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せっかく心が近づきかけたのに、そこから先はいつもと同じでした。電話1つすることもできず、…
新幹線に乗って東京へと向かった青年。確か、その日は日曜日だったはず。 それは、離れていく…
あの人との関係は、とても不思議なものでした。初めて会った時からずっとそう。顔を合わせれば…
それからも、青年は自分にできるコトを一生懸命やりました。あの人への想いはあれども、何をど…
そこから先は、またいつものパターンでした。 あの人に連絡したいのに、その勇気も出ず。たま…
読者の中には、「だったら、あの人が喜んでくれるようなストーリーに変えちゃえばいいんじゃな…
青年は、あの人に読んでもらうための物語を書き始めました。 それは、このようなお話でした。 あるところに、「キリギリスの男の子」と「アリの女の子」が住んでいました。 キリギリスは、子供の頃に母親から無理やりに勉強させられ過ぎたために、大人になってから遊んでばかり。 逆に、アリさんは子供の頃に伸び伸びと育てられたおかげで、大人になってから一生懸命に働いて暮らします。 30歳を過ぎて、アリさんは結婚することになりました。周りの人たちみんなが「素晴らしい!」といってくれるスペッ
青年の頭の中の思考は、どんどん飛躍し、無限に複雑化していってしまいます。 けれども、ここ…
この時の青年の心理は複雑でした。今になって振り返ってみても、分析するのが非常に難しいくら…
あの人と会ったコトで、生きる希望が湧いてきました。それまで闇の底で暮らしていたのに、一筋…
「アリとキリギリス」でいうところのアリさんになった「あの人」 その職務は激務を極めます。…
ある年の冬のコトです。事情があって、母親が東京に行く必要が生じました。青年も、仕方なくつ…
実家に帰ってきてから、青年はグッと暮らしやすくなりました。 「あの人は、ずっとこんな環境…
「あの人」と縁が切れれば、目的が1本化され、いい小説がどんどん書けると思っていたのに、そうはなりませんでした。むしろ、状況は以前よりも悪くなってしまったくらい。 あの人との微妙な関係が、物語を生み出してくれていたのです。 ここで、青年は実家に帰るべきだったんです。そうすれば、まだ再起をはかることだってできたかも知れないのに… けれども、「あの人」の亡霊や、妙なプライドが邪魔してしまいました。頭の中では「実家に帰るべきだ!」とわかっていたのに、心はそうさせなかったのです。