さらばHOST



ジゴ郎売れっ子ということもあり、移籍は容易ではなかった。

社長に移籍の交渉を申し込むとその日から幹部達から毎日説得や接待を受けた。

しかし、揺るがない。ホストで一攫千金という夢。
 
結局喫茶店で社長の私選弁護士を通し、一年の修行期間という内容でエラーへの移籍が認められるのであった。

辞めるのが決まってからはガングロ筆頭にHOSTのメンバーはジゴ郎に対して冷たかった。

千羽鶴まで作ってくれたあの優しい方々が千賀のフォークぐらいの落差で接してくる。

しかし彼らが冷たいのは、たぶんお薬のせいでしょう。

なんせ、冷たいのが大好きなようでしたし。

そうしてとうとう辞める当日、にんにくや仲の良かったメンバーと気持ちよく酔っていると5m先から助走をつけてガングロが

いきなりの顔面跳び蹴り。

からの失神。

時代が時代なら大問題ですよ。

そうだね。お薬のせいだね。

というジゴ郎の寛大な心によって顎が外れただけで解決することとなった。

その後No.1の抜けた代償もあり半年でHOSTは潰れるのだが、それと同時に戻らなくて済むこととなった。

ちなみに未だにHOSTのメンバーとはよく連絡を取り合い、会ったりしている。

今思う。あいつらはみんな異常者だ。

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