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物語

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2021年7月の記事一覧

ピザ

何だか母はグータラしてる 猫を膝にグータラしてる 父はいつもよりウロウロしてる 時間がわからなくなっているのだ 姉はもう電話を取った 何も決まらないから もうなんか適当なんだ なぜアイツがいつの間に 先陣を切っているんだ? 家庭には違和が潜り込んでいる だから切り分けて家族をしているんだ みんな同じ形してるし、同じ味がする アイツと同じものをアイツと食ってる 一部を取り込んで、取り外して 一番食らうはずの親父があんま食わねえ コーラばっか飲んでグータラ 残したら冷凍して朝

Nameless

眠る日々に笑いかけながら おやすみと肩をポンとたたく 青空は晴れた印 朝露は煌めき 見たことないほど澄んだ日 嬉しそうに犬はマーキング アイミスユー いうほど簡単じゃないのさ 英語で騙くらかせやしない 君が傷つく寸前に 気づけなかった言葉は僕 月にお土産買って行って

夜は退屈

誰もいない部屋で踊っている 誰もいない部屋で歌っている 夜は退屈 僕は窮屈な 暮らしの中にただ埋まっている 誰もいない街を望んでいる 誰もいない国を焦がれている 夜は退屈 日々は採掘さ 光の中でただ踠いている どうにかなりそう どうにでもなれそう どうにかなろうよ どうにでもならないと どうにかなるのよ どうにかなっちゃえ

終わらない旅を知らせて 大きな意地悪をした気分 隈なく探す穴の底 見上げる空は穴模様

うつろい

記憶に内蔵されている いくつかのボタンを動かして 新しいリズムのサンバを踊りたい 目隠ししてる間にサササっと 世界壊滅して復旧して 世界一巨大なスーパー作りたい 青くて美味しそうなうちにこの星は 大切な命をたいらげてしまうよう スーパーナチュラルな街 スーパーナチュラルな君 永久不変の約束なんてするんじゃなかった ある程度ありえるぐらいの災難を 覚悟の上愛し合っていたい

お祭り

にわか雨が 通り過ぎた夏 傘越しのキミが 淡く滲み光る ずっと待っても 無駄なんだろう どうせ 季節の変わり目には 思い出すのだか 最悪はいつも 僕らの中を 残酷なまで 優しく通り過ぎて タイムスリップしても 何度やっても 結末は同じ そうわかってるんだよ

小宇宙

ドライクリーニングで世界は一気に落ちて そこに星を敷き詰める、世界は いつの間にかほつれた糸の先に 丸まってやがて尖って丸まって

尾道

その夜の麓でうごめくそれは 猫だ猫だと女子がはしゃいだ 猫はどこだと探して歩く 片手にアイスで片手にポリ袋 猫は出て来ず姿形は 夜の袖へとサササと消えた 或いはそれは猫ではないのか 片手にナイフで片手にゴミ袋 大人の男が立ち去っていった 彼女や彼にとってそれは猫だった 例えばそれが猫でなくとも

ぷろむなあど

口より先に手が伸びる 鼻先ゆする春を待つ 人より人のふりをする 近場のコンビニなぜ消える 少なくならない日数を 指折り数えて確かめる 窓の向こうに敵がいる ガラスで嘘をコーティング 耳の中から水が湧く 雪の降る夜にそれを知る 永遠違いを見破られ タイムスリップあきらめる 未来をエディション 未来をエディション 大きな波から顔を出して 未来をエディション 未来をエディション 砂漠に種蒔く無駄を許して 未来をエディション 未来をエディション このままどこか知らない街へ