「入店法」〜おもてなしの放棄


この国をずっと苦しめているのは、間違いなく“おもてなし”という
醜悪な思想である。
日本人が“おもてなし”を称えれば称えるほど、自分で自分たちの首を絞めている。
いくら入店規制をやっても、“おもてなし”が存在する以上、現場が混乱するだけである。

この国は、「おもてなし」の消費者主体のサービス消費国家から、「もてなさず」の生産者が主体となるエシカル消費国家に転換しなければならない。


この国では、まず「お客」という概念を脱構築する必要がある。その上で、ドイツの「閉店法」を参考に、日本独自の「入店法」を制定すべきである。

「入店法」の意義として大きく三つあげられる。

一つ目は、道徳的、文化的なものである。
二つ目は、労働者保護の観点である。
三つ目は、小規模小売店の保護である。

入店法においては

(1)お客は、他の客との距離を取り、店の出入り、訪問には「感謝」「挨拶」「礼」の気持ちを持つ。
(2)お客は、従業員に対して「敬意」を表す。
(3)お客は、モラルやマナーに対する「反則」行為は行わない。
の三つの取り組みを規定する。

だが細々した法整備、マナーや定義以前にこの国の国民一人一人が勤労に対する感謝の気持ちやノブレスオブリージュを学ぶ必要がある。ノブレスオブリージュとは武士道精神であり、これは政府の仕事ではなく国民が「自己学習」により獲得すべき命題なのである。

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