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なんか変

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なんか変っぽいうたをまとめていきます。
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#音楽

経験不足

知りたいこと 知りたいけど 図書館は嫌いなので 身を削ることにします 楽な方法を実践します 頭蓋骨がモロくなるなら 脳味噌を硬くすればいい そんなこという人は 普通じゃないんだ アスファルトに突っ伏した 物体 生き物の気配がまるでしない 「Dead? or Alive?」 一人は恐い 二人は辛い 三人以上は吐き気が凄い だから私は部屋の中 冷房の効いた 部屋の中 ガラス ブチ当たって 死のうとしている 蛍光灯に焼かれて 死のうとしている 危険に近づいて 死のうと

ほくそ笑め

ボックス

理由を問い詰めるとなぜか 開封されていく箱の中から取り出した 無数の?形状のすばしっこい虫たち 「よく考えない方がいいな」とかいう 咄嗟の思いつきたちを繁殖させたなら 私ではない人たちの思考をかいくぐるも 敢えなく撃墜されたむなしき空の途中 そのせいかグルリと360度巡って いつもの場所に戻されていたことに気づく その軌道の合間にできた空きスペースにまだ 先ほどの虫たちのざわめきが聞こえるが

月の別称

年甲斐もなく滑り落ちる 笑顔を恥ずかしげもなく 大人になれば滑らないと 滑る直前までは思ってたが それまで背負ってきた期待や 意味のない責任の夢想が どうやら背中をさすさすしたら くすぐったくて飛び出したようだ それは言い訳にすぎないのだが ともかく彼らが笑っているそれと 彼が感じている幸福感は別物で 真逆と言ってもいいぐらいに 距離があり離れているのだ そんなこともう忘れるぐらい 年を重ねた時のことを想像して それらを思い出に足らない スライドショーにできないか

軟弱

いつか来た道を忘れるから 不幸の軌跡は辿らずでよい さして差のない風景らは 幾度なく巡りつかれても良い

and land blues

身体能力信じすぎている系の 私たちの強がりたちよりも 簡単レベルの上げ下げゲームが ようやく終盤って差し掛かる位置 悪い予兆を無視した報いなのかな なんてことは遠く世界の果て and land blues 50インチのテレビジョンから スパークしながら流れる映像 古い脳すり替える隙間に 落ちかけ這いつくばって NOW

天候不順

見て欲しい部分、そうでない部分 大気の変動、感じる、積もる、そして 流動的な一因から溢れる連続、 それをまた性懲りも無く

悲しみがうるさくて

殺しかけた夢の胸ぐら掴んで 「並ばなければもらえない」 ということを伝える 「誰が誰にモノ言ってんの」と 自分以外のαとβに 弾け飛ぶ前の首に向けて 耳打ちされているようだ

ふたり

自分がグレーでも誰かがピンクであれば 世界は通常通り継承されていくかと 思えば実はそうでもなくって いつまにか逆転していたと気づく夜 私のグレーは近所をぐるりと彷徨って また朝方には戻ってくるのだろう 思えば長い年月を支配したこの2色は 総合するとグレーが広範囲を占めるのだが 圧倒的にピンクが塗り替えしてしまい その印象が常に強烈であるがゆえ そちらが世界の中心軸にされがちだ でもよく考えてみてくれたまえ うすぼんやりとしたグレーたちがその ピンクの輪郭からそとを埋めていて

正方形について

このままではどうだい それでもまだいいかい 黒い私に構うなと手を引いて 最悪の間違いや その繰り返しを今や ライフワークと呼べるようになって その背後をただ 漂うようにそれらを 四角に包んでいた

施工する奥歯

紫色になっていく団地の窓で あなたはカーテンに巻かれて ホワイトアスパラ苦手だった 幼き日のベーコン巻き 思い出す 稚魚たちがざわめく夜の池を 2人は通り過ぎていた 大人になったらまた逢えると 世界の広さを見誤ったり 頭の内側から破裂する そんな恋に憧れてあぶれて どこ向きの風が吹いたのだろう 私は動けなかった 柔らかな場所に座りながら世界は 少しずつ空気を失っていく あなたは噛み砕いたそれら全部 隠さないで一重瞼 この海が枯れるまで

誤情報

誤情報誤情報 隙間なく詰めて立てる塔 階段ないから降りれません 誤情報誤情報 冷たくなるまで美味しい余熱 苦し紛れに滞空していたい 誤情報誤情報 差し出す両腕どこの馬の骨 これより先は存じ上げぬぞ 誤情報誤情報 ドラッガーよろしく悪魔の魔法 狭くなる脳びちょびちょに湿る

裏表

真空に生きる新しい生き物たちを 優しいタッチで描いてはいけない 心の無い生き物たちが それに心を塗布してしまうから 古びぬうちに時々でいいから 視線を与えてみるぐらいでいい 意識を飛ばすだけでもいい 寄り添うような真似をするより 疎かにしてあげてほしい

空気のように

空気のように話す人 その目はまだ虚空の中 澄ました笑顔は氷の中 浮かんで透けて見える様 あっち向いてホイ あっち向いてホイと 言えども視線は真正面 遥か昔につながっている 穴に声を発するような 途方もない時間の空虚に いつの間にか虜になる