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死んだ人間を数えると、今生きてる方が「少数派」

最近買った「インベスターZ」も、僕の大好きな「賭博黙示録カイジ」も「銀と金」も口を揃えて言ってたけれども、


「生きてる人間は押しなべて尊くて、平等」なんて幻想。


ちょっと考えれば、この意見を感情論以外で反論するのは難しいと分かるはず。

念のため説明するけれども、世界的に見れば勝ち馬である「日本」に乗ってる皆さんは「基本的人権の尊重って素晴らしい」とか言うけれども、今こうしている間にも僕らで言う数百年前の時代を過ごしている内戦真っ只中の、中東の国の一般市民が可哀想だからといって、代わりに武器を取って戦ったりすることがあるでしょうか?

しないでしょ。僕もそうおいそれと出来ません。

でもだったら、皆さんの言う平等って何ですかって事です。


また、そういう内戦を好んで仕掛けている人たちの命と、何の罪もないのに只それに巻き込まれるしか道のない人たちの命って、どっちも等しく尊いんですかね?

生きてれば皆尊いってのは、ちょっと現実逃避過ぎやしませんか。

感情論で綺麗事を言ってれば万事良しじゃダメですよ。


でも、今日言いたいことはそんな事ではないです。

僕がそうであるように、どうしたら今すぐ分厚い歴史の軋轢に巻き込まれた人たちを救えるかと問われれば皆さん明確な答えを出すのに窮するでしょうし、その歴史を遡れば分かるように、悲しいかな誰しも圧倒的な失敗経験を経ないと正しい道に辿り着けないものなのです。

前回の記事(「良き"屍"となれ」)にも書きましたが、とりあえずそういうわけで僕たちはまだまだ道半ばだと言うことを念頭に置いておいてください。

そうして、「ただ生きているだけというのは、消耗するだけというのは、ちょっと申し訳ない気がするな」という気持ちを心の片隅に持ってほしいのです。


【使えるものは全て使う】

僕とあなたの違いは何でしょう。それについて僕は(「フィルター」)で言いたい事は言いました。

答えは、「経験」と「遺伝」です。

遺伝は生まれた時に手に入れた物。そこに経験を加味したものが独自の言葉で言うところの「フィルター」でした。

今さらりと「遺伝」と言いましたけれども、一体その個体にどれくらいの希少性があるものか想像出来るでしょうか?

ありきたりな例ですが、先祖の数を数えてみましょう。

n世代までの総数は「2^(n+1)-2」で導き出せます。

2世代前までなら父母と父方の祖父母、母方の祖父母で2+2^2=6人の先祖。

3世代前までなら父方母方の祖父母の父母を含めるので2+2^2+2^3=14人。

10世代遡ると、2+2^2+2^3+2^4+2^5+2^6+2^7+2^8+2^9+2^10=2046人。

20世代遡ると、2097150人。30世代遡ると、

2147483646人(21億4748万3646人)…

まあここまで行くと、結婚制度もくそも無い時代背景が色濃くなってしまい実際の数値とはさぞ天と地ほどかけ離れたものでしょうが、延べ人数で言ったらこれだけのご先祖達が私達自身の出生に関わっていて、もっと言えば遺伝を形成しているのです。

億単位のご先祖が作ってくれた今を、文字通りどの様に生かせば良いでしょうか。

少しはイメージが湧きますでしょうか。


【1080億】

この数字の意味するところが分かりますか?

一説によると、この数字は「これまでに死んだ人間の数」らしいです。

先程の「先祖計算」のスケール感からするとインパクトは薄いですが、多いと言えば多いか。

かたや僕たち「生きてる人間」なんて70億人っぽっちです。1080億人も死んでいると知ったら、生きている方が不思議なくらい。

こうなるといっそ死ぬのは怖くなくなるかもしれないし、わざわざ大多数に埋もれる為に自ら死ぬのは癪だなと思うようになるかもしれません。

何はさておきもう生きていない1080億人と、今を生きている僕たちを含めた70億人が今この瞬間の世界。

学問の世界でも、建築物でも、ああでもないこうでもないと過去の1080億人が皆で協力してきた結果、出来た世界です。

いや、それはちょっと綺麗事を言い過ぎましたね。実際はもっと想像以上に血塗られた歴史だったと思います。

もし本当に1080億人が世代を越えて一致団結して全員で良い世界を作ろうとしていたら、僕たちは今の比じゃないくらい高度な文明を持っていて、もっともっと素晴らしい世界に生きていたことでしょう。

そして、今生きている70億人の中で、高度な文明の思想と利器を持ち、自由に考え、学び、研鑽出来る人間はほんの一握りだと知りましょう。

それが、僕でありあなたです。

今この瞬間が、いかに歴史的な歴史の転換の好機なのか、1080億と70億の数字から感じて欲しいと思います。

(つれづれ"Day of the Dead")

読んでくれてうれしいです。