ナイスフライト

飛行機に乗るときには厳重な荷物検査がつきものだ。
 
しかし今回の旅行は国内線。
 
簡易な荷物検査だった。
 
そして金属探査機に通るとき、ベルトやライターを所持しているだけでブザーはなってしまう。
 
ブザーがなったら、どの箇所に問題があるのか手持ちの金属探査機で入念に検査をする。
 
この日はたまたま運悪く(相手側からすると)若くて可愛い女の子が検査役だった。
 
その状況をHOSTのメンバーが見過ごすはずがなく、とっさにみんなして

パンツの中に金属類を仕込んだ。
 
もちろんブザーは鳴り、手持ちの検査機で入念に上から下、下から上へ検査していく。
 
毎回かならず股間のところでブザーは鳴り響く。
 
しらじらしくも
 
「なんでだろうなー?」
とか
「なにも入ってないと思うのになー。」

とか言っちゃたりしてる。
 
中には
 

「えっこれ、金玉探知機なの?」


とかふざけたやつまでいる。
 
結局HOSTのメンバー15人のうちジゴ郎含む5人程検査員にお世話になり若手の女の子に辱めを受けさせたのだった。
 
女の子もまんざらではない様子であった。
 
そんなこんなでHOSTメンバーを乗せた飛行機は無事?那覇空港に向かってフライトしていったのだった。
 
2時間半程して那覇に到着すると、ここは海外と思わせるほど湿度もなくカラッとした温暖な気候で、まだ何もしていないのにHOSTのメンバー達のテンションは最高潮に上がってしまった。
 
そんな最高潮のやつらの前に不運にも遭遇してしまった男がいる。
 
映画監督I筒監督だ。
 
那覇空港を出たところで若い女性と二人きりだった。
 
警備は手薄だ。
 
こんなおいしいところを見逃すわけもなく、内勤のナックンはI筒監督の目の前まで行き
 

「あたいの演技をみてっ!!」

 
と叫んで、I筒監督の映画の1シーンを披露して見せた。
 
いくら披露して見せても見向きもしない巨匠、I筒。
 
努力が報われたのか巨匠Iの重い口がようやく開く。
 
「どうでもいいねんけど、他でやって。」
 
さすがにこれ以上は侮辱行為に至ると思い、その場は笑顔で退散した。
 
まさかこのI筒監督と5年後西新宿十二社通りで再会するとは、そのとき知る由もなかった。
 

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