ところが、正確になんて言えばいいかわらないんですよ。

それで、ショーウインドーを見ながら注文すれば「This one please !」が使えるんですけど、もうイスに座っちゃったもんだから、その手が使えなかったんです。

しょうがないから、一生懸命説明したんですけど、これが伝わらないんですね~

ダメもとで最初に「ショートケーキ、プリーズ !」って言ったら、案の定通じないんです。「ハァ?」みたいな顔されて。追加で「え~っと…ストロベリー&クリームケーキ」みたいなコト言ってみたんだけど、やっぱり無理なんですよ。それでどうしたかというと…

「チョコレートケーキ、プリーズ!」って言ったら、一発で通じました!

つまり、自分が食べたいモノをあきらめて、注文を変えたんですね。英語ができないと、こういう不利な状況に追い込まれてしまいますw

         *

それから、地下鉄を乗り過ごしたコトもありました。旅の疲れで、席に座ったまま居眠りしちゃったんです。

「スリが多いから、地下鉄で眠ったら絶対ダメだ!」って言われてたのに、つい寝ちゃったんですよね。

で、たまたまその時はスリにもあわず、事なきを得たんですけど。ただ、目的の駅を大幅に乗り過ごしちゃって、「クイーンズ・プラザ」ってとこまで行っちゃったんですよ。

クイーンズ・プラザってのは、ニューヨークの中心地であるマンハッタンっていう島の外なんですよ。東京に対して、千葉とか神奈川みたいな感じ?

で、せっかく来たので「降りてみよう!」と思って、クイーンズ・プラザで降りたんです。そしたら、ちょう~ど夕日がきれいな中、遠くに巨大なビルが見えたんです。ビルには大きな文字で「GE」って書いてありました。

その時はよく知らなかったんですけど、GEって「ゼネラル・エレクトリック」っていう巨大企業で、当時は飛ぶ鳥を落とす勢いだったんです(そのGEも今や落ちぶれちゃったんですけどね…)


で、クイーンズ・プラザの駅を降りたとこにドーナツ屋さんがあったんですよ。

せっかくなので、「ドーナツ食べていこう~♪」と思って、お店に入ったんだけど。例のごとく注文できないんですよ。英語がわかんないから。

なので、いつもの「This one please」使おうと思ったんですけど…

ドーナツが飾ってある棚が遠いんですよ。それで、ちょっと変化させて「That one please」って言ったんです。さらに畳みかけて「And … that one please !」って頼んだら…

「これとこれか?」みたいに尋ねてくるので「Yes ! Yes !」って答えたんです。すると、その瞬間…

シュババババババ!って目にも止まらぬ速さで、ドーナツ屋の店員さんがトングを使って、ドーナツをつかみ取って紙の包みに入れてくれました!

「オー!アメリカンニンジャ!」って思いましたね!(口には出さなかったけど…)

代わりに「ナイステクニック!」って言ったら。店員さん、へへへッ!って笑って「まあね。オイラもこの店じゃ何年もやってっから、このくらいはお手のものよ!」みたいなコト言ってましたw

なので、クイーンズ・プラザ訪れた際は、「アメリンカンニンジャタートルズ」に会うために、ぜひ地下鉄を出たすぐのとこにあるドーナツ屋さんを!

…と言いたいとこですけど。かなり昔の話なので、さすがにあの店員さんももういないと思います。

noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。