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伝統的なコーヒーだって「もっとおいしく!」

 いつも原則的にコーヒーはブラックで飲んでいるのですが、東南アジアの食文化に深入りして以来、甘いKOPIも、「伝統尊重」と「たまにはいいなあ」といったスタンスで、カヤトーストと一緒に外でですが飲ませてもらうことがあります。でも、正直なところ「甘すぎる」ところが否定できないのです。もちろんKOPIには様々な種類があっていわゆるブラック(Kopi O Kosong)も頼んだことがあるのですが、これはこれで私には中途半端で求める姿ではない(個人の嗜好)と思います。もっと上流となる「豆の種類」と「焙煎」が要因になるとの認識で、KOPIに主流的に使われる「ロブスタ種」の豆を入手して自分でハンドドリップで淹れてみたらかなりおいしかったです。
 ってことを前項で書かせていただきました。そして本稿はその続編となります。

 コーヒー好きな人は、多少は習慣的にってのもあるかもしれませんが、大多数は「更においしく」を求めるのではないでしょうか。(「健康的に」も含みます)。今回の東南アジアツアーで「コーヒーの世界」を見るのは、そこでの「更においしく」の現場状況を見てくることとなります。
 東南アジアでのコーヒー状況の大枠を言うと;
①グローバルな Specialty Coffeeに注力した世界
②甘くした伝統世界(コーヒーの強い苦みの上塗り)
 この二つに大別されるのですが、もう少し中身を見ると「中間帯」があるのです。
③伝統を意識しながら更においしくに拘る世界
 この、③にスポットライトを当てることに他なりません。

 例えば、シンガポールは別になりますが、マレーシアもベトナムも、地場でコーヒーは採れます。Specialty Coffee で一般のアラビカ種も少量ですが、アラビカ種よりも品種的に劣ると一般に認識されているロブスタ種、リベリカ種。この品種で①の領域に上げるべく類まれな尽力をされている「MY LIBERICA」 (ジョホール州)。そして、焙煎の拘りで高みの世界を築こうとされている)「96B CAFE&ROASTERY」(ホーチミン)。他にも追加できるかもしれません。これが第一グループ。

 そして、伝統の中にありながらも、「控え目」を狙った「IPOH WHITE COFFEE」。これが第二グループ。
 マレーシアでの伝統焙煎は、ロブスタ種の強い苦みを和らげるため、焙煎を2回行い、2回目に「砂糖」「バター(マーガリンその他)」を入れて焙煎を行います。そのために最終形が黒光りするような塊になるのですが、WHITE COFFEE はその添加を抑え目のマーガリンに限らせる、ということです。それゆえに黒光りはなく、対義語としての「白」が使われた。これだって①と②の中間帯ですよね。個人的には、もっと徹底的に添加を抑えれば、と思うのですが、批判的な言い方はしたくないため、現地で会話をしてみたいところです。
 IPOH WHITE COFFEE の元祖と言われる「南香茶賓室」


①グローバルな Specialty Coffeeに注力した世界
②甘くした伝統世界(コーヒーの強い苦みの上塗り)

の真ん中を行き、「地方の特性」を活かした、
③伝統を意識しながら更においしくに拘る世界
 の世界をしっかりと表現してみたいと考えています。


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