狩り

放たれた猟犬が潜む獲物を
救いへと狩り立てる
開かれた空は優しく手を広げ
削ぎ落とされた最後の熱を
その透明な胸に招き入れる

命の驚きは地へと吸い込まれ
喘ぎ 忠実な友は為したことを知らず
示し得るもっとも確かな純粋を
自ら証ながら 跳ね回り
砕けた石で肺を満たす

遠くから鐘の音が聞こえる
歩む毎に草木が茂り
光は眼から解けていく
掻き分け進む爪は朽ち始め
放つことのできない軌跡が
あらゆる名から漏れ出でた

恐れと共に どれほど断片に刻んでも
かつて在った戸惑いを見つけ出すことはできない
それがここに生きる唯一の理由であるように

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