挫折とは

私は今まで挫折をしたことがない。

留学をする前までそう思っていた。


私の中での挫折の定義はなんとなく、「すぐには立ち直れないほど辛く、苦しいもの」だった。なぜか挫折は長期間何かと闘い続けることだというイメージがあった。

そしてそんな挫折を経験したことがない私は、自分にはこれまでの人生で胸を張って頑張ったと言えるものがないと思っていた。


留学生活を振り返ると、宝物のようにきらきらした思い出がたくさんある。
書いていたらきりがないくらいだ。
しかしこの8か月間で一番思い出に残っているものは何かと聞かれた時、一番初めに頭に思い浮かぶのはなぜか、楽しい思い出ではない。


留学5か月目、今まで一緒に過ごしてきた友達は先に帰国してしまい、私の留学第2章が始まった。
レベルアップした新しいクラスに新しいルームメイトやお友達と、環境ががらりと変わった。
そんなある日、私はほんの小さな出来事から自分に自信を無くし、英語を話すことが怖くなった。

このような停滞期は留学中に何度も訪れていたため初めてのことではなかったが、5か月目のこれが一番辛かった。
自分の成長に焦りを感じて自分を見失っていたのだろう。

しかしそんな憂鬱な気持ちはその日限りのことで、次の日にはいつもの自分に戻っていた。

今思えば、この経験は一つの挫折だったのではないかと思う。
苦しんだ期間なんて関係ない。
苦しみを乗り越えて自分は確かに強くなれた。

これまでの人生にも、自分が気づいていないだけで挫折はいっぱいあったのかもしれない。と言うよりも、挫折をしている、頑張っている自分を認めたくなかったのだ。そして努力が足りないだけだと思い込ませていたのだろう。

でも私はもう知っている。
人は挫折を繰り返して強くなれるということを。

たまには頑張っている自分を認めて、褒めてあげよう。



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