シンガポールのフィッシュヘッドカレーはそんなに辛くなかったです
ベトナムからシンガポールに移動。休暇終了で、これからシンガポール、マレーシアの、カレーとコーヒーを中心とした食文化の探求に励みます!
一つ、目玉に考えていたのがフィッシュヘッドカレーです。何といっても由緒正しい?!シンガポール発祥の代表料理の一つです。20世紀の初頭に遡りますが、当時魚の頭は捨てられていたものを、インド系の人々が、中国系の人々の魚好きを立てて、カレー料理として作り上げたのが発端と言われます。複数民族が共存していくのはそんなに簡単ではないと思うのですが、こういった努力が積み重なり、たぶん今のある程度いい形での融合社会ができあがっていく、いい話を端的に例示しているように思います。
ぜひとも食べてみたかった!
今、シンガポールでフィッシュヘッドカレーの有名なレストランは、御三家の扱いともいえる下記3軒です。(順番に意味はありません)奇しくも同じ時期ですね。
Muthu's Curry (創業1969年)
Banana Leaf Apolo (創業1974年)
Samy's Curry (創業1960年代)
これ3軒とも、フィッシュヘッドカレーはかなりボリューミーで、ソロで食べる料理ではないようです。従いまして、ありがたくも、在シンガポールの友人3人にお付き合いいただき、今回はMuthu'sの席に座らせてもらった、と、そういうわけです。
まずは、Signature Dish であるフィッシュヘッドカレーを注文。
バナナリーフを皿代わりに出してくれます。個人的には、これで手食の準備OKです(笑)。
何とも言えない深い味わいで、魚とカレーの融合が、一口一口、ゆっくりと体内に吸収されていくのがわかります。1969年から今に至る長い道のりでもあります。店内を見渡すと、正直ある程度の高級店の位置付けでもあるのでしょうが、シンガポールらしい、観光客も含めた多民族の融合でもあります。
待てよ、そういえばこのカレー、絶妙な味わいでありながら、そんなに辛くはないです。シンガポールを構成する住民のマジョリティーは中国系(約70%)ですが、四川でも湖南でもない、福建、潮州、広東からが多くを占める状況の中で、あまり辛い料理は好まれない。要するに典型的な「現地化」ですね。Muthu'sのあるリトルインディア地区は当然ながらインド系の人々が一番集まるところでしょうから、もっと「ガチインド」かと思っていたら、そうでもないですね。日本のインド料理店は、大抵が辛さの程度を選べるのですが、Muthu's ではどうか聞いてみたのですが、公式な回答なのかもしれませんがNOということでした。経営の事情なのかもしれませんが、普通に選べればいいのに!
御三家は、それぞれの店の特徴はあるのでしょうが、大枠ではよく似たグループに位置付けられるように思います。次稿では、もっとローカルローカルした、観光客はあまり行かないであろう、そんな店のご紹介をします。
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