知識がない方がいいんじゃないか…と思った話。(35)
1.知識とは何か…
知識とは、人の経験を言語化もしくは数値化したものだ。特に「エビデンスのある専門知識」とは、どこかの誰かが実験し、効果があるとされたもののまとめに過ぎない。
専門知識自体が日進月歩で進む世の中だが、忘れちゃいけないことがある。
ということ。
それは、ありとあらゆる意味で違う。だから、専門知識をそのまま当てはめてもうまくいくとは限らないし、そもそも「そのまま再現する」自体が極めてむずかしい。
だって自分という人間も目の前の子どもやクライアントも世界に2人と存在しないわけで、すでに「そのまま再現」じゃないんだから。
知識とは所詮、「推測と優先順位の決定の参考資料」に過ぎない。
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2.知識があることの弊害
知識があれば、目の前の現実に対してその背景や今後の経過を推測する、その精度が高くなる。優先順位の決定に際しても、その精度と速度は知識があった方が高くなる。
これは事実だ。
でも…
その一方で、知識自体、自分の主観に基づいて使うものなのだから、そこにヒューマンエラーは起こりうる。「バイアス」などと言われる先入観や偏りをゼロにすることはできない。むしろ、知識が増えるほどそのリスクは高くなる。
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放デイのスタッフをしながら、わが子の非行に悩む保護者からの相談に応じたり、教員等への研修などを行っています。記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。