世界で1番華麗で危険な

あぁ、だからダメって言ったんだ。
仰角21度、絶妙の角度でテイクオフしたカナダ代表マイク・サンダーウッドのベッドミサイルは見事運営の放ったレーザーで正面から撃墜された。享年19。まだ早い。スタート地点の改造に300万かけて、6秒後に燃える肉片とは浮かばれない。

それを尻目に俺はと言えば、定番のゼリー・アンド・バイク。安全性と小回り、栄養補給を最大限考慮したスタイルであり、この競技で採用するプレイヤーも多い。
そう、コレは「競技」。
競技化され、それと同時に数十億のマネー飛び交う戦場と化した……「通勤通学」。
時間・効率・現実性・芸術点、その全てにおいて最高のコミューターを決める戦い。
今俺がいるのはそのワールドツアー第2戦というわけだ。
「よっし……出ますか!」
午前6時18分。
世界で1番華麗で危険な通勤の幕開けだ。

【Race2-2へ続く】

#逆噴射プラクティス #逆噴射小説大賞

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