病棟のミステリー


深夜、おじいさんと看護師さんが
「どこに落としたの?」
「ここらへんだと思うだけど」
「ここにはないよ、どこの歯?」
「ここ、ここ」
「いつ落としたの?」
「わからん、きのう」
「昨日ここに落としたの? ここは毎日掃除してるし、落ちてたら落とし物で判るよ。本当にここ?」
「わからん」
おじいさんは歯が無いせいか、滑舌が悪くて何を言っているのか聞き取りにくい。
しかし、たとえ歯があっても滑舌はあまり良くなさそうである。
「この先はほかの人の部屋だし、もう行き止まりだよー、一旦部屋に戻ろう。」
「どこに落としただやー」
「○○さんここに入院した時、そこの歯あった?」
「@:ω$#*Ωα?ω#´艸`・・これで2回目。」
「2回目? 1回目はどこの歯落としたの」
「ω#´艸`ω$#*Ωα?@:」
「上?下?」
「Ωα?@」
「一回目はいつ?」
「βΩα?@」
「で、今度で2回目?じゃぁもうすこし一緒にさがすかぁ」
「?ω#´艸`β*」
「やっぱりないよー、○○さん」
「おっかしいなぁ、顔洗っとるときに落としたと思うだけど」
「でもここ、さっき見たとこだよー」
「ω#艸ω$#*α?@:」
「これだけ探して無いだで一旦部屋戻ろう。もう夜中の2時だよ」

二日後の昼
朝の回診が終わり、ひと段落付いたところだが、夜と違って病棟の中では人がごった返していて密度が高い
「まだ探しとるの?」
「おかしいな、ここらへんで落としたと思うだけど」
「そこはこないだ見たとこだよ、あ、危ない危ないよ。他の患者さんたちも歩いとるでね、ぶつからんようにね」
「流されちゃったかな」
「入れ歯が流れるようなパイプは通っとらんよ」
「βω;α?@」
「そこは女子トイレだよ。○○さんは入らんでしょ」
「艸β//ωα?@」
「人がたくさん通るで、危ないで、一旦部屋戻ろう」
その後どうなったのか。翌日私は退院してしまったので真相を知るすべはない


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