塊魂って面白いよね
塊魂をご存知でしょうか。
2004年にPS2向けのアクションゲームとしてナムコから発売され、その後「みんな大好き塊魂」、「僕の私の塊魂」、「ビューティフル塊魂」、「ころがしパズル塊魂」、「塊魂TRIBUTE」、「塊魂ノ・ビータ」、「塊魂アンコール」とシリーズを連ねてきた人気作。なお、塊魂アンコールは初代塊魂の復刻版なので実質的には7作が今までに出ている。
そのゲーム内容は、簡単に言うならば転がして、くっつけて、大きくするゲーム。
主人公である王子を操作し、塊を転がし、その辺に落ちているものをくっつけて、塊がどんどん大きくなる。
塊が大きくなるとくっつけれるもの、つまり巻き込めるものの大きさもどんどんあがっていく。
最終的には巨大ビルなどはもちろん、大地、シリーズによっては地球やブラックホールも巻き込んで塊にする始末だ。
僕は塊魂が好きで、ころがしパズル塊魂以外のすべてをプレイしている。
なんだかやってて楽しいのだ。
街や国すら巻き込める爽快感。めちゃくちゃなことを平気でやってのけるぶっ壊れ具合。
しかしふと思うのだ。自分は自己評価では、どちらかというと平和を愛する人間だと思う。流血表現とかはあまり好きではないし、直接的な暴力などもっての他だ。だが、実際に塊魂で行われていることはもはやそんな次元の行為ではない。はたして自分は何を楽しんでいるのだろうか。
一応は地球を舞台としている世界観なので、当然人間も出てくるし、それも巻き込める。
大きくなっていく塊を前に、最初のうちこそ気にしていなかった彼らだが、次第に抵抗し、逃げ惑い、しかし最後には抗えず巻き込まれていく。一応設定上では塊に巻き込まれると幸せになるらしいのだが、巻き込まれた瞬間には悲鳴もあがったりする。
まぁ、なんだかんだそれを楽しめる要因として一番大きいのはフィクションラインが関係しているのかなと思う。
この塊魂、とにかくデフォルメが強いのだ。スペック的な意味で処理を軽くする目的もあるだろうが、見た目からして四角で構成された、およそ現実とは思えない世界観。人や動物もリアルとはかけ離れた行動を取り続けており、フィールドにもおもちゃ箱をひっくり返したようにオブジェクトが散乱している。
ハッキリ言って、プレイしている間の僕はこれを現実の世界だとはカケラも認識していない。ゲームだからそりゃ当然なのだが、それ以上に現実を思い出させるような要素がほぼほぼ塊魂の中には無い。
これがリアル重視のグラフィックだったらどうだっただろうか。一気にゲームの雰囲気は変わり、購買層もまったく違うものになっただろう。
僕もそんな現実感バリバリの世界観を思う存分蹂躙できたかというとそれは話が変わってくる。たとえやっていることが同じだとしても、だ。
しかしいくら現実とは思っていないといっても、架空の町を蹂躙するのを面白がっているのは事実だ。結局のところ原始的な欲求として、暴力をふるいたい、みたいなものはあるのだろうか。
平和な範囲でなら。誰にも迷惑をかけない、ささやかな欲求としてならば。許可された暴力をもしかしたらふるいたいのかもしれない。
こういう、自分の中に隠された欲求を起点とすることで、他の欲求に気づけたりするのかなぁと思う次第ですね。
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