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Dare#4 「デラウェアのニューウェーブ」|RU$H&JAY NiCEについて

今回は、デラウェア州出身のリアルカズン(従兄弟)デュオ、RU$HとJAY NiCEについて紹介します!

これまでのHip Hop勢力図では馴染みの薄いデラウェア州ですが、アメリカで最初に州として認められた"ファーストステイト"として、ニューヨークやフィラデルフィア、ニュージャージーといった都市部に連なる、東海岸の中部に位置しています。

デラウェアは小さな州でレコ屋等もほとんどなかったため、音楽活動を行う上ではあまり恵まれた環境とは言えず、ブーンバップ勢は特にインターネットのプラットフォームの発展によって、徐々に認知されてきたようです。

そんな未開拓エリアで、それぞれの才能をアート(音楽)に昇華させてきた、2人のMCの背景について触れていきます。

RU$Hのプロフィール

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"Fendi Don"ことRU$Hは、ファッションどおりのラグジュアリーでオシャレなトラックを好み、ハイセンス・ハイエンドなライフスタイルをラップで表現しています。

古めの西海岸・G-Funkノリのサウンドで、FabolousやMA$E辺り彷彿とさせる、ユルめでアンニュイなラップが特徴的です。

RU$Hに関してはかなり情報が少ないのですが、Thadd Williamsと出した「Versace Dinner Plates」という作品から知り、ピンプぽいギラギラした雰囲気がカッコよくて好きになりました!笑

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昨年出した、「Fendi Don」やNeakoとの「Supreme Fashion Raps」辺りも煌びやかでいて、耳触りも良くて最高でしたね。

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結構昔ですが、Vinny Cha$e辺りのノリにも近いモノを感じます。

JAY NiCEのプロフィール

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"Flair Jordan"ことJAY NiCEは、90年代の東海岸やWU-TANG辺りの影響を感じる土臭いトラックを好み、低めのシブい声質で、リズムの取れたフローが耳に残ります。(自らを、"Young Sean Price"ゆーてます笑)

ソロ作品は、黒めで尖ったブーンバップサウンドが中心で、コンセプト軸と芯の太いドープな作風が多い印象です。

近年出たこの辺りの作品はジャケもヤバいし、中身も個人的にかなりドツボです!(中々黒いので聴く人は選ぶかも笑)

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NiCEのHip Hopとの出会いは、5〜6歳頃に父親の車の助手席で聴いた"Gang Starr"だそうです。

また、若い頃にRU$Hが持っていた、GFKの「Supreme Clientele」やBig Punの「Capital Punishment」のCDを聴いて衝撃を受けたみたいですね。

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NiCEは、同じくデラウェア出身のMC、Left Lane Didonとも、"IMMOBILIARE"というユニットを組んでいて、2017年にEPも出しています。(GxFRのCONWAYやBENNYも客演で参加!)

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NiCEは元々、"BOE(Belly Of East) BOYZ"という地元のクルーに所属し、Leftは、Chris Skillzやテキサス州出身のAll Hail Y.T.らと共に"State City Back"というグループに在籍していました。

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この周辺は非常に仲が良く、制作も一緒に行う事が多いのでクレジットでもよく見かけますね。

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また、ONYXのFredro Starrに気に入られて、Leftと共にFredroの主催するドハーコーHip Hop集団、"100 MAD"(Dope D.O.D、N.B.S、Snowgoons等が所属)にも籍を置いています。

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ちなみに、NiCEとその周辺に度々クレジットされる"Kuji Young"というシンガーは、実の弟だそうです。

個々のソロ作品を聴く限りでは、だいぶ対照的な2人にも思えますが、そこは血族関係同士の所以か?共同プロジェクトでは見事な一体感を見せてくれています。

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"FAMILI"が描くデラウェア・アートの世界

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RU$HとNiCE名義での初の共同作品、「FAMILI」では、NiCEの好みっぽいゴツめなブーンバップとRU$Hのラグジュアリースタイルを共存させようとした意図が垣間見れます。

どちらかと言えばNiCE寄りかな?

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続く「FLY ART」では、説明不要のベテランMC、"Roc Marciano"と"Willie The Kid"をゲストに迎え、Jay Levison一色のムーディーなサウンドで統一されています。

この作品で、以降の2人の目指すベクトルが定まった印象を受けました。ネクストレベルな一枚!

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更に数ヶ月後には、「AN ALBUM CALLED CLASSIC」という自信満々なタイトルで、今度はアトランタの奇才、"Tha God Fahim"を招集。

この作品は、ほぼドラムレス(かドラム薄)で、雑味の抜けたSweetなグルーヴとそよ風の様な耳抜けの良さが余韻を残し、心地良い仕上がりに。

Fahimの得意分野全開になっているので、この組み合わせは「必然のClassic」といったところでしょうか。

フルプロデュースは、Wolf Wilson。

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そして今年発表された「FAMILI 2」では、「FLY ART」の雰囲気を引き継ぎ、1よりもアップデートされた続編として帰ってきました!

ビンテージテイストをベースに、現行クオリティ溢れる良質な一枚は、Statik SelektahやCookin' Soulあたりの音が好きな人の耳にも刺さりそうです。

Estee Nack、Stove God Cooks、Tha God Fahimらを客演に、現行アングラ好きのツボもしっかり押さえてます。

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また、2人の作品のアートワークはアトランタ出身の "FRKO(Freako Rico)"というアーティストが手掛けており、ポピュラーでユーモア溢れるカートゥーンタッチなデザインがたまらないです!

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FRKOは、Action Bronsonの「Mr.Wonderful」他多数のカバーデザインやアーティストのイラスト等も描いています。

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日本人プロデューサー、"Cedar Law$"の存在

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実は「FAMILI 2」では、"Cedar Law$"という日本人プロデューサーが3曲トラック提供していて、USプロデューサーと入り混じっても遜色のないインパクトを残しています。

Cedar Law$は、1996年生まれ・東京都出身のHip Hopプロデューサー。幼少期から父親の影響でソウルやブラックミュージックに触れ、2017年頃から活動を始めた、若き才能の原石です。

Jay Worthy、Vic Spencer、Avenue、Monday Night、Erv100等、USアーティストに楽曲提供を行っており、つい先日も、All Hail Y.T.の「Player Made」というアルバムのフルプロデュースやRU$Hの「UNTOUCHABLE」にも1曲トラック提供しています。(RU$H x Neakoの「Supreme Fashion Raps」にも3曲提供)

彼の生み出す音は、80's Funkっぽいノリにオーセンティックなブーンバップネタ、808サウンド、ドラムレスまで巧みに使い分ける技術と、幻想的で透明感のある、メロウな曲調が耳に残ります。自分は特にスネアの感じが好みです。

彼がRU$H・NiCEと繋がった経緯は、「FLY ART」を聴いた時に感じたフィーリングと、自分の表現したいスタイルが合致し、彼自ら連絡を取って共演が実現したそうです。

トラックメイキングの才能や行動力もさる事ながら、デラウェアのニュームーヴメントに日本人が参加している事自体が超HOTですね!

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art by.Dusty Doodlez

国境を越えて才能を認め合い、アーティスト同士が紡ぐ絆や化学反応が、新たな芸術を生む重要な礎となっている気がします。

RU$H&NiCEは「FAMILI 3」を臭わせるポストもしてますし、デラウェア・シーンがHip Hop史に名を刻む瞬間をこれからも目が離せないです!

P.S:最後に、以前から自分の記事を読んでくれていたみたいで、この記事の執筆にあたりDM経由で快く協力してくれた、Cedar Law$君にもBIG RESPECT!!

RU$H Instagramアカウント
JAY NiCE Instagramアカウント
Cedar Law$ Twitterアカウント
Cedar Law$ Instagramアカウント

peace LAWD.





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