刑事 一本木進

もうおしまいだ。
港南銀行駅前支店長の沼田は、震えていた。
強盗2人組に押し入られ早3時間。現在17:58。あと2分で、私の人生は終わる。
その時、店外でざわめく音がした。なんの動きか分からんがどの道もう
ズダン。
地鳴り。首を上げた沼田には確かに見える。過剰装甲の鉄塊が、
ま っ す ぐ
向 か っ て
来た。

強化ガラスは呆気なく割れた。鉄塊はそのままスプリント。何かを抱えるかのような特異なフォームである。
「テメェ!」
鉄塊はカウンターでハンドスプリングを決め、強盗Aの1.5m手前。強盗は拳銃を構え、足を払われ転げ落ちた。
鉄塊は腕を伸ばし確保、そのまま手錠をかける。
着地した鉄塊にもう1人が問う。
「どこのシマだ!」
「警視庁特殊強行進入班所属、一本木進!階級は巡査部長、ポジションは……ランニングバックです!」
「黙」

「Set!」

店内が、揺れる。

「......Hut,hut!!」

【初陣 に続く】

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#逆噴射プラクティス #逆噴射小説大賞

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