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【ドラミちゃん50周年記念】藤子F不二雄の修正力

 書店に行ったところ、『ドラミちゃん』50周年記念ということで刊行された、てんとう虫コミックスの『ドラミちゃん』を見かけました。ということで思い出した小ネタ。

 皆さんのなかには、ネットで初登場時の『ドラミちゃん』の画像を見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

『ド・ラ・カルト ドラえもん通の本』より

 実はネットに出回っているこの画像って、僕が20年以上前(多分2001年)に、スキャナを買って始めて撮った画像なんですよね(画像の傾き方で判断)。で、当時やっていたホームページでネタとして使ったのですが、その後20年以上たってもまれに見かけることがあるのでビックリです。なお、当時スキャンしたネタなんかをまとめたページは、Web Archiveで見ることができたりします。ムツゴロウさんが亡くなった時に話題となった、吉田豪さんによる伝説のインタビューもありますよ。

 などというロートルの思い出話はさておき、本題のドラミちゃんなのですが……。『小学四年生』1973年3月号の予告に登場した段階では、正直「これはちょっと……」的な外見だったドラミちゃん、本編初登場のときはどんなビジュアルだったのかなー、と思って『小学五年生』1973年4月号を見てみました。

国会図書館デジタルコレクション:『小学五年生』1973年4月号 ※国会図書館限定送信

 どうですか、 わずか一か月でこの修正力! 長期連載の漫画にありがちな「だんだんキャラの形が定まっていく」というようなことはなく、一発でほぼ今と同じ形を出してくるあたり、さすがです藤子先生! 「ひげをなくす」「色を白っぽく」「ポケットに模様」あたりが大きな変更点だけど、中でも特によかったのはひげをなくしたところなのかな。あと、この段階では、名前は「ドラ美ちゃん」と漢字混じりなんですね。

 と、藤子先生が完璧な修正力を見せる一方で、ジェネリック藤子先生によって描かれたドラミちゃんはというと……

国会図書館デジタルコレクション:『小学二年生』1974年3月号 ※国会図書館限定送信

 「ひげをなくす」「色を白っぽく」「ポケットに模様」あたりのポイントはきちんと押さえているのに、なんかキモイ……。デザインの素養が全くない僕にはどこがダメなのか説明できないんだけど、長細いところがダメなのかなぁ? ともあれ、藤子先生のキャラ作成力のすごさを改めて感じたりした今日この頃です。

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