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なんか変

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なんか変っぽいうたをまとめていきます。
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2021年8月の記事一覧

月の労力

満ち足りかけたりするのも楽じゃない 途方のない労働は自然の1つで その中にとても美しい営みがあるの

益荒男

悪の上に成り立つ正義を いつか認められるのだろうか 悪の上から正義に降りても 正義の上から悪に降りても どっちも悪に感じられるのは 悪が黒っぽいイメージなだけで 本当はそんなことなくない? みたいなことが通用する年になるまで あと60年は必要かな

囮たち

換気口は出口でも入口でもないから 餌でおびき出そうと頑張っても どうせ何にも出てきませんよと でもキミは真剣な顔で今日もお湯を沸かして 野菜とチキンで出汁みたいなものを作って それをおびき出そうとしているようだ 私はテーブルで注意深く野球中継を観ながら ホームランで沸く瞬間を見逃し続けながら 毎日を暮らし続けるのは嫌だなあとか つまらない不安を肴にしながら キミの背中をずぅっと観ながら 昨日と同じでも少し違う気がするその背中は 若い頃と違って汗が滑りにくくなっていて 夏は買い

JOY&DO

あほバカまぬけで始まる会話 打たせたピッチャーの誇る笑みや 屁理屈上戸で出し抜く深夜 カラダは火照って砂漠の最中 宇宙規模の想像は愚鈍なマヤカシ ああーあくびの数を数えてる暇や 偏屈な思考を誘き出すイラツキも 出逢ったことないラブストーリーから 引用したアレコレなんかも全部 若さゆえと慈しんでいたあの頃 懐かしいってよりもヘビー 楽しいからやってみな 楽しいからやってみな 呪文、ではなくてそれは暗示 楽しいからやってみな 楽しいからやってみな 教訓、というよりも透明な過信

〆切り

すべてに〆切りをつければいい そうすればクリエイティブは終わって 毎日ぐっすりね すべてに締め切りをつければいい 私たちだっていつかは終わるのねと 手をギュッと すべてに締め切りをつければいい 思考は緩やかなカーブを経てFIN 過去は景色 すべてに締め切りをつければいい どれぐらい先延ばしできるのかと 未来は曇天

かくし芸

朝にかけたテーブルクロス さっと引き抜いた人は誰? 夜に起きたらベットカバー サラリと引き抜かれてた、誰? 街を歩いたドランクンタウン 隙間の風をするり引き剥がすの何? 老いぼれやがてファーストデッド あっちに続く板ひっぺ返すの、やめて。

moon wave

月並みの夢を月並みの夜に見て 月並みの海や月並みの山を見て 月並みの船と月並みの馬に乗り 月並みの国で月並みの妻を娶り 月並みの恥に月並みの罰を受け 月並みの生が月並みに無に帰し 月並みではない人生でしたと 月並みに涙を流すのだろうか

WORST BOY

風邪をひいても半ズボン 風邪をひいても半ズボン 風邪をひいても半ズボンが 堕ちた雀を介抱している

借金

心に積もる憎しみを 月々いくらかで立て替えて 割と優雅な暮らしがしたい 怖い人がノックするまで

倍倍ゲーム

死なない構造 編み出した劣等 絡みつく妄想 指示なく滑走 障壁頑丈 例のない現状 モグラの変装 光への脱走 ポップなふりして今日も 同じ服を着ている風(ふう) 選ばれなかった結末を セラミックス加工中 へにょへにょしてるね 輪廻だけ 倍になる

シュウトと読むこの文字を 知らずに過ごしたサンジュウ数年に 一つも後悔はなかったし 誰にも迷惑かけもしなかったのだ そういうものがこの世にたくさんあって 私は今も見つけられずにいる それがもしもニジュウ数年の時に 知っていたならば違っていたのにと 僅かな後悔に悶絶することも きっといずれはあるのだろう その後のヨンジュウ数年後にまた そんなことがあったときには だいぶ脳が弱くなってしまっていれば きっとたくさんラクなのだろうかと

カレーは食べない

カレーは食べない カレーは食べない カレーはもはやトラウマだから スパイスてかもう劇薬だから カレーは食べない 分断した悪夢に陸が浮上する カレーは食べない 最強の敵が味方になってしまったら カレーは食べない カレーは食べない 実家に帰って食べてしまった カレーの涙に溺れ死ぬ夜

ダンス

誰かに怒られそうな適当なダンス あなたはかっこいい 誰かに笑われそうな適当なダンス ほんとにかっこわるい

Dirt

君は何度も眠れないよと嘆く そばにいてくれと不安げに呻く 弱い皮膚の部分をさらけ出して 燃えるような声で呪うように謳う