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サブスクリプションβではないサブスクリプション

こんにちは。机で座りっぱなしが辛いので、卓上スタンディングデスクを購入したへべれけです。

オフィスで働いているときは、意識してコーヒーやトイレに席を立っていたので、そんなに体が凝ることはなかったのですが、子供に内緒で仕事部屋に潜んでいる今はそういうわけにもいかず…。

いよいよオフィスよりも自宅のデスク周りのほうが充実してきた感。

ちなみにこちらの商品を購入しました。

本体の使い勝手は非常に良いんですが、私は背後にグリーンスクリーンを使ってZoomミーティングをしているので、スタンディングにしたときの椅子の置き場所には考慮が必要です。

さて、前回の記事で、サブスクリプションと認識されているけど、サブスクリプションβではないビジネスモデルがあると書きましたので、今回はその具体例を取り上げてみます。

本題に入る前に、私のnoteでの言葉の定義をば。
・旧来のサブスクリプション=サブスクリプションα(アルファ)
・近年のサブスクリプション=サブスクリプションβ(ベータ)
詳しくは第一回目の記事二回目の記事の冒頭をお読みください。

「モノの消費」が目的だとサブスクリプションβにならない

サブスクリプションβじゃないビジネスモデルの具体例の1つ目は、「モノの消費」が目的のサブスクリプションです。

例えば『食品の定期お届け系サブスクリプション』とかですね。

届いた「モノを消費」することが主な目的なビジネスモデルは、『定期購入』という意味ではサブスクリプションですが、「製品/サービスを利用する」というサブスクリプションβの定義には一致していません。

でも、『XXXお届け系サブスクリプション』には、「届けるモノの内容をサービス提供者が適切に選択してくれる」というオプションが付随することがあります。

もし「サービス提供者が選択する」ことが、お客様にとって十分な価値となるビジネスモデルを構築できれば、それはサブスクリプションβになります。

例えば、『一流のコーディネーターがあなたのためのコーディネートを考えて、ファッションアイテムを定期的にお届けするサブスクリプション』があるとします。(レンタルだとこういうのがすでにあります)

この場合は新しい服というモノと同時に、「一流のコーディネーターによるあなたのためのコーディネート」というサービスを価値として顧客に提供しています。

「一流のコーディネーターによるあなたのためのコーディネート」は、顧客自身が一流のコーディネーターでなければ実現できませんからね。

私のような人並みのセンス(だと信じたい)の人には十分価値のあるサービスです。

もし顧客自身がコーディネーターであっても、他のコーディネーターのセンスで選んでもらうのは価値になり得ますよね。

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この場合、「一流のコーディネーターによるあなたのためのコーディネート」のサービスを受けたいという理由で、顧客が継続的に利用する動機になります。

今後、指名料をいただくようなオプションとか出てくるかもしれませんね。

「リースやレンタルと区別できない」とサブスクリプションβにならない

サブスクリプションβじゃないビジネスモデルの具体例の2つ目は、「リースやレンタルと区別できない」サブスクリプションです。

これも結局モノを売っているだけなんです。

例として実在のサービス名をあげちゃうと、トヨタの『KINTO』とかです。

ちなみにKINTOは苦戦していて、そのことは記事にもなっています。

記事にも色々と苦戦の要因が書かれているのですが、私の意見は「継続的に支払いをすることで受けられるメリットを感じない」からです。

確かに数年後の支払い額が現金払いよりも割安になる場合もあるようなんですが、結局「車両代と保険料のバンドルを分割払いしている」だけなんです。

サブスクリプションβは、その契約期間中に継続的に価値を提供しなければならないのに、そこが欠けています。

それを端的に表しているCMがこちら。

ね、買うときのことしか言ってないでしょ?w

意図しているのかしていないのか分かりませんが、CMの製作者もただの支払い方法の選択としか捉えていないし、これでGoを出したということはトヨタの方々自身もそうなのかもしれません。

ではここで質問です。

KINTOをサブスクリプションβにするために、皆さんならどうしますか?

色々なやり方があると思いますが、例えばクルマに乗っていない間にガソリンを補給してきてくれるようなサービスがあると、利用者としては時間の節約になって嬉しいですよね。(人に勝手に乗られたくないとか、嗜好があるのはここでは一旦置いておきます)

あとはクルマのコンピュータにAIを搭載して、それがインターネット経由でアップデートされつつ、運転手のクセに合わせて運転をサポートするようなサービスも考えられます。

いずれもKINTOとは関係なく、独立したサブスクリプションでやれそうですけどね…w

まとめ

今回2つの例を挙げましたが、共通しているのは「モノを売る方法としてサブスクリプションによる支払い方法を提示している」というところです。

特に製造業の方々がサブスクリプションビジネスを始めようとすると、この思考に陥りがちです。

仕事で相対する方々の多くは、担当者がサブスクリプションβの本質がサービスの提供であることを正しく理解していても、社内の大半の方が「モノを売るための方法の一つ」として捉えているので、それをひっくり返すのに非常に苦労した/している、と仰っています。

というわけで、サブスクリプションビジネスのスタートにあたっては、サブスクリプションβがどうあるべきかという社内への草の根活動もしっかり行っていきましょう。

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