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23春季リーグ戦棚卸_札幌大谷大学(更新中)

◇二度目の東海越え


まずは記憶しておきたいのが、一部昇格後二度目となる東海越え。過去一度あったそれは、優勝決定後の勝利。その前回勝利との違いは二節開幕戦(5月16日)という優勝の行方が定まらない中での勝利であったという点。この今回の勝利は、伊藤の2試合連続完投、そして連続完投2試合目となるこの東海戦は完封によるものと、大黒柱左腕によってもたらされた。伊藤の快投を記憶しておきたい(5安打完封)。打の殊勲者は、この日4番に入った石鳥。この試合を単独で取り出したときに記憶すべきあらましは、だいたいこのような内容。

一方、シーズン全体の中で、この試合の意味合いを加えて、記憶するならば、この1勝がなかった場合、大谷は2勝止まりとなって、単独最下位で入替戦へ廻っていた可能性が極めて高かったという点。この1勝を挙げたことで大谷は北大と同着となり、順位決定戦の末、5位となって入替戦行きを回避へとつなげた。この点からこの東海越えはとてつもなく大きな1勝となったといえる。

◇「よくやった」を上回る「よくぞやった」はあったか?

さて、それでは、展望号で投げかけをしていた「よくやった」を上回る「よくぞやった」があったか?について振り返りをしてみる。東海戦の勝利、これ自体は大いに該当する成果であることは間違いない。一方、シーズン全体を振り返ってみたときには「もっとかき回して欲しかった、もっとやれたのでは」という欲張った求めをどうしてもしてしまいたくなる。大きなミスマッチがなかった反面、冷や汗をかかせる場面もなかったように思えるのがその理由だ。

前向きな要素は、もちろんある。伊藤嶺の好投を筆頭に、中川の本塁打記録、石鳥や高橋といった中軸を担う打者がシーズン通して実戦を経験したことなど。またぐんと球速を上げてきたと思われる伊東の存在、その投げ込まれる球の行方は大きな関心事。さらには1年生トライアウトの場にもなった遊撃手争い。これらを秋に向けて前向きな注目事項として記憶しておきたい。

引き続き「よくぞやった」を期待しています。

◇戦績一覧

見せ場は一節4戦目からの3連勝。学園戦に柄目の粘投、中川の2点本塁打などで初勝利を挙げると、伊藤嶺が2試合連続の完投、加えて東海越えは完封劇で、仇敵北大と東海に連勝。しかし二節では学園、北大に切り返される。連勝する難しさことの難しさを改めて知らされたか。このあたりを大谷が越えてくると札六の風景がもう一段階変化してくると思われる。期待したい。

◇振り返り

雨天順延による一、二戦の対戦順入れ替わりがあったが、二強~道都・東海~との序盤戦になる点は変わらず。この序盤の急傾斜は二強に跳ね返されての連敗発進。

続く札大戦は無得点で延長へ突入の末、鼻差で札大を逃す。三戦目までの得点わずかに1と打線が奮わない。

しかしここから巻き返しに。学園戦では中川が本塁打を放つなどの活躍もあり逆転勝利、続く北大戦は伊藤が完投、失点1と封じて連勝で一節を締める。

二節開幕の東海戦。伊藤が東海を完封、1点のリードを守り抜いて、通算二度目の東海越え。この一節、二節跨ぎの三連勝はこの春の大きな見せ場となった。

これで勢いに乗るかとも思われたが、道都、札大、学園に連敗。最終北大戦、勝てば単独5位であったが、北大に敗れて、順位決定戦へ。

望まないクライマックス~順位決定戦~は、9回で決着付かず。TBで北大を振り切って5位を確定させ、入替戦回避に成功して春を終えた。ところで、7-6というスコアは北大とのポストシーズンマッチでよく見かけるスコアに思えるのは気のせいだろうか。

この順位決定戦の勝利で入替戦含むポストシーズンマッチは、19年秋以降五連勝。昇格・降格が行われる札六の中で存在感を大いに発揮していることは確か。次に見たいのは、本割の中でのもうひと暴れ。秋はポストシーズン巧者ぶりを発揮することなくシーズンを終える大谷の姿を期待したい。

大谷は私が札六観測を始めたシーズン(19年春)に一部へ昇格してきたチーム。一方的に、勝手に、仲間意識を持っている。という意味でも、様々な期待を込めていつも眺めている。

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