エラゲとはなんだったのか

エラーゲームリセットとは、「不完全なガールミーツボーイ」である。

誤解しやすいところとして、「プレイヤーさんはセガ世界で何も不自由なく暮らしていた」というところが挙げられる。
露骨にディストピアな描写や冒頭プレイヤーさんが轢殺されたことから、外から見るユーザー目線だと「世界構造に違和感を持ち、不満を抱いている」と思いがちだ。
これはリボンからみても同じで、そのような世界を変えるためにリボンはただひたすら突き進んでいく。
変革が世界のために、ひいてはプレイヤーさんのためになると信じて。

最終章となる10章は、いままで一切言葉を発することのなかったプレイヤーさん目線で物語が進んでいく。
劇的な奇跡や物語の締めくくりとなる出来事が起こるわけでもなく、淡々と
信じていたものがすべて失われた現実世界を見て回り、プレイヤーさんの涙で物語は終わる。

リボン達が、まだ見ぬ世界がどれだけ希望に溢れているかを示せていれば。あるいはプレイヤーさんが新たな世界に興味を持つことができたなら。あるいは違う結末もあったのかもしれない。
しかしリボン達はただ突き進むのみで、立ち止まる余裕などなかった。

個人的な感想となるが、たとえ主人公であっても単なるひとりの登場人物でしかないのに、真実がすべて明らかとなるトゥルーエンドや、すべてが解決するハッピーエンドに至るというのはどうしても嘘っぽく感じてしまい一気に物語への没入感が薄れてしまう。

主人公が登場人物を逸脱しすぎない。
トゥルーエンドよりもビターエンド派の私にとっては、
いい物語だったなあ、エラーゲームリセット。という結論に至るのであった。


前に書いたエラゲ記事 ↓


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