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エッセイ 「またね」(2023年11月のネコ戦記)

 毎月、月末あたりにその月の公募活動などをあけすけに書いています。
なんてあけすけな! 恥を知れ!

 今日、仕事終わりに「これで退職です」という同僚と途中までご一緒しました。本当に今日初めて知って、驚いたけど、もうなんか、慣れましたね。
 あなたにとって、いい職場を作れなくて、悩んだ時困った時に力になれなくて、ごめんね、と毎回毎回思います。

 11月は目標にしていた公募があったんですが、出せずじまいです。来年に向けて取材と、書く時間と、もう少し長期スパンでの計画を立てないとダメだと思う。日常に書く時間を増やせば増やすほど、「この日にちょっと無理すれば大丈夫!」が効かなくなる現実に直面します。「ちょっと無理する」を入れられるバッファがもうほとんどなくなってきています。私はただのアマチュアのSNS書きだから、生活する時間と、仕事をする時間と、こうやって書き物をする時間とを、ちゃんとバランスをとって生きていかなくちゃいけないと思う。たまに人と笑い合ったり、美味しいご飯を作ったり、(記事を書いたりする目的じゃなくて)旅行に出たり、そういう時間をとらないと本当に空っぽになるなあと思ったりしています。

 立原道造の「盛岡ノート」を読んでいます。盛岡の知人を尋ねた時にこんなことを書いてる。

 僕は見た
 この町にも 僕を待っていた人のいることを
 こんなに とおい北の町に 僕を 待っていた人がいることは どんなにかうれしいことだろう

 12月や来年も私はきっと誰かを訪ねに行ったりすることがあって、もうすでに約束もあったりして、わざわざ来てって気を遣っていただくこともあるんだけれど、どこかに訪ねて行って、そこに誰かが待っていてくれて、そうすると、ああ私はここにいていいんだな、って思うわけで、なんていうか、訪ねていくところがあることは私にとって幸運であることなので、どうか気にしないでください。そして、一見遠くても、私にとってあなたが、会いに行こうと思う人であることを、あなたがそこに居ることが嬉しいと思うという、そういう価値があるから訪れているのだということをどうか忘れないでほしい。

 実際のところ、日々、どこかにいなくなってしまう人の方が圧倒的に多くて、少し元気のないねこの人であったりします。

 月の頭に以前書いた「#最近行ってよかった店」のエッセイが主催の東芝テックCVCのご紹介を受けています。どうもありがとうございます。


 また、ご縁があって今月から小説家のほしおさなえ先生と星々事務局スタッフの方々が運営なさっているオンライン文芸コミュニティ、hoshibosiの運営スタッフに参加させていただくことになりました。ありがとうございます。大変光栄に思います。

 140字小説コンテストの選考に参加することがとりあえずの予定です。だから、他に出されている方の記事に反応できなかったり、あるいは満遍なく反応したり、今までとは少しちがう挙動をするかもしれません。立場的に平等であることに努めたいように思う。ただでさえない社交性がマイナスに触れたりしたらごめんなさい。応募者の皆さんのお役に立てればと思っています。いいコンテストに応募したいって、みんな思っていると思うんです。だからね、ちょっと応募の記事と距離を置いたりはしようと思っています。頑張って裏方を務めるから、今度はあなたが賞もらって、光を浴びて、喜んだり、お祝いされたりしてくださいね。

 ものすごーく、かっこ悪くて情けないことを打ち明けますとね、140字コンテストの賞を去年いただいた時に、他のどこかでまた成果を出すことが、自分を認めてくださった先への恩返しになるって、ずっと思ってたんです。今でも思ってます。でも、年末まで、私は公募を出す予定がありません(12月はクリスマスのお話をnoteで書くつもりなので余裕がない)。出したもので選考結果が出ていないものもほぼない。つまり今年は打ち止めです。他所でちゃんとした入賞は獲ってこられなかった。

 この一年「頑張っている」方をたくさん見てきました。だから、私に今年そうした成果が出なかったことを、ある意味当然のように受け止めています。情けなくはあるけれど、悔しくはない。運があったり、好みがあったり、そういうのは確かにあるとは思うのだけれど、成果を出した方たちはずっと書いていた方達が殆どだし、「好み」以前にきちんとした地盤がちゃんとあるように思う。私自身にはまだそのしっかりとした地盤がない。それだけのことで、悔しがるところまでは行っていないのです。

 せめてそこに届くまでは、思い切りやってみたいですね。いつもそんなようなこと言っていて、それって結局いつなのっていう感じですけど。

 なんだろうね。わざわざ、とか言われながら遠くの人に会いに行っても胸を張っていられるように。帰り際に恥ずかしげもなく「またね」って言って手を振って帰ってこられるように。毎日頑張っている(それが書くことでも、そうでなくても)友人や、親族や、私が会いに行きたいって思った素敵な人たちにちゃんと見合うような、そういう自分でありたいなって、いつもいつも、思うんですよ。

エッセイ No.091