ひたすら際限なく作品に触れ続けることに意味はあるか?
今回は、ヘイヨーさんの訓練方法について書こうと思います。
まず、小説の執筆の方は、何をやってるかというと…
「毎日必ず2000文字ずつは書いていく」
これは、小説だけで2000文字です。noteに書いてるような文章とか、雑文は別です。
今年の1月から新作を書き始めて、100日を超えたので、すでに20万文字以上の原稿が完成してます(ただ、これは、最終的に200万文字の大作なので、たかだた10分の1を経過したところ)
で、問題は「情報吸収」の方なんですよ。
これが、どこまでやればいいのか全くわからない!
ヘイヨーさんが使ってる基本的な戦略を紹介しておくと…
…というやり方。
たとえば、「映画」だとか「マンガ」だとか「小説」だとか「アニメ」だとか、果ては「ドキュメンタリー」や「海外ニュース」「哲学」「子育て」「教育」にいたるまで、ありとあらゆるジャンルに渡って、片っ端から情報を集めて回っています。
そこで得られたモノについて、いろいろ考えたり、部分的に取り入れたりして、自分の作品に生かしてるわけなんですね~
ただ、このやり方ってキリがないんです。
たとえば、映画1つ取ってみても、最初の1000本くらいは、いろいろ勉強になるんですね。
「あ!こういう作品の作り方があるんだ」とか「ここ、こういう風に工夫してるんだ」みたいに、どんどん吸収していける。
ところが、ある一定の量を超えちゃうと、あんまり成長しなくなってくる。
「5000本の映画を見たら、1000本の5倍成長して、1万本なら10倍得るモノがある」か?
…と、問われたら、全然そんなコトはないんですね。
5000本で、せいぜい2倍くらいで。1万本で2.5倍とかそんなものなんです。どんどん吸収率が落ちていく!
つまり、割に合わなくなっていくわけです。
「仮面ライダーシーリズ全話見る」とか「ウルトラマンシリーズ全話見る」のに意味があるかと言えば、全くない!(もちろん、特撮マニアになりたいんだったら別なんだけど、作家としてはあまり意味がない)
そこで、どうするかというとですね…
「パターンを見切る」んです。
戦隊モノなんか、わかりやすいんですよ。
東映が作ってる「スーパー戦隊シリーズ」ってのがあって、毎回同じようなコトをやってるんです。
基本、「赤・青・黄・緑・黒」みたいに5色のヒーローがいて、悪の組織と戦うんですけど。毎週1体ずつ敵が出てきて、序盤はザコキャラを一掃しつつ、最後は巨大ロボに乗って戦うっていう。その合間にドラマが挟まれます。
もちろん、そこは東映も毎年工夫してくるんですよ。メンバーの色が違ってたり、敵キャラに個性を持たせたり、ドラマ部分を大人向けにしてみたり。
でも、それにもやがて限界が来ます。いずれどこかでマンネリ化しちゃうんですね。
そのパターンを見切られたら、もうおしまいなんですよ。「また、去年と同じコトやってるんだ。じゃあ、見る必要ないよね」って。
そこで、何年かに1度、大改革を行うわけです(たとえば、今年の戦隊モノである「ドンブラザーズ」とか、いつもと全然違うコトをやろうと意欲的に挑戦してるので、こういうのは見る価値があるかも)
戦隊モノだけじゃなくて、全ての作品が同じです。仮面ライダーだろうが、ウルトラマンだろうが、ゴジラだろうが、ありとあらゆるマンガやアニメ・ドラマは、パターンを見切られたら終わりなんです。
ただ、「あえてマンネリ化を目指してる作品」ってのもあって。「サザエさん」「ドラえもん」「アンパンマン」みたいなヤツですね(そういうのは、ヘイヨーさん見なくなります)
どんな世界でもそうなんですけど…
最初は「必死になって勉強しないといけない期間」ってのがあるんです。
でも、途中から「ただ数をこなせばいい!」ってモノじゃなくなってくるんですね。「質」が重要になってくる。言い換えれば「視点」です。別の視点で、モノを見ることを教えてくれる作品は、見る価値があります。
だから、この前紹介した「スプライス」みたいな作品が必要になってくるわけです。
確かに、見てて気持ち悪いし、「なんじゃ、こりゃ!?」みたいな映画なんですよ。でも、他の人と違うコトに挑戦してる!
そういう意味で、ピカソと同じなんです。
「よっしゃ!他の奴らと違うコトやってやろう!」っていう気概を感じる。
今の世の中って、「そつなく上手い」みたいなモノが望まれてるんです。決して、人を傷つけず、見ればそれなりにおもしろいし、爽快感もある。今までのパターンに沿ってて、ちょっとだけ工夫してある。そういう作品ですね。
でも、そういうのは歴史に残らないんです。
ある程度、数をこなした人たちからすると「また同じようなモノつくってるの~」ってなっちゃうんですね。
それよりも、少々心が傷ついてもいいので…
いや、少々どころか、ズバッ!と心を斬り裂くようなのでいいんですよ。人を心をえぐるようなモノが見たい!
そうしないと、全然成長しないんです。似たような作品を見て、数だけこなすようになっちゃう。
だから、作り手の人たちも、ピカソだとかさらにその上を目指して、積極的に意欲作に挑戦してもらいたいですね~
noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。