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自分の価値観を外せるかどうか…が大問題(70)

1.「女としてのしあわせ」を押しつける母

結婚し、子どもを産み、母として生きる…

それがしあわせの1つの形であることは事実だ。

それしかないわけじゃない。

でも…

娘にそれを押し付ける母親がわりと多いように感じている。

仕事に精を出し、結婚意欲はなく、独身生活に充実感をもって生きている娘を「いつまで経っても結婚しなくて…」と苦々しく語る母親がわりと多いのだ。

母親になりたくない人が母親になったところで、本人も子どももしあわせになれるとは限らない。むしろ…恐らくは「なりたくてなった母」より虐待や産後うつのリスクも高いのではないかと思う。

(もちろん、なりたくてなった母親だって、うつになる可能性はあるし、虐待のリスクもある。あくまでも体感的な比較の話だ。)

虐待やそれに伴う愛着障害…。
生きづらさの大きな人生を歩んで社会生活にも苦労する…。

福祉が充実したこの国では、それでもなんとか生きていけるから、結局そうやって「生きづらい親」が増えて子どもが苦しんでるんじゃないだろうか。

妻になり母になった人生を、自分がしあわせだと感じているからとて、それだけが女のしあわせだと思って娘に押しつけるのはいかがなものか。

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2.自分の経験をもとに友だちや行事を押しつける親

青春とは、大半の人間にとって「勉強」ではない。

学校は教育を授けるところだが、人生の充実度に大きくかつ直接的に影響を与えているのは教科教育ではなくクラスメイトや行事の方だ。

それは僕自身にも当てはまる。

高校時代の記憶はその大半がバスケ部に関するものだし、自ら望んで入った大学ですら学問とダンスの思い出は半々か、それ以上の割合でダンスに占められている。

友だちや行事や部活…

要するに「仲間と過ごす時間」こそ、多くの人にとっての青春の代名詞なのだろう。

でも…

だからといって勉強が無意味なわけではなく、勉強によって得た知識や能力は仲間と過ごす時間を下支えしている。

そして…

仲間と過ごす時間が必ずしも万人にあるわけでもなく、またそれを望まない人もいるのだ。

発達特性ゆえに集団行動ができない人もいる。様々な事情で人とうまく関われない人もいる。

それ自体も、もしかしたら哀しいことなのかもしれないが、なんにせよ現時点でそういう状態の人に、仲間や行事の大切さを語って無理やり参加させることは、子どもに苦痛を強いるだけだと僕は思っている。

踊れない人間を無理やりステージに立たせて「ほら、いい思い出になったでしょ?」と言うようなもん。…なるわけがない。

わけもわからず練習に参加して、なんとなく一体感を得て、緊張しながら本番を迎えて仲間と達成感を共有する…。

それは練習に参加できる人間だからできることであって、ステージに立てば無条件に得られるものではないんだ。

わが子や教え子に仲間と過ごす時間を強要する大人は、自分の美しい思い出だけしか見えていない。自分にだって恥をかいた経験や苦痛でしかたない時を過ごした経験があるはずなのに…。

自分とは異なる条件で生きている他者のことを、きちんと慮ることができないのだろう。

教育者・支援者として働いてる人の中にもわりかし多い気がしている。

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3.キャリアで若手にマウントを取るバカ

昨今はこういう男も増えている。

アホじゃないかと思う。

自分にだって初任や若手の時があった。

今自分がエースとして活躍できてるのだとしたら、その遠因は初任・若手時代にあるはずだ。

僕の経験上、将来エースになる奴の大半は初任の頃からその片鱗を見せている。もちろん成長曲線は人それぞれで、どこでどんなカーブを描くのかはみんな違うから、初任の頃鳴かず飛ばずだった人が、何かのきっかけで飛躍することはある。

初任の頃から凄みのある人も、学生の頃からすでにそこらの若手社会人を凌駕する力のある人間だって世の中にはいる。

にも関わらず、経験年数だけを理由に若手を否定し、自らの力を年数で表現してマウントを取るバカが世の中には結構いる。

経験年数によって得られる資格などが重宝される業界では特にその傾向が顕著だ。

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4.まとめ

なんにせよ…

今の自分がどうやって形成されたか…ということと、それをそのままなぞれば目の前の子がしあわせになれる…ということにはまったく論理的なつながりがない。

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こんにちは!へいなかです! 非行少年の地域定着支援を仕事にするべく、経済的な基盤をつくるためにアレ…

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放デイのスタッフをしながら、わが子の非行に悩む保護者からの相談に応じたり、教員等への研修などを行っています。記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。