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23秋季一部リーグ戦_第一節【棚卸】


◇チーム別の振り返り

□札幌大谷大学

2勝3敗、4位折り返し。春も一節2勝で勝利数としては同じだが、道都からの1勝を含んでいるのがハイライト。大谷史上初の「道都越え」であったことに加え、開幕二戦目で23年秋の様相~道都苦戦~が早速如実に現れてきたことも示す勝利であったことも記憶しておきたい。北大戦は1点ビハインドを追い付いての延長TB決着、11回勝ち越して2勝目。

□北海道大学

2勝3敗、4位で折り返し。大谷と同じく一節2勝は春同様だが、東海からのコールド勝ちが23年秋のハイライト。得意としていた札大に完封負けしたものの、開幕道都戦は終盤追い上げを見せ、大谷戦は延長TB負けといずれも~1敗もしくは2敗通過もあり得た~惜敗。春は二節巧者ぶりが影を潜め失速したが、二節へ期待が膨らむ内容で一節を終えた。

□札幌大学

2勝3敗、4位で折り返し。開幕大谷戦~1日遅れての登場~を完封継投で勝利するも続く東海にはコールド負け。3戦目苦手北大には快勝したが学園、道都には惜敗。3番佐野、4番杉木、5番西正を並べた攻撃型布陣も~杉木に1号本塁打は出たものの~本領発揮とはならず。投手陣は踏ん張っていただけに打線活性化が待たれる形での一節折り返しとなった。

□北海学園大学

3勝2敗。道都、東海と並んで首位。開幕戦を杉林のサヨナラスリーランで劇的に勝利するも、北大と道都に連敗。暗雲漂い始めるがここから浮上を開始。帯川、長谷の息詰まる投げ合いの末、接戦で札大を振り切ると、最終戦の大谷をコールドで一蹴して先頭集団に取り付く。単独最下位に沈んだ春一節から一転、秋一節は1位グループでの通過となった。

□東海大学札幌キャンパス

3勝2敗。道都、学園と並んで首位。唯一三連勝で3勝を挙げた東海だが、TBの末に落とした学園との開幕戦と北大にコールド負けの最終戦に挟まれていて評価が難しい。三連勝中、各試合の失点1と投手陣が安定していたことは確か。反面、得点は2戦目札大戦をピークに下降線をたどった。5戦目のコールド負けにより前残りでの1位通過となった印象。

□星槎道都大学

3勝2敗。「一節2敗」自体は慌てる事態ではないが(春も一節2敗)、開幕戦から非常事態を知らせるサイレンが鳴り響く。4年生野手が春に離脱した影響が注視される中、負傷者等の発生も重なりイレギュラーズを並べての発進で北大に辛勝。続く2戦目大谷に初の金星献上。警告の音量は最大値に達する。2戦目以降の得点も苦戦ぶりを映す中、サイレンは小さくなることなく二節へ。

◇全試合寸評

【一節】8月25日

恐らく初めてとなる各日2試合開催(二節の札幌ドーム開催を除き)となった秋の札六。開幕日の登場は、道都、北大、東海、学園。札大と大谷は1日遅れて8月26日の登場となる。

道都と学園が白星発進。道都は序盤幸先良く先制したものの、北大に最少点差まで詰め寄られての辛勝。学園は延長10回杉林のサヨナラ弾で蹴りをつける。「すべてが」とまでは言わないが、この先の展開を暗示するような幾つかの要素が確実に仕込まれていたようにも感じる。

8/25_道都6-5北大

負傷者発生等で手負いの春王者、北大に詰め寄られながらも辛くも勝利。前途多難を窺わせる一戦とはなったが、道都イレギュラーズの底力を見せる好機として前向きに転換できるか。初スタメンは捕手木川と左翼後藤、後藤3安打は収穫。北大は序盤失点後しつこく追走。7回の追加点で1点差に迫る。最後かわされた格好となったが価値ある初戦となった筈だ。

8/25_東海4-7学園(延長10回)

序盤は点の取り合い、中盤の投手戦を経て、春一節に続き延長戦突入となった一戦。ひとつ先の塁への進塁を巡る細かな攻防成否などを吹き飛ばす~これぞ本塁打がすべてを解決したと言える~一打で学園杉林が蹴りをつけた。東海二番手登坂は5回から好救援を続けていたがこの日に許した2本目の安打が痛恨の被弾に。


【一節】8月26日

1日遅れで札大と大谷大が登場。これも終わってみれば・・・なのだが、この開幕カードの再戦が秋締め括りの一戦(栗山での順位決定戦)となった訳である。スコア、内容ともにどこか暗示的ではある。昨日から引き続きで登場の学園と北大。会心とも言える開幕戦勝利の学園と内容伴う敗戦の北大の一戦は北大が獲る。北大躍進の兆しが見えた開幕からの2試合。

8/26_札大3-0大谷

開幕先発は阿曽と伊藤。札大は「月にむかって振り上げる男」杉木が4番復帰。前後に佐野と西正を配した3S超攻撃型打線。大谷は春出番の少なかった田口がスタメン2番に。6回表に1点を先制した札大は8回表、佐野適時打で2点を追加。阿曽、吉、高松の継投で大谷を完封、開幕戦を勝利で飾る。大谷打線は3安打と抑え込まれ完投の伊藤を援護できず。

8/26_学園1-3北大

開幕戦、内容の良い試合となった両チームの対戦。少ない好機を得点に結びつけた北大が~先鋒役の今、ポイントゲッターの近江が機能して~勝利。一方の学園は2安打、攻撃の糸口掴めず。1点を返すのがやっと。開幕戦サヨナラ勝利の勢いに乗りたいところであったが北大の前に一時停止。春同様に一節は北大が獲り、2戦終えて互いに1勝1敗。


【一節】8月28日

8/28_東海8-1札大

初戦、守りの安定感を欠いた東海。まずはしっかりと守りを固めることで主導権を握りたい。対する札大は打線中核を担う佐野・杉木・西正の3Sに注目。東海は4回以降毎回の8点(11安打)を奪う一方、投げては登坂・高木の継投で札大を2安打1失点に封じて完勝。札大は4投手投入で防戦も押し切られる。

8/28_大谷6-2道都

初戦完封負けとなった大谷と緊急事態下の道都。大谷4年生は道都から初の白星奪取となるか。「そうさせてはたまるか」と道都イレギュラーズの底力が跳ね返すか。大谷19年一部昇格後初となる道都戦勝利。先制適時打は4番中川、投げては鳴澤・伊藤のリレーで道都追撃を2点で食い止め金星獲得。

各校2戦を終えた時点で1勝1敗。秋の最終着地を見届けた今から遡って見直すと~勿論、全てがそうではないにせよ~各校入りの2戦に秋の全体像が凝縮されていたようにも見える◇学園、帯川・木村を投手陣の軸に据える◇道都、前途多難◇北大、躍進の予兆◇大谷、道都から金星獲得、など。


【一節】8月29日

各校2戦を終えて1勝1敗で並び3戦目へ。

8/29大谷1-3東海

昨日道都越えの大谷と札大に完勝した東海。連勝したチームがまだない秋の札六、最初の連勝をするのはどちらか。重要となる「勝った翌日」。昨秋二節の借りを返す格好で東海が勝利。鈴木一茶、高木の継投で5安打1失点。大谷8回表二死満塁好機に決定打が出ず。伊藤嶺はこの日も完投、しかしながら、開幕の札大戦に続き、打線援護がなかった。

8/29北大0-4札大

22春以降、北大が勝ち越している「お馴染みの」一戦(北大4勝、札大2勝)。点の取り合いなら北大、守り合いになれば札大に分がありか。「月にむかって振り上げる男」杉木が3点本塁打などで全4打点を叩き出す活躍、吉-高松の完封継投で札大が快勝。一方の北大は3安打と打線が遠慮のカタマリと化したものの、今が2安打と復調気配が見えてきたのは吉報か。


【一節】8月30日

8/30学園0-2道都

一節5日目は1試合開催◇学園-道都、共にここまで1勝1敗、現在3位に並んだ両者の一戦◇両者とも開幕戦勝利するも2戦目は春の順位下位チームに負けを喫して迎える3戦目◇学園は春のやり返しを懸けて帯川、工藤Wスタンバイか◇一方、手負いの春王者道都、今こそ道都イレギュラーズの底力を見せる好機◇共に東海、札大を追うべく負けられない一戦◇

学園0-2道都_イレギュラーズを加えていた2戦目までから一転、開幕前に予想していた布陣にほぼ戻った道都が学園を降して2勝目。戻ってきたうちのひとり、菊地2本の適時打で2打点、投げては先発佐藤爽が被安打4で学園打線を完封。学園は4併殺と攻撃の芽をことごく摘まれて反撃に転じることができず。


【一節】9月2日

9/2札大1-2道都

接戦制して道都が3勝一番乗り。同点で迎えた4回裏道都は今日初スタメン佐藤隆之介適時二塁打で逆転。印南、松田、伊東とつなぎ札大反撃封じて逃げ切る。1回表に守備の乱れで失点のあった札大、以降は再三のピンチを好守(生還阻止する本塁への好返球)で防ぐも、決定機に1本出ず。

9/2大谷7-5北大

大谷は1点を追う8回表代打石鳥適時打で同点に。延長11回表鵜野2点適時打二塁打が決勝打。伊藤が11回完投。北大は序盤にリード奪うも6回以降好機作れず。


【一節】9月3日

9/3札大0-3学園

両先発左腕の長谷と帯川が0を並べ続けた一戦、決勝打は8回裏学園水野のバットから。8回裏一死満塁で走者一掃の適時二塁打。帯川は3安打完封。6回以降疲れの見えた長谷、最後に捕まるも素晴らしい好投を見せた。

9/3道都1-2東海

東海、5回表に道都堀越の適時打で先制許すも7回鈴木彪我適時打で~好救援で反撃を呼び込む高木の好投も光る~逆転勝利。


【一節】9月4日

9/4北大8-1東海

北大は2回宮坂適時打などで4点を先制、以降5回、6回にも得点を重ねて7回コールド勝ち。スタメン抜擢高橋宏誓が2安打の活躍。東海は先発山が序盤に捕まったのが誤算か。

9/4学園7-0大谷

3回常谷適時打で先制、2-0で迎えた8回に一挙5点を奪った学園がコールド勝ち。先発木村が3安打完封。大谷は7回三番手伊東、前田が崩れた。

道都・東海・学園が3勝、札大・大谷・北大が2勝でそれぞれ並び一節終了。

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