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南インドと東南アジアがマレーシアの地で融合ーMalaysian Curryー

 引き続きカレーの大海をめげずに泳いでいます。
 今更なのですが、「ホールスパイス」の香りを出してみようと、前項で呟きました。

 「魯珈」の斎藤シェフのご指導の通り、まずは「マスタードシード」をフライパンで弱火で炒めます。少し続けると、確かに、シードがはじける音とともに、一面に香りが漂ってきました。料理を作るときの喜びは、順序でいうとまずは「香り」だと思います。「どんな味に仕上がるんだろう」という期待感が、いきなり爆走を始めます。
 ホールスパイスはもう一つ、「クミンシード」。クミンは、パウダーでも「ザ・カレー」の香り一杯に広がるスパイスです。丁寧に弱火で香りを出します。
 続き、レモングラス、生姜、ニンニクを、グラインダーで滑らかにして投入。レモングラスの香りも確かに感じます。ニンニク,生姜と共に融合していく過程がつぶさに感じられます。

黒っぽい種がマスタードシード、茶色の細長いのがクミンシード

 そしてみじん切りにした玉ねぎを投入。
 斎藤シェフのご指示通り! 玉ねぎは水が出るので焦げる心配が少なく、強火で炒めます。水を出しやすくするため塩を少々振りかける。そしてある程度過ぎると弱火に戻し、焦げないように適宜さし水をする。何回か繰り返し。一歩一歩カレーに近づいていくのがわかります。

 いわゆる「飴色」。いい感じになってきました!

 そして、「東南アジアハーブ」として、パンダンリーフ、バイマックルーを入れます。パンダンリーフは、少々カレーの中においては目立たないように思うのですが、バイマックルーは強烈です。

 そして野菜。実は本日は野菜カレーにしたのです。
 野菜は、なす、かぼちゃ、赤ピーマン、ニンジンです。仕上げにココナッツミルクを入れて、あとは野菜が柔らかくのを待つだけです。

 完成です。

 さて、今回の趣旨は「南インドと東南アジアの融合」です。
 若干違うのかもしれませんが、今回使ったスパイス、ハーブをわけますと;
 南インド=クミンシード、マスタードシード、コリアンダー、ターメリック、カルダモン、クローブ、シナモン
 東南アジア=レモングラス、バイマックルー、パンダンリーフ。

 最初は、インドスパイスの強烈な香りに支配されるのですが、東南アジアハーブを入れていくことで、香りがぶつかり、そして融合されていく過程がドラマチックに展開されます。
 この「融合」がマレーシアではないでしょうか!?

 マレーシアの大都市にある、リトルインディアのインド人の店では、南インド伝統のカレーが主体のような感じがします。そして中国人、マレー人の店では、カレーはカレーパウダーを使うことが多いように聞きます。たぶんカレーパウダーでは、ホールスパイスを炒めて出す特徴的なスパイスの「香り」は出せないように思うのです。

 「香りのぶつかりと融合」ぜひマレーシアの旅で探してきたいと思います。

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