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小さな動きの楽しさー補足ー7 セルフトーク

セルフトークの有効性について「小さな動きの楽しさ」では特に記されていませんが、近年の研究により、ポジティブなセルフトークの有効性が示されています。

"Self-Talk as a Regulatory Mechanism: How You Do It Matters" by Ethan Kross and Ozlem Ayduk (2009)
"Positive Self-Talk and Sports Performance: The Role of Self-Talk in Overcoming the Anxiety of Running a Marathon" by Antonis Hatzigeorgiadis et al. (2011)
"Self-Talk and Sports Performance: A Meta-Analysis" by Alexander J. Latinjak et al. (2020)
"The Power of Self-Talk: How the Use of Self-Talk Impacts the Therapeutic Relationship" by Megan Donnelly et al. (2020)

"Self-Talk and Sports Performance: A Meta-Analysis"では、スポーツ選手が競技中に使用するポジティブセルフトークが、スポーツパフォーマンスに有意な効果をもたらすことが示されました。具体的には、ポジティブセルフトークが使用された場合、運動能力や運動技能の向上、疲労や不安の軽減、自己信頼心の向上などの効果が確認されました。

また、この研究では、ポジティブセルフトークの使用方法についても検討されました。その結果、セルフトークを行うタイミングや内容、使用する言葉の種類などによって効果が異なることが示されました。例えば、競技中に行うセルフトークの方が、競技前や競技後に行うセルフトークよりも効果が高いことが明らかになっており、選手が競技中に使用するポジティブセルフトークが、パフォーマンスに有益な影響を与えることを示唆しています。

ただし、「完璧」や「すべて」を求める言葉:「完璧にやらなければならない」とか、「すべてをやり遂げなければならない」というような言葉は、ストレスを引き起こし、自信を失わせる原因になります。

「小さな動きの楽しさ」にもありますが、現在の自分のスキルと比較して可能性がない事を言うのもプラスには働かないでしょう。

緊張を感じているなら、以前も書きましたが「試合が楽しみでわくわくしている」と自分自身に言い聞かせるのは良いと思います。
ちなみに上記の研究では以下のようなセルフトークが効果があるとされています。
イメージング(Visualization): "私はこのショットを成功させる"、"私はこの試合に勝つ"など。

自己強化的なセルフトーク(Self-enhancing self-talk): "私は強い"、"私は自信に満ちている"、"私は素晴らしい選手だ"など。

ゴール設定(Goal-setting): "私はこの試合で3ポイントを取ることを目標にする"、"私は100メートルを11秒以内に走ることを目標にする"など。

眼の前のタスクに集中する(Task-oriented focus): "集中して、ボールをコントロールする"、"1つずつプレーを考える"、"今のプレーに集中する"など。

これらのセルフトークは、選手が自信を高め、目標を達成し、ストレスを軽減するために使用できると結論付けています。ただし、効果の大きさは個人差があり、環境や競技の種類によっても異なることが指摘されています。



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