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作家かくあるべし!

テレアポの仕事の契約が切れて、以前のように家でゲームやったりしながらボ~ッと暮らしていた青年ですが…

登録していた契約会社からの依頼で、「イベント設営」の仕事が入るようになってきます。「東京ビッグサイト」などの巨大なイベント会場に行って、自動車やパソコンの新製品の発表会の準備を手伝うのです。

ただ、この仕事って定期的に依頼があるわけではなくて、せいぜい週に2~3日といった感じなので、まとまった金額が入ってくるわけではありません。1日辺りのギャラもそこまで高いわけではなくて、安定した収入になるわけでもありません。なので、あまり受けたくはありませんでした。

朝も早いし、遠くまで出かけないといけないし、見た目は派手でも仕事内容は地味だし、特にいいコトは何もありませんでした。あえて言うなら、周りにコンパニオンのきれいなお姉さんたちがいたコトくらいでしょうか?


あ!もう1ついいコトがありました!

イベント設営の現場で出会った「助監督」みたいな人がいて、見た目も性格も地味~なタイプだったんだけど、仕事熱心でコツコツと確実に任務をこなす人でした。

で、その人に気に入られて、ちょいちょい言葉を交わすようになってたんですけど…

ある時、食事の話になって。「仕事でヘトヘトに疲れてるし、いそがしくて料理なんてしてる暇がない」って言われたんですよ。

で、「普段、何食べてるんですか?」ってきいたら、「スーパーやコンビニでお惣菜買ってきて、ご飯はパックのヤツをチンして食べるんだ」っていうわけですよ。

「パックのご飯をチンして食べる!?あ!そんなんでいいんだ!」って思って。これ以降、青年はまともにご飯作らなくなっていきます。

これって一見すると「は?なにそのいい加減な生活?絶対ダメでしょう!」と思うかもしれません。

でも、創作者とか仕事人ってそういうものなんですよ。食事は結構いい加減になっちゃうんだけど、代わりに「時間を手に入れてる」んです。無駄な時間や手間を極力省くことによって、自由な時間を確保できる!その余った時間を利用して、他者と差をつけてるわけです。

もちろん体にはよくありません。でも、精神的には最高に良好になれるんです。「健康」って、実は肉体的なモノだけではなくて、精神的な部分が大きく関わってるんですね~

だから、意外と病気にもなりませんでした。

それまで、青年には「自分でご飯作らないのはいけないかな~?」って罪悪感があったんですけど、そんな感情はスト~ン!とどっかに飛んでいっちゃいました。

「作家かくあるべし!」みたいな心理に目覚めちゃったんですね。


毎日キチッと家で料理を作って、健康的な食生活を送る。もちろん、下ごしらえもしなければならないし、後片づけもする。

それって「人として理想の人生」なんですよ。でも、「作家としての理想の人生」って別なんです。炊事だとか掃除だとか洗濯だとかに時間を使えば使うほど、「究極の作家」からは遠のいていってしまいます。

「1秒でも多く自分の時間を確保して、世界中の情報を吸収し、寸暇を惜しんで自分の作品を生み出していく」

作家に必要なのは、こっちなんです!そして、それこそが青年にとってピッタリの生き方でした。この時の経験で「免罪符」みたいなものを得ちゃったんですね。

「それでいいんだよ。君の人生は、それでいいんだ。体には少々よくない生活を送っても、精神的に最高の人生を送りなさい!」って。

「マスター・オブ・ザ・ゲーム」が、さらにアップデートされた瞬間でした!

「必要ないモノは全部切り捨てちゃっていいんだよ。精神世界の住人であればいい。それが、結果的に最高の物語を生み出す道につながってるんだから!」と天から声が聞こえてきたような気さえしました。

noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。