世界は矛盾する2つの基準で三層に分かれてる。
デキの悪い新人ほど「とにかく言われたことだけやってろ!」と言われる。要するに「なんもわかってねぇんだから余計なことするな」ということ。まぁ、わからなくはない。
しばらくして、問題なく仕事を回せるようになってくると、ある時こんなことを言われる。
不思議なもんです。
新人当初、言われたことだけやれと言われていたのに、しばらくするとそれで怒られる。
でもこれ…よくあることだよね。世界はこうやって、矛盾した基準で三層に分かれてるんだ。
会社なんかで言えばたぶん↓こういう感じ。
間にあるのはまさに矛盾した理屈。「言われたことだけやれ」と「言われてないことまでやれ」というもの。
エースは仕事の全容もチームの状況もわかっていて、確実に+αになる仕事をする。
新人は、仕事の全容も自他の状況もわかっていないまま、自分の感性で動くから、よかれと思ってやったことで周りが迷惑する。
扱いが違って当然だ。
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これは家庭における勉強でも同じだ。
この時、二層と三層の間には「勉強しなさい」が横たわっている。
三層は「勉強しなさい」と言われてもやらない。できない子どもたち。
二層は親に言われたり塾に行かされたりしてなんとなく勉強している人達。
一層は「勉強しなさい」と言われない人達。むしろ「無理しないでね」とか「楽しくやればいいんじゃない?」なんて言われたりする。他者から勉強を促されなくても勝手にやって高得点を取る。
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スポーツなんかもそう。
言われた練習を嫌々やって成果もでない三層、言われた練習をまじめにやってなんとか存在感のある二層、顧問すらうるさいこと言わないエース…みたいな。
お金や仕事だってたぶん同じだ。
僕は先日マイナポイントの手続きをして、サクッと15,000円分のポイントをもらったけど、日々の生活にゆとりのない人や保険証・マイナンバーカードを持っていないその日暮らし状態の人はきっと、マイナポイントの意味すらわかってない。
世の中には仕事が実は結構ある。それが十分な収入になるかどうかはともかくとして、街を歩けば正社員もアルバイトも求人が山程見つかる。
選ぶのは一層の特権。引く手あまたの売れっ子は、1つしかない体と限られた時間をどこに提供するかを考える。仕事を選ぶ側だ。
だから
二層から一層に行くには、十分な実力を身に着けた上で「仕事を選ぶ」が必要になる。境界Aは「仕事を選べ」だ。
でも
三層は本当は仕事を選べる立場じゃない。
三層から二層に行くには、まず与えられた仕事をこなすことが必要で、そこにある境界Bは「仕事を選ぶな」だと僕は思う。
人生がどうにもこうにも行き詰まっている人はたぶん、三層にいる自分に一層の判断基準を当てはめてる。要するに、まだ選ぶ立場じゃないのに仕事を選んでるということ。
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これはもちろん、特性や好みを無視した超絶にドライな話。実際には向き不向きもあるし、やりたくてもできないこともある。
でも
ある一面ではこれが事実で、就活する凡庸な学生はまずここを自覚する必要がある。「私はまだ選ぶ側じゃない」って話。
学生のうちから仕事を選ぶ側に回れるのは、それこそ極めて一部の奴らだけ。引く手数多になってはじめて選ぶ側だ。
世の中は、矛盾した2つの基準で三層にわかれている。それはシンプルな三段構造ではなく、各層の中でもじわりじわりと登っていくことが必要な坂道みたいなもん。
今自分がどのへんに居て、どっちの基準を超えなきゃいけないのか…を考えることはとっても大切なことだと思ってる。
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非行少年はまず、本人の意思や好みの前に「世の中のルールとマナーを守る」を優先すべき人達。
優れた学生は、そんなことを考えない。むしろ「おかしなルールやおかしなマナーをどう変革するか」を考えて仕事を作ったりしてる。
その間にいる、「マナーは守れるけど新しい何かを生み出すことはできない」という僕を含めた凡庸な人達もたくさんいる。
と
で隔てられた三層構造。
本来一層の理屈である「ルールやマナーにNOと言う」を乱暴に自分たちの特権にしたのが非行少年だ。
そんな状態の人が、いきなり境界Aを当てはめて動くと、大抵の場合、社会問題になっている。
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放デイのスタッフをしながら、わが子の非行に悩む保護者からの相談に応じたり、教員等への研修などを行っています。記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。