雰囲気だけの体育指導にNO
メリークリスマス。
今日はふと思い出したエピソードを書いておきます。全然クリスマス関係ないけど、それもまた僕らしいかなと思っています。
1.バレーボール大会
僕が務めていた少年院ではわりと球技も行っていました。年間で行う体育は主に…
当然ながら、すべて現場の法務教官が指導する。
僕が20代後半で平泳ぎを覚えたのは、法務教官になって非行少年に指導する必要があったからだ。水泳もフットサルもバレーボールも体育でやった程度で、きちんと教わったことはない。
世間では「専門ではない種目で部活の顧問をやらされて…」と文句を言ってる先生がいるらしいが、俺に言わせりゃそんなの大した問題じゃない。
もちろん試合で審判をやるのは容易じゃないだろうが、ぶっちゃけた話、中学校部活レベルの指導ならサクッと勉強して本質から教えりゃいいじゃねぇか…と思っている。
未経験を理由に下手を嘆くならわかるが、未経験のことをやらされてブーたれるなんてのは小学生で終わりにしとけって話。そんな奴が子どもにキャリア教育なんてできるわけがない。
まぁ、そもそも部活を先生が(しかもほぼただ働きで)指導することの是非もあるけども。
いずれにしても僕は法務教官になってから水泳を覚え、それを含め、実質的に未経験の種目ばかりを指導することになった。大半の新人法務教官が似たような状況だ。
それぞれの種目で大会があり、職員チームも参加して子どもたちと真剣勝負。水泳や長距離走は数合わせ程度の戦力だったが、フットサルとバレーボールは毎年きちんと活躍して、大会を終えると僕の株価も上がってた。
というのも事実だろう。
でも
最初からよかったわけじゃない。実際、昔は泳げなかったわけだし。大学でダンスやって、運動神経もよくなったんだと思う。
ま、いずれにしても未経験の種目を指導することになり…そして大抵の場合、僕が指導したチームがトーナメントの決勝まで残っていた。
泳げない子が泳げるようになるし
長距離走大会も優勝することが多い。
僕はスポーツにおいてはプレイヤーよりも指導者の方が活躍できる気がしている。
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2.無意味と感じてやらなかった伝統的な練習法
バレーボールの基本的な練習に「円形パス」というのがある。みんなで円になってパスをつなぐシンプルな練習だ。
バレーボールは一人が連続して2回触ることのできないスポーツだから、パスは最重要のスキルだし、チームワークを育むにも有効な方法だ。
少年院に来る子は基本的に社会性が低い。協調性に欠け、他者と信頼関係を築くことも苦手だ。
だからこそバレーボールを行うわけだし、円形パスはそういう意味でも有効。現場では指導期間中、どこの寮でもこれをやっていた。
円形パスをやる時…僕以外のすべての先生が、「みんなで声を出して数を数える」というルールを課していた。バレーボールは試合中の声かけも重要なスポーツだし、チームごとに分かれて練習する際には対抗意識も芽生えて古典的だがそれなりに有効な方法ではある。
が
僕はそれをやらなかった。
デメリットの方が大きいと感じたからだ。
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放デイのスタッフをしながら、わが子の非行に悩む保護者からの相談に応じたり、教員等への研修などを行っています。記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。