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オリジナルグッズ販売に本腰を入れる。

会社勤めをしながらデザインした雑貨を販売している私が、作家活動を続ける上で、「これをした時に活動が以前よりも本格化したかもしれない」と感じている事を書こうと思います。
前提として申し上げたいのは、専業作家ではない私が仕事をしながら続けている活動である、と言う点です。生活を支えられるような収入ではありませんが、少しずつ利益を出して5年以上続けています。
なので、決して「私はこうして売れっ子作家になりました!」と言う成功体験の記事ではありません。
「趣味としてものづくりをしているけれど、もう少し本格的な活動がしたいな」とお考えの方には、ちょこっと参考にして頂ける部分があるかなと思います。
今回のカバー画像は、文字デザインをし始めた頃の、まだ活動内容が定まっていない時の作品です、お恥ずかしい。

明確な目標を定めた

今にして思えば数年前はただ「楽しいから」と言う理由で活動をしていました。
それが原点にして一番大事なことではあります。
それを根本に残しつつ、更に活動の幅を広げたい!と思った時にいろいろなものに対して明確な目標を設けました。

確定申告しなきゃいけない売り上げを出す

イベント出展時の売り上げが、出展費とレンタル備品代でトントンだった頃に抱いた目標がこれでした。
金額で言うと純売上年間20万円、本業の稼ぎがある為私の場合はこの価格です。正直、趣味の範囲で楽しく活動するんだったらしたくない、しなくて済むならそれに越したことない確定申告をひとつの目標にしていました。
現在は無事達成し、ズボラな私は締め切りギリギリに処理しています。

一度のイベント出展で〇〇円売り上げる

イベントの規模により目標金額は変えますが、出展費や輸送費など諸々差っ引いた額を具体的に定めるようにしました。
何度か出展経験を経ないと適切な目標額を定めるのは難しいかもしれませんが、ものすごく消極的な額や無謀な額よりもギリギリ達成できるかできないかの目標を定めると、達成できれば成功体験になり、ダメだった時は「次回は何を改善しようか」と反省点も具体的に考えられるのではないでしょうか。

商品バリエーションは〇〇種類以上は作る

イベントにしても委託販売にしても通販にしても、商品のバリエーションが多いに越したことはないと思っています。
なので、キーホルダーは5種類以上、ポーチは3種類以上、などジャンル毎に何パターンの商品を用意するか決めています。
「自分はこの作品(商品)に絶対の自信があってこれを見てほしい!」と言う1点入魂主義の方はこの限りではありませんが、相当魅力的で奇抜な物でない限り、少ない商品数では自分のブランドの世界観を知ってもらえないと思っているからです。
以前お誘い頂いて出展したイベントでの失敗談なのですが、コンセプトがしっかりと定められているイベントだったので「並行世界に求められているのはこのコンセプトに沿ったデザインのグッズを出すことだ」と思うあまり商品を厳選しすぎて主催者様に「これしかないですか?」と言われてしまいました。
コンセプトを守る事も大事ですが、ボリュームをもたせる事も大事だったなと反省しています。

自分の作品ファーストの活動をする

前職を辞し今の仕事をし始めた頃、本当に稼ぎが少なく、何とか創作活動が生活の足しにできないものかとあれこれ試した時期がありました。もちろん経験値もないくせに大きく稼げるはずもなく地道に勤めを続けるしかありませんでした。
その時期の活動に決定的に足りなかったのは経験と知識、そして「自分の作る物を大事にする」と言う気持ちでした。

最初から最後までこわだりを捨てない

作品の仕上がりはとても良いのに商品を入れるOP袋のサイズが合っていなくて大きすぎたりくしゃくしゃだったり、はたまた陳列がただ並べるだけだったり、勿体ないですよね。
自分の場合は逆で、パッケージにこだわり過ぎて何が正解か分からなくなったりしてしまう事があります。
パッケージが凝っていれば良い訳ではなく、ブランドイメージに沿っているか、商品に対して適切なボリュームか、が大事だと今は思っています。
商品デザイン、仕上がり、パッケージ、そしてイベントや委託先店舗等の陳列までトータルで自分のブランドのイメージに直結するのだと意識するようにしています。
イベントのブース造りは未だに大きな課題です。
自分のこだわりとお客様の見やすさ、手に取りやすさを良いバランスで叶えられるディスプレイを模索しています。

何でもかんでも手を挙げない

ある程度作家活動をしていると、イベント出展や委託販売のお誘いを頂く機会があったりします。
それは駆け出しの作家からするととても有難く、どれもが良いご縁のように感じられます。
経験を積みたい、と言う方にとっては本当にそうだと思います。
しかし、決まった販路がいくつかあったりご自分で参加したいイベントを見つけている方にとって「良いご縁」ではない場合もあると私は思います。
「自分の作品を置いてくれるなら!」と言う気持ちを一旦抑え、そのイベントやお店が作家として掲げているコンセプトやイメージに本当に合致しているか、を冷静に考えるべきだなと思っています。
「とりあえず何でもやってみよう!」と言うスタンスをずっと続けていると、あれもこれもで肉体的にも精神的にもしんどくなってくるはずです。
それよりも自分の作りたい作品や世界観を大事に、そこに置かれると作品がより魅力的に見えるような場所を探していくべきだと思っています。

最後に

こうして挙げていくと、私にとって「確かなビジョンを持って活動する」と言う事が本格的な作家活動にとって大事だと感じているのがよく分かります。
作品の雰囲気や方向性にブレがなく作家の信念が貫かれていると、洗練されたブランドだなと感じられるのではないでしょうか。
ただそれは理想であって、個人作家が心掛けてすぐ実現できることではありません。
できちゃうすごい作家さんもいらっしゃいますが、きっとそこに辿り着くまでにいろいろな試行錯誤や悩み、失敗を経て得たものだと思います。
私は苦労も失敗もしないで済むならそれが一番だと思っているタイプなのですが、今後の活動の糧になるならそれも仕方ないなと受け入れようと心を入れ替えました。
最初にも申し上げましたが、これは決して「売れっ子作家の成功話」ではなく「会社勤めをしながらでも作家活動を続けようと思えた私なりのやり方」です。
いつかもっと有益な「これをやって人気が爆発しました!」と言う情報をシェアできれば良いのですが。



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