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抗争と青春と涙と別れ

昭和59年  それは突然 始まった
大阪 吹田市 江坂………日本最大の暴力団
山内組の組長が 撃たれた!
四代目で組長に 納得しなかった組織が
分裂し 新たに 一羽会と なり 
山内組の組長を 襲撃した事で 始まり 平成元年まで 続いた   山一抗争

まだ 10代チンピラから 正式に組員に なったばかりの俺は 山内組の 系列組織  元、柳河組 の
初代 二会に属していた ぺーぺーだ!
3つ歳上の兄貴分 田村 浩二に 可愛がられ
何とか 凌いでいた  兄貴は若いのに 人望も有り
漢気が熱く 曲がった事は嫌いで 叔父貴や若頭にも歯向かう イケイケ で 実質 次の 若頭候補だった 普通なら、上の者が白でも黒!と言えば
黒が当たり前の世界  だが、兄貴は違った
白いもんは白やぁー! 黒と ちゃいまっせ!
そんな人だった。

大阪の梅田に拠点を置き 抗争以来 一羽会系列からの 脅しの電話が 止まない
大阪も神戸も 厳重体制で 誰が 何時やられるか
解らない そんな時代

末とは言え 兄貴分と 組長(オヤジ)の為 体を張らなきゃ ならない!  兄貴は ワシの事なら大丈夫やから、オヤジを頼むで!!!と
ある日 組事務所に発砲され 報復に 相手の組員
数名が 道頓堀川に 浮かんだ

一層激しくなる 抗争の中 山内組本部の 神戸の
事務所が 襲撃を受け 激動の幕開けとなり
至る所での 小さな イザコザから 殺傷事件、発砲事件 拉致  被害は 一般人にまで………

飲み屋など 数名で行くと、バッタリ一羽会系列と
遭遇したら 即座に 殺し合いが始まる
店内で発砲したり、誰かが刺されたり……
そんな場合 兄貴が居たら 一瞬で その場が
凍りつく! 双方 静まり返って 場を収める


山内組は 亡くなった四代目の代わりに 代行と若頭補佐が
陣頭指揮を取り この 馬鹿げた抗争に 終止符を打とう!と 各組織から 数名づつ ヒットマンが
選ばれる事となり 一気に 一羽会 会長と若頭に狙いに絞った

ある日、オヤジに呼ばれ ピストルを渡された
どうやら、ウチの二会からは兄貴と俺が
ヒットマンに選ばれた らしい …………
怖さで 震えが止まらなかった!
ピストルなんて 本当に日本人が持つ事
人を的にかける事 ましてや 自分が無事だと
そんな補償も無いままに

数日 隠れ家で 怖くて震える日々が続いた
この隠れ家だって いつバレるかも解らない
8人程の 隠れ家に ダンプ等 突っ込んで来て
10人以上の 敵が来たら………怖い 正直に
怖い! そんな時は いつも兄貴が 笑わせて くれた
強く 面白く 頼もしく 憧れの存在だった

ある日 隠れ家に電話が 鳴った 
その電話は、一羽会 会長の 行動予定を掴んだ
内容だった …… 明日 いよいよ決行だ!
ここから8人  他からも 同じ様に 組事務所から
離れ 行動がバレない様に 隠れ家で 過ごしていた
組織の連中 併せると50名程なのだろう……

決行当日  各組織事に 別々の指示が出された
一羽会本部の襲撃と 会長の襲撃 若頭の襲撃
よりによって 会長襲撃班だった 
より一層の怖さ 兄貴が話し掛けるも 上の空
頬に走る痛み……兄貴がビンタを した事で
我に帰り シャツの襟元を捕まれ 屋上に連れて
こられた 。

「なぁ、竜也  お前は途中で逃げろ! ええか
車で近くまで 行った後は 徒歩や、その時
お前は 地下鉄へ行け!!!  埠頭まで行き
船で 関西から離れろ ええな  解ったか」

「空港や、大きな駅には 見張り役が
居てるはずや、せやから船を使え!!!
こんな事で 自分の人生を無駄には すなや」
「お前は ホンマの弟の様やった ワシには
連れてかれへん! お前は この先 真面目に
カタギとして 生きて行け ええな! ワシからの
最後の命令や………」 

煙草を吸いながら 兄貴は 泣きそうな顔で
兄貴分としての最後の命令を言って来た………
渡されていた38口径は 兄貴が取り上げ
時間には車に 乗っていた

午前9時 十三の目的地の近くで 止まった5台の車
それぞれ、列にならず 不自然さを出さぬ様に
周りを幾度も確認して 20名の男達が 歩道へと
車から 降り立った…………
今から 相手の会長襲撃の為に

車から徒歩で 3回 曲がった先の 歯科医
ガードは鉄壁だろう! 恐らく警官も居るはず
目的地に向け 歩き出す  服装は 様々に 一般人的な 普通のカタギの人と区別は つかない だろう!
1つ目の角を曲がり 通勤者に紛れ 20名が それぞれ バラバラに行動する

2つ目の角を 曲がって 地下鉄への入口で 兄貴に
「行け  竜也 振り返るな! 全て忘れろ
ええか!ワシの事も 全てや」 そう言い残し
兄貴は 俺を地下鉄の方へ  突き飛ばした!

あの日 地下鉄から弁天埠頭にて乗った 船で
TVのニュースが流れていた ………
十三の歯科医で 暴力団員による 襲撃が有り
警官を含む 15名が 死亡  その内 警官を庇った
暴力団員が 重症の状態で 一羽会 会長を 射殺……
重症の暴力団員も 後に死亡が確認された と
現場からの中継ではサイレンが鳴り響いていた

名前はまだ、発表されては 居なかったが!
警官を庇いながらも 重症を負い 目標達成する
そんな人は 兄貴以外 居ないと解っていた……
船のデッキに出て 自分が生きている事と
兄貴の言葉と  そんな兄貴が………
曇り空を眺めながら 汽笛の音に かき消された
俺の 泣き声  
何処まで届くのか 解らないが兄貴の名前を叫んでいた …… 夏の 昼間 船の上で 波飛沫と カモメの舞う中  膝から崩れた 俺は1人で……


                    フィクションです
  1部、団体名など 変えてはいますが………
  ググッて 検索して 名称変更して 作り物です

                   


                  皆様🤗こんばんは🌟

         めっちゃVシネマ的な 感じに (-_-;)

では良き夜を お過ごし下さいませ✨

1日に 1回でも良いですから笑顔を😊
何事にも 感謝を忘れずに🍀




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