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「可能性」「平均」…理解せずに使いがちな言葉たち。
1.非行少年が口にする「可能性」
少年院出身の社長や俳優、格闘家はわりといる。それは事実だし、彼らが塀の中の子どもたちにとって希望の星であることも大切な事実だ。
が
そうして立派に(というより華やかに)活躍してる人よりも、再犯してしまったり、再犯せずとも鳴かず飛ばずの生活をしてる”先輩”たちの方がはるかに多いことも事実だ。
夢や希望を語り、彼らにもそれを求めることが世間的には素敵な教育とされているらしいが、僕はそんなこと1ミリも思わない。ただ淡々と現実を見つめ、共に向き合って格闘する。
そんな法務教官9年の中で何度も耳にした「可能性」という言葉。非行少年が口にするそれの、大半は使い方をまちがっている。
僕にも社長になれる可能性はあるじゃないですか。
まぁあるよね。
別に「社長になっちゃいけない」という制限をかけられてるわけじゃないんだから。「禁止されていない」という意味では可能性がある。
でもそれは「物理的に制約されてはいない」という状況を指しているのであって、実現可能性の話ではない。
ある/ない
で語る可能性だ。
そういう意味では、大抵の可能性は「ある」と言える。
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放デイのスタッフをしながら、わが子の非行に悩む保護者からの相談に応じたり、教員等への研修などを行っています。記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。