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140字小説集 パンと魔法

Xで140字小説をpostしています。
今週はあったらノベルズさんの架空タイトルのお題を書きました。
出されたタイトルに従って140字小説を書くタイプのお題ですね。

No.005

「いいかよくお聞き」魔法使いの師匠が言いました。夜通し弟子と魔法の特訓をしているのです。「よい魔法は人に笑顔や元気を与えなくちゃいけない」ぐう。弟子のお腹がなりました。向かいのパン屋さんが開店したのです。いい匂い。もう朝でした。「パンもそうさ」それから2人で朝ごはんを食べました。

スカート・ビショヌレーナ著: 『魔法使いが魔法と言ったパン屋』

「パンと魔法」
引用の出典部分にお題の架空タイトルを書いてみました。あったらノベルズさんのお題は著者名もあるのが特徴です。
アラブの昔話で、魔術使いに「火事を消してくれ」と頼んだところ、難しい顔をして何やら呪文を唱え始め、そうしている間にも家からどんどん煙が出てきて、そしたら呪文を唱えていた魔術使いが「水をかけろ。なるべくたくさん」と言ったという笑い話を読んだことがあります。こういう話は非常に好きです。多分自分自身が頭でっかちだからだと思います。食べると元気が出て、笑顔になる。おいしいパンは本当に魔法だと思いますよ。


No.006

「もう疲れた!」姪が弱音をはく。「あとちょっと、帯だけ」腕に力を込める。着崩れないようにしてあげたい。「サトルくんも浴衣!」スマートフォンの画面を見せてくる。マサ君の息子さんだ。昔夏祭りに行ったのを思い出した。憧れの人だった。花火の音。姪が飛び出していく。頑張れ、姪よ。懐よ、恋。

睦夕子著:『懐恋』

「懐かしい恋」
『春は遠い日の花火ではない』はウイスキーのCMでしたっけ。あんまり声高には言えないけれど、恋愛ものを書くのが苦手だったりします。多分お年寄りだからでしょう。やけぼっくいに火がついた、みたいにしても良かったのだけれど、今更そんなことしたくはないんじゃないかなあ。応援している方が楽しいし、自由でいられる。自分としてはそのほうが大人の女性としては本当らしいと思ってしまいますね。


あったらノベルズさんは他にもたくさんのお題を出しておいでのアカウントなので、ご興味のある方は参加してみてください。

来週は、お題なしで作りましょうかね。今週はこれだけです。

140字小説集 No.016