結局「謎解きイベント/リアル謎解きゲーム」って制作費いくらで作ってくれるの?(2024年3月追記)
(2024年3月追記)
検索から来ている方も多いと思いますので、信憑性を高めるために自己紹介をさせていただきます。私は2011年から謎解き制作を生業としているたなかといいます。企業ではYTEという会社で謎解きプロデュース・制作を行いつつ、国際ゲーム開発者協会日本(IGDA)のSIG体験型エンタメ(SIGイマーシブ)にて副世話人を務めており、企業の枠を超えて業界の動向を観測しています。なので、自分の会社の営業アピールはそこそこに「謎解きを導入すれば大儲けできる/凄い集客ができる」などの幻想を持たれている方々に、現実的なメリット・デメリット等の実情をお伝えして、健全な取引を推進していくという活動をしています。弊社にご相談いただければ弊社でなくても合いそうな団体さんを見繕わせて紹介させていただきます。
で、この記事は5年前に書かれたものですが、相変わらずこの記事は多くの方に読まれているようです。近年の盛り上がりとともに「謎解きを依頼したいけど何もわからん」状態の皆様が密かに参考にされているようで、ご覧いただきありがとうございます。現在は制作の他にも様々な団体情報をとりまとめた体験型エンタメマガジンATOMOというフリーペーパーを発行していますので、よろしければ掲載ご検討ください。媒体資料はこちらです。
5年経って振り返ってみても、現時点でも相場は全体的に概ね変わりません。コロナの影響で一時期下落傾向はありましたが、それを経て価格はもとに戻ってきています。企業はちょっと高くなったかな…程度の変動がありそうです。ただし業界にも新人が増えてきたため、その新人にやらせる修行的な案件として安く請けてくれることがあるようです。まあ一般の人には新人が作ろうが熟練が作ろうが分かりませんので大丈夫ですが、コアターゲット向けだとすぐに見抜かれてしまうので注意。奴らは謎を見ればどの団体が作ったのか一瞬で見抜きます。
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(2021年12月追記)
この記事は2019年に書かれた記事なので表現等が当時のものになっていますが、メインとなる発注価格に関しては2年経った2021年末現在もあまり相場は変わっていないようです。各社発注元の皆様はこの記事をご確認のうえ業者選定などしていただけるといいかと思います。
制作会社の方はご連絡いただければ末尾の制作会社リストに追記させていただきますので何らかの形でご連絡ください。
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はい。
タイトルの通りの内容だけ見たい方は結構下の方にあるのでそちらをご覧ください。noteのページ内リンクの作り方がわからなかったので下の方にずずいっとスクロールしていただければと。
というわけで、何の気なしにnoteを見ていたんですが、1年前の下書きにある程度の文章が殴り書きされたままになっていることに気づきまして、ふむふむと一読した結果、これをこのままお蔵入りにするのもあれだなあと思いまして原稿を完成させようと思ったわけなのです。
まさに現代は謎解き戦国時代…と思いきや、まだまだみんな蓄えがそこまであるわけでもなく、クライアントコンペで競合することはありつつも、そこまでバチバチに競合対立するほどの体力や余裕はないわけであります。そこで聞こえてくるのは三者三様の未来へのビジョンやお金の使い方、一方で今月の食い扶持をどうするか、ちょっとだけ大きくなってきてしまった組織をどうするか、来年働き方改革法案施行されると回らねえな(中小企業の残業時間上限は2020年4月施行なので)、みたいな夢と現実がまぜこぜになって時と場合によって色んな感情が渦巻いていたりいなかったりする今日このごろであるわけです。
そこで今日は謎解きゲーム/リアル謎解きゲームってじっさいどれぐらい予算がかかるの?というところをまとめていこうと思っています。
ちなみにこの費用の予算感は2019年5月現在のもので、あなたがこれを読んだときには相場が変動している可能性がありますのでそのあたりをさっぴいで読んでいってください。
■費用項目を見ていこう
とはいえ値段だけを書いていくと単なるゴシップ記事に近づいていき、素性を明かして活動をしている僕にとって非常によろしくないので知見につながる情報も載せていかなければいけないなということで、まずは謎解きを制作する際にどういった項目があって、どんな具合に費用が連動していくかという部分について書いていきたいと思います。ちなみに実費用が書かれている場合は見積もり価格をベースとして書かれていますのでご承知ください。
◯企画費用
簡単に言うと企画書や各種資料を作る費用です。提案資料やスケジュール、ラフなど、実際に世の中に出るまでには大量の資料を作る必要があります。人件稼働費と関連性があるので、例えばこれは会社や業界によっては企画が途中で無くなっても企画費は請求するのが当たり前です。
フリーの制作者なんかは会社が費用を立て替えてくれることはないので、打ち合わせをするための交通費ですら自腹になるため「まずは打ち合わせを〜」とか言われて打ち合わせを重ねた結果企画がポシャるとその費用すら赤字になってしまいます。遠くの打ち合わせなんか行ってられるかみたいな感情はこのあたりから生まれます。
◯ディレクション費用
実際に制作を行うことになったとき、制作費用とは別に項目化されることもある費用です。制作のまえに全体の構成をしたり、原稿をレイアウトしたり、細かい調整連絡をしたり…という際の稼働費用です。
◯問題制作費用
問題を制作する費用です。問題数に応じて変動する場合としない場合があります。とはいえ、1問あたりの単価にしてしまうと「◯問で◯円なんだから5問減らして▼円になりませんか」みたいな値切り交渉があり「いや問題数あたりじゃなくてそもそも問題がそれぞれ絡み合ってるので単純に問題数減らしたら安くなるってものではなくてその数まで減らしたら減らしたで逆に作業負荷がものすごく上がるんですよね」みたいな説明に数ターンかかりますので、気をつけていただければ幸いです。
◯デザイン制作費用
デザイナーの人件費です。謎解きのデザインがとても大変なのは皆様うすうすと感づかれていると思います。デザイナーの立場からすると「このほうがデザイン的にいい!」と思って提出したのに「謎的に違うんでいうとおりにしてください」と跳ね返され、かとおもえば「ここはダミーなんで適当にいい感じにしてください」「これとこれをいいかんじに合わせるとこうなるようにしてください」と、急にファジーすぎる指示が飛んできます。
普通、デザインのお見積りはエンドレス修正を避けるため「修正◯回まで」のように上限を設定されますが、謎解きの場合は「バグがあると直さなきゃいけないので下手するとエンドレス修正」が避けられませんので、必然的に通常のデザイン費用よりも費用が高めに設定されます。
謎解きの意図を把握して適正に作ってくれるデザイナーさんはおそらく日本に数えるほどしかいないはず。足を向けて寝られませんね。
◯映像制作費
映像を制作する費用です。長さや工数によって費用が変わります。
◯小道具/大道具制作費用
イベントや公演で使用する物理的アイテムの制作費です。ラミネートや穴開きシート、掲示パネルや衣装、壁、装飾品など…使おうと思えばいくらでも上がっていく項目でもあります。規模感に応じて変動が激しいもののひとつです。
◯資材費
上記の小道具大道具費用と近いものはあるのですが、こちらは印刷物や鉛筆などの消耗品の費用です。謎解きの印刷物は「部数はそこまで多くないが種類が多い」ので実はそんなに安くありません。再演などで少部数を刷ったりすると、発注したあとに紙類の原価が高すぎることに気づいて呆然とします。
街歩き系のほうがホール型イベントのように1チームで1部ではなく1人あたり1部必要になってくくるほか、実際の参加者数も多くなる傾向にあるので、総額は高くなっていきます。
◯打ち合わせ費
打ち合わせにも人件費がかかります。たとえば1人月計算でいうと相場観的には60〜100万円らしいので、1日8時間あたり3万〜5万円、1時間あたり4,000円〜6,250円程度×人数ぶんの費用が発生します。また遠方の場合は拘束時間が長くなったり交通費なども発生しますのでそのあたりの費用になります。とはいえ企画が発足して見積もりを起こす段階では打ち合わせ回数なんて分かるはずがなく、実態と乖離しがちです。そのため別項目に合算されることもあります。
◯会場費
会場費です。大きな会場を押さえれば高いですし、小さな会場を押さえれば安いはず。ドームを借りれば1日500〜万、大きな音楽ホールを借りれば1日250万〜、会議室は1時間100円から借りられるところもあるようです。
会場費だけだとお手頃なように見えるのですが、付帯設備費が曲者。スクリーンや音響、映像、照明を使えばオペレーター費用が、ゴミが発生すれば処理費用が、マイクやパーテーション、椅子、机、ホワイトボード…。合算するとだいたい「会場費×2倍」が実際にかかる費用になります。
「映像はこっちのPAスタッフがmac1台から全部出してるのにそっち側2人もついて1日1人3万かかるのってなんですか一体何やってくれるんですか」みたいな話をして外してもらうことのできる会場もあります。
◯声優費/音楽使用料/原盤使用料
映像に使用される声優さんの収録費用と楽曲の費用です。声優さんの収録費用は基本的に言い値のほか、買取でない場合は再演を行うごとに費用がかかります。また、イベントに使用する音楽使用料としてJASRACは5分あたり850円税抜(1公演あたり4000円〜ぐらい?)で、その楽曲を使用するために使用するCDや、それに準ずる音楽媒体の原盤使用料として言い値の金額がかかります。
このあたりは少しややこしいんですが、音楽を使用する時は基本CDを使用して公演に使用するという建前があり、「作曲の権利(著作権)」と「CDを作る権利(原盤権)」は別物なので別々にお金を支払わなければなりません。
例えば扶桑社の「AnotherVisionからの挑戦状」に掲載されている松丸亮吾が作った謎のページをコピーしてイベントで使いたい場合、謎の著作権は松丸亮吾にあるので松丸亮吾の事務所に、ただ掲載された物の転載なのでそこの転載許可は扶桑社に、みたいな感じです。
出版系だったら多分扶桑社に連絡すれば松丸亮吾の権利処理はやってくれるんですけど、音楽の場合はその作詞家作曲家の権利がJASRACに委託されてるので個別に作業をしなければならないのです。そういう仕組みです。
◯スタッフ・司会費用
もちろん公演型には運営スタッフ、周遊型には販売スタッフが必要です。まあだいたい時給1500円(8時間以上は1,875円/時給+交通費+弁当お茶+税金+保険料など)と考えたとして、3ヶ月間土日で100人ぐらいの公演をやったとして、かかる費用を全部計算すると、8人×2万円×土日8日間×3ヶ月で384万円の費用が実費でかかります。チーフディレクターや司会、役者などはもっと賃金を高く設定していますので総額としては…もう…大変かかります。
人件費でよく言われるボランティアスタッフを募っているところもありますが、ボランティアである場合は「集合時間を含め具体的な仕事の指示を受けない」「指示があったとしても断れる」「労働者とボランティアが明確に区分されている」など、実際運用上はともかく原理原則的にはなかなか厳しい条件ぽいものがありまして、それを外れて運用していた場合「取り締まる人たちに見つかって刺されたらアウト」みたいな個別ケースに伴うチキンレースになります。これは大きくなったり有名になるほど見せしめとして指摘されやすくなっていきますので、僕のところではボランティアは禁止にしています。
その他、労働者じゃないので労働保険が適用できないとか、ボランティア本人にとっても有事の際はあまりよろしくないケースもあるので、ボランティアでスタッフ参加される方は諸々お気をつけいただければよいとおもいます。
◯保守費
街歩きなどで貼り紙が壊されたり、現地の状況が変わって問題を作り直す必要が出てきた際の保険としてお見積する費用です。
◯LINE管理費/WEB構築費
謎解きに使用するホームページやLINEの構築設定費用です。最近ではLINEが使われる謎解きも多くなってきましたが、実はLINEも使い方によっては実費の費用がかかりますし、さらに答え判定の設定などは実は丸一日かかったりします。WEBで判定する謎解きも月額のサーバー費はかかりますし、微調整などでもページを作り直す必要が出てきますのでそちらでも費用が発生したりします。
◯ブランド料
制作社/者として名前を出すことによる「安心料」です。例えば「◯人は動員できます」であったり「実績がこれだけあるのでクオリティは保証できます」などのコンテンツ面/企画成功面での安心や「(有名な会社なのでコンプライアンス的にアウトなことをすると新聞沙汰になったりグループ内で問題になって二度と営業ができなくなるので)変なことはしません」などの会社取引面での安心があります。これはもう面白いものを作っているだけではアレで、ひたすら積み重ね続けていかないと上がっていかない部分ではあります。
で、このブランド料というものは「ブランド使用料」として項目立てすると角が立つというか「おまえんとこのブランドそんな高いわけなくない?」とか「おまえのブランド出さなくてもべつにいいから安くして」と言われて何度も傷つくハメになりますので、制作費全体の費用に上乗せしていくかたちになります。
会社によっては、「名前を出す/出さない」によって制作費が安くなったり高くなったりします。これは会社によっては真逆で「名前を出すと会社のPRになるから安くします」という場合もありますし、逆に「名前を出す場合は(箔が付いて集客ができるので)ブランド料がかかるので高くなります」という場合もあり、会社の考え方によって異なります。
◯営業管理費用
営業さんや会社のバックヤードにいる総務の人たちの人件費です。だいたい見積総額の10〜15%程度がこの項目として一律計上されていることが多いの…かなあ。あなたの業界ではどうですか。見積書上では「この費用を弊社の利益として載せさせてください」という意味合いが強いと勝手に思っていますが、これだけが利益なわけないので、社内の部署間で売上を分けて計上するときになんやかんやされる…のでしょうか。あなたの業界ではどうですか。
◯出精値引き
ここまでいろんな費用を積み上げていったのですが、最終的には総額から値引きをすることがあります。これは打ち合わせなどで全体の予算感などを把握していたものの、まともに見積もったら高くなってしまったけどこの仕事は受けておきたいとか、そもそも受ける前提で動いている、とかそういうときに調整項目として使用されます。
じゃあそれぞれの項目を少しずつ安くすればいいんじゃない?みたいな話にもなったりするんですが、例えば謎制作の項目を●万円安くして見積もった場合、その次からその前例をもって当たり前のように●万円の予算の仕事になったりする可能性があるので「各項目は下げたくないけど全体としては下げたい」というときに便利です。
そんな便利な出精値引きなんですが、見方によっては下請法に引っかかる(不当な値下げを強要している)という説もあり、コンプライアンスが厳しい会社では禁止されているという話もありますので、各社総務にご確認いただければ幸いです。
その他にもいろいろありそうなんですが、そんなに長く書けそうもないので割愛します。
■謎解きゲーム/リアル謎解きゲームの制作費用はいくらなのか
というわけで、費用項目をざっと御覧頂いたうえで、あなたがクライアント側だとしたらこれぐらいの予算感なのかなあというラインをご紹介いたしましょう。会社の規模として「トップの会社」「中堅」「新興」「フリー」やら適当な言葉を使いまくっておりますので、適宜イメージに合う企業を想像しながら御覧ください。また、ベースの費用として記載していますが、もちろん案件工数や状況に応じて上下するので、まずは各社お問い合せするのが良いと思います。
「うちは違うよ!」というところもあると思うんですが、個別の例を取り扱い出すと記事としてまとまらなくなっちゃうので、そこはもうごめんなさいということで。
〜1億円以上〜
1億円かかるラインは「東京のいいところに常設小屋をつくる」「東名阪福札あたりの全国ツアーを依頼する」あたり…かなあ。とはいえこの作業量を受けられる会社は多くないでしょうし、この予算をご準備できるクライアントさんも現状ではほとんどいない気がします…。
〜2000万円〜1億円〜
業界トップの会社の企画の受託価格がこのあたりのラインになります。中堅の会社でもこのあたりの価格になることはありますが、その場合は展開規模や作業量、その他の施工費用が著しく多い場合に限られます。
〜500万円〜2000万円
ブランド費が高めの企業に公演モノを依頼したい場合や長期の街歩きを依頼したい場合はこのレベルになります。基本制作費に人件費や会場費、長期保守費用などが乗りますので、必然的に費用が嵩んでいく傾向にあります。もちろん公演モノの場合は会場や会期が増えるほど高額になりますし、声優やタレント費用など、その他の費用のほうが謎解きの制作費以上にかかる恐れもありますので、諸々調査が必要になってきます。
〜300万円〜500万円〜
ブランド費が高めの企業に、原稿・デザイン・資材納品だけを依頼したい場合の価格帯です。運用自体は自分たちができるので、コンテンツとして謎解きコンテンツやマニュアルを提供してほしいという場合などです。この価格帯ですときっちり担当者を付けられるため、謎解きの題材となるもの(施設やアニメとかゲームとか商品とか)のブランド力が高い場合はこのあたりの価格帯の企業に依頼したほうが安全かもしれません。
〜150万円〜300万円〜
現在の企業的な相場がこのあたりです。この費用内でどこまでついてくるかは企業さんによりますが、一式運営までやってくれる会社さんもいれば、運営以外の謎解きセット一式を提供してくれるところ、謎の原稿しか提供できないところまで様々です。
〜50万円〜150万円〜
総務がほぼ存在せず少ない人数で回せている企業さんや、逆に営業や個人制作者などを揃えて仕事を大量に確保して大量に回していきたい企業さんの制作相場になります。こちらもこの費用内でどこまでついてくるかは様々です。この価格帯はクライアントのニーズも非常に高いため、前者の企業の場合は依頼が殺到することによる制作者の疲弊、後者の場合は大量の個人制作者さんが裏側に存在するため、担当した制作者によってはムラが出てくる可能性があります。逆に価格よりも遥かに素晴らしいコンテンツが制作される場合もあります。
また、学生団体も現在はこの価格帯の上あたりからスタートというところも多くなってきています。学生だからといって舐めてはいけません。謎解き業界ではスタッフなどを手配する関係上、学生団体と企業は適宜つながっていますので、学生だからといって安値で依頼したり値切ろうとすると一瞬で業界内で悪評が共有されてしまいますので、気をつけていただければ幸いです。
〜20万円〜50万円〜
この価格帯ですと法人の企業で受けられるのは結婚式や懇親会などで提供する「もうすでに出来上がっているパッケージを提供するだけ」になってきます。パッケージによっては基本料金の範囲内でカスタマイズできる部分をつくっているところもありますので各所お問い合わせ頂けるとよいのですが、完全にオリジナルで作る場合はこの金額ではなかなか厳しいものがあります。
この金額でオリジナルで問題を作りたい場合は、個人制作者に直接依頼するのがよいでしょう。Twitterを探せば何かしら見つかるかとは思いますが、もちろん個人で後ろ盾があるわけではないので、実績などをちゃんと見ないと痛い目に合うかもしれません。
〜10万円〜20万円〜
この価格帯で請ける企業はあまり聞いたことがありません。「ヒマで仕方がない」「自分の成果物に自信がない」「本業じゃないから趣味程度にやりたい」「実績がほしい」個人制作者や学生が受けることがあります。ただしこの人達は儲けが目的でない場合が多いので、得てして数百万円レベルのものすごい制作物を作り出す可能性も秘めています。良い人に巡り会えればいいですね…。
〜0円〜10万円〜
「よっぽどの貸しがある」「肉親に制作者がいる」などよっぽどのことがない限り厳しいです。自分で作ったほうが良いでしょう。しかし謎がついているクリアファイル(※「謎ファイル」ではありません)はこの価格帯で請けている制作者が多く存在するようなので、あなたの持っているコンテンツが魅力的であるならば作ってくれる制作者はいるかもしれません。
〜例外として〜
超面白い企画だったりして、制作会社のやりたい気持ちが上がりまくると上記の値段を無視して請けてくれるところがあったりしますので、まずは問い合わせてみましょう。
■よくある質問
Q・高くないですか?
A・昨今のニーズが高まった結果、上記の価格帯の予算を確保できるクライアントがコンスタントに出てきているということでもあり、制作会社としては高い予算を頂けるところを優先していった結果、この相場感に落ち着いているようです。
Q・じゃあみんなで安く依頼すればいいのでは?
A・謎解きはエンドユーザーとかなり近い位置にある業態であり、制作会社はそれぞれある一定の顧客やファンを持っています。企業からの制作依頼の相場が落ちていくと、みんな自主公演のほうが儲かるので、どんどん企業からの依頼を受けなくなっていくようになる…んですかね。よくわかりません。
Q・お金をかければ面白くて売れるものができますか?
A・いいえ。すべてのクリエイティブコンテンツに言えることですが、お金をかけても面白い物ができるとは限りませんし、それが売れるとも限りません。我々は数十億をかけて大ゴケした映画をいくつも知っているはずですし「カメラを止めるな!」のように、お金をかけることと売れることは直結していないことを知っているはずです。お金をかけることは向き合う時間や向き合う人を増やして面白くなる確率を上げることであり、広報や宣伝をちゃんとして売れる確率を上げることであり、映像や音響、創作物にお金をかければその評判や写真が口コミを広げるでしょう。お金をかけることで確率を上げることはできますが、確実に面白いものや売れるものができるとは限りません。もちろん制作側はクライアントと相談し、ターゲットに沿って面白いと思うものを制作しますが、面白くても売れないものが世の中に無数に存在しているのを忘れてはいけません。
Q・値段の高い安いは謎のクオリティに直結しますか?
A・いいえ。お金をかけても確実に面白くて売れるものができるとは限らないのと同じく、安いからといってクオリティが低くなると一概には言えず、値段の高い安いはその担当する会社の業務・人員構成や方針によるものが大きいはずです。担当する制作者によっては非常にクオリティの高いコンテンツが生まれる可能性もありますし、企業や団体によっては「値段はさておき面白そうだったらやる」というところもありますので、まずは気軽に各社にお問い合わせしてみていただければと思います。ただ、値段が安い場合は薄利多売で多くの案件をこなす必要があるところの可能性もありますので、そのあたりは見極めて頂く必要があるかと思います。
Q・値切っていいですか?
A・作業工数を見積もった結果、例えば印刷は社内でできるなど、削れる部分に関しては削ることができるはずです。ただし納品後に値切ったりすると悪評が一気に駆け巡り、以後まともなところが請けてくれなくなったりしますのでご注意ください。
■リンク集(五十音順)
というわけでつらつらと書いてきましたが、これまで書いてきたことは全部嘘なので、詳しくは下記の企業さんに直接お問い合わせください。
「実施予定日」「実施場所」「参加想定人数」「想定スタッフ数」「プレイ時間」「難易度」「ターゲット」「想定している謎解きの形態(ホールor街歩きorWEBなど)」「映像等の必要有無」「スタッフはどっちが手配するか」などを明記すると「この人達わかってるな」と思われてかなりスムーズにやりとりができるはず。
というわけで、下記思いつく限りの謎解き制作を行っている株式会社を列挙してお別れです。法人でない各種制作団体は思いつきすぎてリンク貼りきれないので割愛しています。うちもやってるよ!という会社さんがあれば追記するのでご連絡下さい。
維新エンターテインメント株式会社(たぬき探偵ジェリー)
株式会社エフェックス
株式会社オールスマイルズ(サニーサニーピクニック)
一般社団法人GainJapan
クロネコキューブ株式会社
株式会社グリーンダイス(謎解きカフェswitch/tumbleweed)
株式会社SCRAP(リアル脱出ゲーム)
株式会社Stamps(よだかのレコード)
株式会社絶対ムテキカンパニー(アソビCafe)
株式会社タイトー
株式会社タカラッシュ(リアル宝探し)
株式会社 TERRA NOVA
株式会社謎組
謎屋珈琲店(NOW AND THEN)
株式会社ハレガケ(NAZO×NAZO劇団)
ハンズプロ株式会社
株式会社バッドニュース(ナゾトキアドベンチャー)
株式会社バンダイナムコアミューズメント(なぞともカフェ/なぞとも)
株式会社フラップゼロ
プレティア株式会社(サラと謎のハッカークラブ)
株式会社マスタッシュ
株式会社ムービック・プロモートサービス(CLEAR QUEST)
株式会社読売テレビエンタープライズ(あそびファクトリー)
そんじゃーね。
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