見出し画像

「花束みたいな恋をした」のハナシ

菅田将暉さんと有村架純さんW主演、『花束みたいな恋をした』。話題作ですよね。ネット上なんかでよく目にする感想は「カップルで行くと別れる~」とか、「今いる恋人をもっと大切にしようと思った」とか、もう完全に恋のお話。って感じですよね。

めっちゃ話題だし、坂元裕二さん脚本だし、で先日映画館で観てきました。記事公開が遅れたので、けっこう前となってしまいましたが…。

結構ネタバレを含みますので、まだ見てない方はネタバレ覚悟で読むか、そっとこのnoteから離れてください(笑)

いやー、もう冒頭のカフェのシーンから私はツボでしたね。「なんか、トレンディ~」って心の中で叫びましたもん。現実ではおそらくありえないんだけれども、フィクションの世界ではこういう偶然が起こるのよ!菅田将暉さん演じる麦くんと、有村架純さん演じる絹ちゃんが互いに別のカップルとしてカフェを訪れていてって時点で、もうそんな偶然起こるわけないのに!でも、こういうのがフィクションの、特に恋愛物語では面白さを引きたててくれます。個人的に、リアルな恋愛モノよりも誇張とか演出が多めのほうが恋愛系に関しては楽しめるタイプです。

この映画でいい味めっちゃ出してくるのが、なんといっても2010年代の日本のポップカルチャー。天竺鼠、今村夏子、宝石の国、ゼルダの伝説、ゴールデンカムイ…etc. 主人公の二人は、ポップカルチャーをこよなく愛していました。ポップカルチャーが二人の交際に一躍買ったと言っても過言ではありません。しかもこのポップカルチャー、いわゆるメインストリームで売れているのとは、少しだけズレているもの(いわゆるサブカル等)。サブカルなんかが好きな人には、恋愛映画としてだけでなく、そういった面でもツボに入る映画なんじゃないかなと思います。

あの押井守が出てきたときには、思わずフっと笑みがこぼれました。

麦くんと絹ちゃんの大好きなカルチャーは、二人の交際のきっかけでもあり、二人の気持ちのすれ違いを表現するのにも一役買っていました。

なんか、ありますよね。友だちor恋人と、好きな漫画の話で盛り上がり、いつの間にかどちらかが読むのをやめてしまい、同じ話題で盛り上がることができなくなってしまうこと。私が実際にあったのは、ONE PIECEでのことでした。友人は、最新刊のコミックスまで追っているのに、私のほうは新世界編に突入したところで止まってしまっています。一緒になにかに夢中になることができる存在って、貴重なんだなと再確認させられました。

麦ちゃんは、今村夏子さんの新作を読み、麦くんにも勧めます。しかし、麦くんのほうは、仕事のことで頭がいっぱいでそれどころではありません。初めは二人で進めていた、ゼルダの冒険も、いつの間にか絹ちゃんだけがやるゲームになっていました。ゴールデンカムイだって麦くんは途中で、止まったままです。

どこのシーンだったのかは忘れてしまったのですが、二人がベッドに入り眠りにつこうとしているときの会話が印象に残っています。

麦くんが絹ちゃんに対して、「またなんかしてほしいこと(やってほしいこと)ある?」と聞きます。絹ちゃんは、少し考えてあそこの電球が切れてるから替えてほしいなーのような回答をしていました。私はこのシーンで、絹ちゃんは、たぶんそういう風に言ってほしいわけじゃないよ麦くん!と思いました。一緒にやる、ことが楽しい。のであって何かをしてほしいから一緒に居るわけじゃないよ!心の中で叫びました。こういう部分に価値観の違いであったりが表れてくるんですかね…。なんか恋愛の難しい部分や切ない部分が凝縮されているように感じました。同性同士であっても、価値観が合う人なんて滅多にいないのですから、難しいなあとしみじみ。

いやー、この映画、見終わった後の心の満足感がすごかったですね。恋愛を一つ経験したような気持ちでした。恋が始まるときの高揚感から、恋が実ってからの充実感や、幸福感。恋が終わるときの喪失感や、なつかしい時間を想う気持ち。本当に、多くを感じることが出来る映画でした。また、ちょいネタも、所々に散りばめられている様子が、サブカル好きな方には刺さるんじゃないかなとも感じました。

こんな一般人の、映画の感想最後まで読んでいただきありがとうございます。また、観た映画のnoteでも書きますので、次回も読んでいただけたら…

ぱーしー。









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?